ノート2:思慕編



逢瀬  2000.7.19.


後もう少し、が降り積もって
時計の針は
見えなかったことにする
多分大丈夫だよ と笑って
許されるはずの嘘をつく

ずっと続けたい
キャッチボール
どんな変化球でも
君らしくて いい
いくらだって受け止めたくて

自然に
君の視線から僕の
腕時計をそっとずらして
いつのまにか
右手で左手首を覆っていたりする



コクハク  2000.7.19.


結構あっさり
返事を貰って
あれ、予想されていたなら
ちょっと格好悪いぞ
と心がびくびくしている

それでも
あんまり嬉しそうに君が笑うから
ああもう格好悪くてもいいや
伝わればいいや
そんな気持ちになって

いつの間にか一緒に笑っている

ちょっとだけ
他人行儀だったのがおかしくて
今更
って言えるほど当たり前だった関係が
嬉しくなって

幸せな笑いが 止まらない



困惑  2000.8.9.


悲しくなって
貴方に何が 降り注ぐのだろう

涙粒は
もう無くて
別の冷たい滴は
宙で消えた

風だけが
二人の間を横切って

見つめ合った瞳は
揺れている



ドキドキ  2000.9.20.


大切だから
気まぐれに絡めて貰った指先を
解きたくないから

どんな一瞬だって
貴方に恋し続ける

永遠に更新される
ドキドキ



微笑  2000.9.28.


涼しげに
微笑って下さい
水しぶき
陽射しの腕に抱かれて
地面と接吻(くちづけ)する前に儚くなるので

白い丸テーブルの向こう
貴方の顔に触れたなら
その紅い唇だけになってしまうのではないかと
幾度も
伸ばしかけた指を
不器用にこごめる

貴方という
永遠と象徴に抱かれて
太陽ももうすぐ
眠りにつく



オモイデ  2000.9.28.


あのね あのねと
耳打ちされた
話(なかみ)より声がくすぐったくて
笑ってしまった
あの日のぼくら
怒った君の
ふくれっつらが
今度はこの目を
くすぐっていた



warm  2000.9.28.


そこに居るだけで良いと
本気で思った
触れて何かを
感染(うつ)すのが怖い
ぬくもりは
その笑顔から
絶え間なく流れてくるから
君が居るだけで
とても温かい



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