ノート2:浸澄編



回転  2000.7.20.


ぐるぐる回る
地球に嫉妬している
絶え間ない動きに
羨望を隠しきれなくて
思考が
同じスピードで回転し出す時を
ただ息を潜めて
待っている



観察装置  2000.7.25.


曇りに曇った日暮れの空は
ニセモノのよう

何処かで巨大なカメラが回っていて
私達の愚行が
リプレイされる時を
舌なめずりして待っている



定義  2000.8.5.


私達を苦しめないために
事象の全ては
有形でなくてはいけない

遠巻きに
眺める視線の絡まりさえも
大いなるものには
輝いて見えて

私達を微笑ませるために
すべての事象は
偶発的でなくてはいけない

予定された事柄に
喚起されるほど
敏感で 繊細な心を
年を経る度失くしていく



born  2000.10.25.


振り向いた
光はまだ遠く
遠近法を忘れさせる灰色の道
静かに
微笑って

この地が
球面であるなら
私は
垂直に逆らうものでなく
生み出され
捻りあわされた


ひとりの
申し子



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