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    F-14/D
    それは特に強い戦闘機とゆう訳ではない。しかし、それを改良して欠点を克服したら。


    「霊夢、4時20分の方角に未確認飛行機だ」
    「確認したわ。2機ね」

    霊夢と魔理沙が操る機体はF-22。最新鋭のステルス戦闘機。レーダ波を吸収し反射を極力抑えた、それこそ見えない戦闘機。もっとも、良く見れば機影がレーダにゴミのような薄さで表示されるが、それも戦闘機のレーダではそこまで確認できない。

    『こっちでも確認したぞ。敵機は2機。攻撃は指示があるまで禁止。偵察せよ』
    「了解したわ」
    「了解だぜ…散会!」

    右にいた霊夢が左旋回、左にいた魔理沙は右に旋回する。
    「敵機とすれ違うっ」
    ニアミスしたその機影に見覚えがあった。
    「敵機は黒いF14!繰り返す、黒いF14!!」
    ブラックキャッツ4番機と言えば有名だった。ブラックキャッツ以外で黒い機体はそんざいせず、そのブラックキャッツも国境の境目にしか配属されていない、そんな機体
    「機体番号は!?」
    霊夢がすかさず追いつく。これが二人のいつもの戦法。魔理沙が頭ですれ違い、すかさず霊夢が後ろに回りこむ。
    「4号機……間違いない。この機に乗っているのはっっ」


    その軌道はMiG29のようで
    それでいて神経質なエンジンはエンストしない。
    翼の開閉は素早く、


    「くそっ、霊夢、残り1機が気になるぜ。どこへ行った?」
    「あんたの上だ、上」
    「なんだって……くそ…コイツも4番機だ」

    『敵機に攻撃の意思はない。暫く追従せよ』
    「断る!こいつらを驚かせてやるっAC起動!!」
    魔理沙は安全装置を解除して1機の後ろに回りロックオンする。
    「ま、魔理沙!?」
    「はっはっは。黒猫の4番機を落としたぞ」
    ミサイルは撃ってない。ただロックオンし続けているだけだ。すると
    「ちょ、ちょっと!?」
    翼を閉じて安定飛行をしていたF14が突然翼を開き左へ旋回する。その小回りはまるで
    「まるででっかいF16だ」
    「もっとよ。零戦21型なみよ」
    鋭角なターンは最早V字と言うに相応しい軌道。その急激な旋回に付いていける身体を持っているのは一人しか知らない
    「あの男が帰ってきたんだな」
    「そうね。この無茶っぷり間違いないわ」
    不意打ちとはいえF22よりも鋭い旋回を見せたF14。ならば
    「付き合ってやれよ」
    「言われなくてもやってるわ」

    左へ旋回しているF14は若干高度が低い。ブレイクシザーズを行ったにしても高度が落ちすぎているやはりあの男なのだ。
    「のんびりしてると落とすわよ?」
    レーダ照射を行う。逆三角の表示が丸に重なり、ロックオンを示した。あとは機体の相対角を整えればよい。しかしそれが出来ない。角度がありすぎて撃てない。
    「くっ、右へ左へと……」
    それにしても高軌道でよく身体がもつわね。何で出来てるのかしら……そんな事を思いながらF14を必死に追いかける
    「まて、霊夢!高度が2000Ft切った。戻れっ」
    魔理沙の声がレシーバから響く。高度計はいつの間にか1500ftを示している。HUDも見れないほどに必死だったのか。F14は高度を落として速度を保ってるように見えなくも無い。なら、あと1000Ft落ちたら?
    「よしっアンタが得意な低空戦に乗ってあげようじゃない!」
    霊夢はF14より若干低い高度へ落とし、ミサイルも近距離用にスイッチする。機関砲がアンロックされ、撃とうと思えば撃てる状態になる。あとは距離だ。
    F14のコンパクトなバレルロールに驚きながらも霊夢はそれに付いて行く。F14は徐々に速度が落ちてくる。旋回のたびに翼を開いて閉じてを繰り返したからだと霊夢は判断し、レティクルを合わせようとする
    「霊夢、罠に嵌るな!」
    「えっ」
    F14は突然真上を向いて失速するように真後ろに回りこんだ。まるで映画のワンシーンのようだが、唯一違うのは相手は宙返りしたとゆう事だ。
    「凄いのはこっからよ!」
    左へ旋回し、直後に右に機体を向ける。だが旋回は左のままだ。F14は旋回中にロールさせ追従しようとする。しかし無駄な動きがあったため大きなロスを生む。
    「さぁ、さっさと私に撃墜されなさいっ」
    左へ旋回しつづけた霊夢は後ろに回りこむ事に成功し、今度こそレティクルを合わせた。

    「F14が諦めなければ霊夢が負けてた」
    「そんな事は無いわ」
    『誰が遊べと言った!?後で指揮官室に来なさい。いいね?』
    「判ったぜ、香霖」
    「判ったわよ、霖之助」


    二機のF14も続いて着陸してくるので驚いて二人はその機体に近づいた。
    「やっぱりあんただったか。どうりで非人道的な軌道だと思ったぜ。こっちは?」
    魔理沙の問にその男は
    「ああ、俺の隊で唯一の生き残りの」
    「よろしく……お願いします……」
    「お互い記憶がないんでね……この子はリトルと言うそうで、救護隊にいたんだ。偶然にも俺が落とした機がこの子の家に落ちてね。そのショックで記憶が跳んでるんだ。面倒見てやってくれないか?俺の予備機も自由に使っていいからさ」
    「いや、お前の機はいらん。身体が持たないぜ。記憶ねぇ……爆撃小隊の慧音が記憶に詳しかったかな」
    魔理沙は考え込んでいると霊夢がいない事に気が付く。呼ばれたんだった
    「私はさっきので呼ばれてるから、じゃ、またな」



    「遅いぞ。まったく……今回の事件もそうだ。なぜ、安全装置を解除し、しかもレーダー照射を行ったんだい?」
    「それは、相手が挑発してきたので、それにノッただけです」
    「言い訳はいい。前回も安全規定違反を行ってまた規定違反をして…書類を作るだけでもひどい仕事量だ。今度規定違反してごらん。一生西の国で豚の糞と戯れさせるからね?」

    「何か私やったか?」
    「私も同じこと言われたし、いいんじゃないかな?」
    霊夢はハンガーに向かう前に詰め所にしか見えない休憩室へ向かう。勿論魔理沙も続く
    「昔はここでよく引っ掛けたよな。今日もどうだ?」
    「悪くないわ。たまにはいい事言うじゃない」
    引っ掛ける、とは飲酒の事だ。基地内では基本的に飲めない訳ではない。規定時間外ならば自由に飲める。
    「ビールで良かったよな?」
    「ええ」
    グラスを交わしているとリトルと紹介された少女と、慧音。
    「お、もう非番なのか。羨ましい限りだな。資料を読む限りはスクランブル以外は搭乗暦は無かったよ。しかし医療技術はかなりあったらしいけどな。2度も救命処置賞を受賞している」

    「そうだったか。しかしなぜだ?」
    魔理沙は杯を傾けて言い直す
    「だって、記憶を失う前は飛べないのに、失ってからはあの男といい勝負だったじゃないか」
    「それも謎なんだよね。同じ救護班にトリルってゆう娘がいてね。その娘とは親友らしい。妖精賞を受賞して、大きくなったから返上したのは知ってるだろ?でも大きいなら大きいで、勝手に皆で大妖精なんて呼んでるんだが……」
    「トリルはこの基地にいないじゃない。もう少し西の」
    「紅基地に行かないとね」
    紅基地。通称紅魔基地。あの基地に近づいたアンノウンは紅い機体に落とされるとゆう。
    「東にもっと行けばF14が配備されてるけどな。慧音も飲むか?」
    「生憎まだ勤務時間なんだ。トリル、部屋まで案内しよう。あまりフラフラ出歩くなよ?それに……」
    慧音は色々離しかけながら休憩室を後にした。どうやら基地内を案内しているようだ。しかし疑問が残る
    「国境警備隊のアイツがなんでこんな前線基地に来たんだ?斡旋でもされたかな?」
    「国境が崩壊したから守る意味が無いのよ」
    魔理沙と霊夢は驚いて振り向いた。
    「レティ……」
    「怪我はもう大丈夫なの?」
    レティは先の出撃で撃墜され、無事救出されてはいた。だが撃墜された時にひどい怪我を負っていた。治るかどうかすら危ふまれていたのだから
    「ええ。昨日から基地内をリハ替わりに歩き回ってるわ。整備員さんとも話せるし。でも、お酒は飲めないから悲しいかな」
    笑いを交えながらレティは持っていた缶を傾ける。どうやら近くの自販機で買っていたらしい。
    「なら、明日から戦争かな?」
    「さぁね。でも、爆撃隊は何度も出撃してるわ。補給もままならないままね」
    二人は酒が回った頭で考える。この前線基地も無限に武器燃料がある訳ではないが、それでもかなりの量があるはずだ。
    「とんぼ帰りか…よくやるよ」
    「ええ。本当に」
    レティは二人にトレイに乗った食事を渡し自分も向かいに座る
    「ふぅ、基地の料理が上手いなんて思った事無かったわ。病棟なんて戻りたくないわ」
    「ははっ、あそこはまるで豚飯だからな」
    魔理沙の科白に霊夢は箸を止める
    「ひどい言われよう。私は入ったこと無いから判らないけど」
    どんな所か逆に知りたくなったが、できれば入りたくない場所でもある。判らないままでいいかな。




    「今日の訓練は低空での機体の取り回しだ。死と隣り合わせなのはいつも通りだが、山に激突するなんてゆう莫迦なまねはよしてくれよ。以上、解散」


    初めての訓練プログラム。2000Ft以下での戦闘訓練。射程内で3秒以上ロックオンできたら撃墜。いつもどおりの模擬空戦がいつもどおりではない。
    「霊夢。戦争は近いと思わないか?」
    「近いんじゃなくて、起きてるんだよ」
    間に割って入ってきた慧音は壁にもたれる様に座っていた。
    「随分お疲れじゃないか。昨日はずっと空か?」
    魔理沙は慧音の前にしゃがみ込んで話をする。霊夢は魔理沙の横に立っている
    「ああ。昨日だけでも地上にいる時間が少ないよ。この休憩も機体整備中だけだ。お前たちと一緒に飛ばなきゃ…」
    慧音は重たい腰を上げる。普通の精神じゃ夜通し爆撃任務なんてできっこない。明かりも何も無い上を低空進入し、敵の対空砲火を潰す。爆弾が切れたら機関砲で狙いにいく。それを慧音は文字通り神経をすりへらして行っている。
    「昨日の夜間戦闘で随分大人しくなったはずだがな…」
    「逆よ。私達は蜂の巣を突っついてるのよ。なぜ対空兵器ばかりを目標にするのか考えれば判るじゃない。建物でもなく、戦車でもない」
    霊夢は呆れ顔で機体に向かっていった。自分たちに低空任務を思わせる訓練が入っているとゆう事はそのうち自分たちも……?
    「やれやれだぜ。昨日と全く訳が変わってきたな。上層部の考える事は判らん」
    魔理沙は機体に滑り込み計器をチェックする。
    「離陸待機か……久々に聞いたぜ。そう思わないか?」
    「思うけど……爆撃小隊の出入りが激しいわね……。煙を吹いてるA10もいるわ」
    爆撃小隊の殆どがA10で構成されている。勿論護衛機にF16が配備されているが、それも気休め程度の量しか配備されていない。そのためか、A10の被弾率は以外にも多い。場合によっては敵機に撃墜されることもある。
    「慧音だけか。ワインダーを積んでいるのは」
    4機が連なって滑走路を滑っていく。もし通常状態ならば格好良さや勇ましさすら感じられただろうその光景。それが今は悲しく見えてきた。

    「さて、私達の離陸だ」
    魔理沙は独り言のようにレシーバに話しかける。
    「F142機にF222機。一見中途半端な構成だけど、凄く理に適った機体構成だよな。F22が前にいるのは心強い。敵機の情報が何も無くても」
    「あら、期待してくれてるの?有難う。でも、自分のお尻くらい自分で守ってね?」
    「背中だろ?」
    「お尻よ」
    4機は離陸しても高度を上げずにそのまま北上を開始。





    「あの4機、大丈夫ですかね」
    「無茶ばかりする連中だから?」
    「そうです」
    「無茶のできる人間じゃなければ今回は生き残れないさ」
    「……」
    「この程度で生き残れないなら、この先生き残れないからね」





    「作戦空域だ。山ばっかじゃないか」
    魔理沙は山を縫うように右へ左へ旋回する。霊夢は機首をワザと上げて高度をとる。1900Ftならまだ規定内だ。高い山を少し避ける程度でいい。
    「見通しも悪くてレーダもききやしない。F22がこんなに心細く感じたのは初めてだ」
    「障害物が多くて対地レーダも役に立たん」
    F22の対空レーダは山に遮られ遠距離まで飛んでいない上、F14の対地レーダーには山が映し出され、もし目標物が合ったとしても気が付く事は殆どないだろう。

    「今すれ違った!」
    魔理沙は思わず声を出した。そして我目を疑う
    「敵機……敵機はF35!」
    「確認した!レーダに反応無し!」
    「目視したわ」
    「視認できましたっ」
    魔理沙の問いかけに男や霊夢。リトルは返事をする。
    「よし、俺が囮になるから背後を取ってやれ!リトル、無理はするな。二人の援護だけ考えろ」
    男は一つ山を飛び越える。そこに伸びる一条の煙。
    「ミサイルアラート……だと?」
    「やつら本気だ!実弾を撃ってる!どうなってる、おい香霖!!」
    『作戦通り、敵機を全て撃墜して帰投せよ』
    「そろそろ本腰入れろって事だろ?さっさと撃ち落してくれ!このミサイル障害物回避が入ってる!山に当たらない!」
    「トリル、そっからでいいから特殊フレアをぶちまけろ」
    魔理沙は静かに指令を飛ばす。リトルも一瞬首を傾げるも指示に従い特殊フレアを散布する。
    「特殊フレア散布開始……これは…」
    戸惑うリトルに答えたのは霊夢だった。敵機との追いかけっこをしながら
    「それはレーダに映る文字通り特殊なフレア。勿論ミサイルだって騙される、新兵器のようなもの。それと、何があっても真っ直ぐ飛んでなさい。急制動は禁止。いい?」
    「はいっ!ミサイルアラートッ」
    返事を返した瞬間計器が真っ赤に染まり警告音を鳴らし始める。
    「何があっても急旋回はするな!まっすぐ飛べ!」
    リトルは恐怖心でスロットルや操縦桿に力が入りそうになる。荒い息遣いに歯の鳴る音がレシーバを通じて恐怖感を伝える。

    そして


    「み、ミサイル回避……」
    「最新鋭のミサイルすらそいつは避けきれる。飛行機の形、僅かな温度変化を捉える事が出来るのが特徴のミサイルだった。だからだよ」
    急旋回を繰り返し旋回をしていたF14は機体表面がかなり高温になっていた。その温度とほぼ同じ温度のフレアに機体の形を模ったフレアの編隊。散布した機体の温度は真っ直ぐ低速だったためさほど高くは無い。今まで追いかけていた温度と似通った形の似通った温度のダミーへと吸い込まれたのだ。
    「よし、リトルはそのまま私たちの目になって!今からリトルの指示に従うのよ」
    「判った。リトルの機とリンクが出来る。敵味方判らないが、機影は確認できる!」
    男は右に旋回し、山を再び飛び越え目視できるまで近づこうとする。
    「情報連結開始……敵味方区別完了。敵機影と見方機影の識別を送ります」
    敵のF35はF14に食いつこうと急制動を繰り返し表面温度はかなり上がっている。それを捕らえてレーダに表示している

    「さぁて、反撃の時間だ。コンビの実力を見せてやれ!」
    「言われなくっても!」
    「言われなくったって」 二人はほぼ同時に返事をする。F35は一度見失うと再び見つけるのに困難だ。だから追い掛けられるF14が1機。
    「よし、バックを取ったぜ。あばよ!」
    魔理沙は親指でアラームを吐き出した。しかし
    「当たってない!近接信管も作動せず!?」
    魔理沙は慌てて接近姿勢に入る。敵のF35を追い掛け回す
    「ごめん、後ろ取られた……」
    リトルの小さな声。
    「霊夢、援護!」
    「私も後ろに……ねぇ、度胸試ししない?」
    「……では左でどうでしょう?」
    度胸試し。それはただのチキンレース。唯一違うのは数十億ドルもする戦闘機で行うとゆう事だけだ。
    「二人は大丈夫そうだ。魔理沙、早く落としてくれ。後部警戒レーダが唸って仕方が無い。曲芸するか」
    「あと10秒で落とせなかったらやってくれ!」

    「さぁ、リトル。合図するまで旋回しないで。さっきの要領でやれば大丈夫だから」
    「大丈夫です……問題ありません」
    リトルは正面角度の戦闘機を二機捕らえる。一機は見方。一機は敵。ニアミスして……落とすのだろうか。
    「これで落とせるのですか?」
    「いいえ。霍乱するの。落としやすくするわ」
    リトルは頭の中で構想を練る。どうせ正面角度な博打勝負……ならば
    「霊夢さん。私がどんな姿勢でも左に旋回して下さい」
    左旋回の合図を出そうとした瞬間だったので霊夢は反応が一瞬遅れる。目の前に迫るF14は右を向いているから。
    「面白い事しようとしてるじゃない!」
    霊夢がリトルをすれ違った瞬間右へ急旋回させる。敵機と霊夢の間をすり抜ける。後ろを追いかける敵機はリトルの機影を追いかけて右に旋回して

    激突した。

    「敵機撃墜!」
    「まさかあの状況で正面衝突まで追い込むなんて……こっちは2機やったわ。そっちは?」
    霊夢の問いかけに魔理沙は叫ぶ
    「まだだっちょこまかとっ」
    「俺もそろそろ10秒越えたと思ってるんだ」
    「あと5秒!!」
    「待てんっ」
    魔理沙の焦りにじれたようにF14が機首を真上を向ける。そしてそこから機体中心を軸に宙返りを行う。この低高度では空気の抵抗が大きい上に速度回復に失敗して高度が下がれば地面と激突する可能性もあるのにだ。
    「うそだろっ」
    魔理沙は驚いた。高度はほとんど落ちる事無く魔理沙の真上で機体を立て直し、すぐさま機関砲を浴びせにかかる。
    「マジだ。当たらないな」
    「言ったろ!なんで宙返りするんだよ」
    魔理沙は苛立ちを隠さぬまま叫ぶ。だが男は冷静だった。
    「ブラックキャッツは曲芸部隊じゃないってのを見せてやる」
    そこから先はまるで魔法の様だった。敵の軌道と全く同じ軌道煙を描くF14の翼端灯。
    「曲芸師ね。アリスといい勝負」
    霊夢の一言に魔理沙は機体を上昇させる。
    「あの小型機に付いて行けるF14ってだけでも驚きなのに、なんだ。あの機動性。間近で見たのは始めてだが、MiG29みたいじゃないか」
    魔理沙は霊夢、リトルの編隊に入りながら言う。間違いなくあの動きはF14なんかじゃない。機体性能がまるで違う
    「F14なのは見た目だけ。中身は全く別物。F45計画一任者ってのはあながちウソじゃないかもね」
    「F45とは?」
    霊夢の言葉にリトルは聞きなれない機体番号を聞いた。少なからず記憶が戻っているとしても聞いた事の無い番号だ。
    「幻のF-45計画。国境崩壊と同時に全員殺されたって聞いてたけどね。期待されていたのは音速の4倍の出せ、かつF15一個編隊を葬り去れる性能を誇る戦闘機の開発」
    そしてその完成形が目の前にある。国境付近で行っていたのは、機密情報をそんな場所で行うはずの無いとゆう、逆手にとっての事だった。

    崩壊する前までは

    「そっちに行ったぞ。頼むから散会するなよ……無誘導発射するからな」
    安全装置を解除して目視発射。あとは熱源を頼りにミサイルは飛んでいくだけ。母機からの指令はバーナに含まれる赤外線を辿れとゆう指示だけ。
    「ね、狙ってきてます!」
    「大丈夫じゃないかしら……ほらね」
    霊夢の科白は途中で敵機撃墜をもとに変えられた。しかし解せんな。
    「いきなり実弾演習か?」
    「ああ。無人戦闘機だった。宙返りの時に確認した」
    編隊に加わる黒いF14。
    「3機落としたけど、これで最後か?」
    『情報ではあと1機いる。全機撃墜せよ』
    「どこだ……?」
    魔理沙は高度を上げて情報を集めようとする。
    「レーダにはなにも。F35はそんなに簡単に映らないしな」
    「あのでっかいバーナである程度は映るはずなんだが……リトル、何か見えるか?」
    「3時の方角に遠ざかる機影を確認……もうすぐで作戦空域外です…」
    「届くかな。ロックオン開始。不死鳥発射するぜ?データリンク頼りに発射する!」
    難の多いミサイル、フェニックス。これも彼は改造しているらしい。
    「避けられるかな」
    「さぁね。敵機は回避運動に入ってるけど……撃墜ね。近接信管だと思うけど、派手に爆発したわね」
    「思想はそのままなんだ。編隊を組んでいる爆撃機を全て落とす」
    ミサイルはおかげで大きく重い。飛距離を稼ぐためにミサイル自体も長くなってしまっている。





    「まさかあの距離から撃ち落すなんて……」
    「朱鷺子、明日から訓練はなしだ」
    「霖之助……さん?」
    「実戦配備さ。少し早まるなんて良くある話だろ?」





    「こっからだと紅基地が近いな…」
    魔理沙はポツリと言う。
    「そうね……でもどうしたの?」
    「いや、コイツさ。帰らした方がいいのかと思ってさ」
    「俺の飛行機ごとか?勘弁してくれ。まだベールを脱ぐには早いんだ」
    そういえばこのF14は機密事項だったし、何よりあそこには物好きのパチュリーがいる。AV8に乗ってるだけにスクランブルには逸早く対応できるのだが、如何せん、飛行機に興味を持ちすぎている。整備班向きなのになぜか彼女は前衛迎撃隊にいるから不思議だ。
    「そうか。それは残念」
    「残念なのは、基地が慌しいって事だろ」
    男の科白に魔理沙は驚いて基地を見る。微かだが煙が見える。
    「燃料は?」
    魔理沙の言葉に思わず残数を見る
    「ギリギリね」
    「私は大丈夫です」
    「俺らは増層積んでるから問題ないんだよ」
    男の科白に魔理沙は一瞬戸惑う

    「見に行ってくれるか?見るだけでいいから」
    「俺は構わんぜ。行って来る」
    『真っ直ぐ基地に戻れ、寄り道するな』
    男は小さく
    「記憶の欠片がそこにあるんだ。行くさ」
    男はバーナ全開で基地上空へ向かう。
    「嫌な予感がするんだ。頼むよ……」
    嫌な予感とは当たるものである。

    「偵察写真もできたが……空爆痕しかないな。基地は壊滅状態。繰り返す、基地は壊滅状態」
    男の無線に魔理沙はなんとも言えない感情がこみ上げて来た。やるせない気持ちとでも言うのだろうか。
    「か、滑走路は!?」
    リトルの言葉に男は暫くしてから
    「着陸は難しいな。離陸は、ロケットブースタを使えばF14でも飛べるかな。バンカーバスターかな」
    男は再びスロットルを押し込み加速し基地上空を離脱する。その際機体を左右に振った。


    「パチュリー様、お怪我が……」
    「ちょっと…見覚えのある機体だったからSOSをね」
    パチュリーは点滴の棒を支えに立ち上がり、空飛ぶ飛行機に服を振っていたいたのだ。しかし、
    「私には見覚えのない機体です……パチュリー様、黒い機体は」
    咲夜の科白を制するパチュリー
    「貴方は国境警備隊の最強の編隊を知らないのね」
    咲夜はキョトンとしてしまった。
    「仕方がないさ。咲夜はこの基地の事を任せてるけど、それだけにそれしか知らないんだから」
    レミリアがパチュリーに歩み寄りながら、咲夜の肩に手を置く。
    「申し訳御座いません……」
    「別にいいさ。基地はダメになったけど、大切な人員は皆殆ど無事さ……副長を除いては」
    「……申し訳御座いません、私が不甲斐ないばっかりに…」
    「咲夜のせいじゃないさ……咲夜、少しのあいだ東へ行ってくれるかしら」




    「あら、あのSu-37は見覚えがあるわ」



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