その壱 大学という存在

 大学ってのは定義としては国内の最高学府である。真に学びたい学問がある者、言ってしまえば「お勉強好き」が本来通うべきところである。しっかしこの国の大学はどうやら毛色が異なるようだ。小中高と「いい企業入るため」、「立派な人になるため」と受験地獄をくぐり抜け、その頑張ったご褒美としてレジャー期間4年間が与えられるといった感じである。本当に学びたい学士が全国の大学にいったいどれだけいるのかが甚だ疑問である。私の場合、己の甘さゆえに大学1回生を棒に振った手前あまり偉そうなことは言えないのだが、当初は英語が勉強したいという動機で入学しスポーツライターを志したものである。その後は全く違う学問、すなわち比較文化、日本文化研究の方に打ちこみ英文科に所属していること自体を恥じてはいるが、しかしそれでもやはり「学生」という自覚はあるし、巷でよく聞く「モラトリアム期間」として大学時代をとらえたことは一度もない。
 
一番理想的な大学生というのは将来の就職うんぬんに関係なく、ただひたすらその時学びたいことを追いかける学生であろう。私のように「英語がライターになるには必要になってくるから英文科にしよう」なんて輩は本来大学に入るべきではないのだろう。まあ就職に関しては次回に詳しく書くつもりなのでここではこの辺でとどめておこう。

 モラトリアムを求めて入学する学生。つまり「まだ自分のやりたいことが見つからないからもうしばらく待って」といった学生である。ほとんどの学生がそうなのだろうが、これについては現行の教育制度を考える限りある意味仕方のないことであろう。高校までの18年間はただひたすらに勉強、勉強という状況ゆえ、自分を見つめることがなかなかできない。「何がやりたいか」という将来を左右する極めて重要なことすら考える間もなく高校卒業時まで突っ走ってくるのである。それでも大学時代に自分探しのために学業、クラブ、バイトと積極的に経験していき、将来に関して何かヒントでもつかもうとする学生も大勢いるだろうし、モラトリアム学生はある程度幅広い解釈が必要となる。
 最も厄介なのは「社会人になりたくない、まだまだ遊んでいたい」という学生という自覚の欠片もない人々である。4年間を完全なレジャー期間とみなし、就職活動期に入ると「あーどうしよう」と仕方なく就職先を決め、いやだいやだと愚痴を漏らしつつ社会に出ていく人々だ。彼らは遊ぶ時間をお金で買い(大半は親の金)、散々遊び散らしたあと、そのままの感覚で就職してしまうのだからたちが悪い。「あんたにそんなこと言われる筋合いなんてねーよ」なんて言われそうだが、こっちだって何もその人たちを心配して言ってるつもりはさらさらない。ただひとえにこの国の将来を憂いてモノを言っているだけである。あと10年もすればそんな人たちが社会の中心にいるのかと思うと何ともやりきれない気持ちになるのは私だけであろうか。

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