+++ シャシン日記(仮看板)+++
旅第四弾 2+23桜
旅第壱弾
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旅第弐弾
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旅第参弾
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続 旅第四弾
「伊豆河津桜物見遊山紀行」
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明日 明朝 出立
ボン・ボヤージュ
春近し 2+19+20+21+22自
「え〜・・うっそ!まじかよ!? 30分も並ぶの? しかも禁煙?」
真後ろに並ぶ男が連れの女にそうぼやく
俺は目を閉じ、真後ろのぼやきを頭の中で何回か繰り返したあと
目を開く、下を見る、自分の足がある、自分の足だ、地を踏みしめている
しかし、心なしか揺れている、いや、揺れているのは自分で、自分ていうか己の心で
この揺れはいつから始まったのかと遡ると、やはりこの列に並びだした時からで
次第次第と心が苦しくなって、頭が、頭蓋骨が締め付けられるように痛い、そして揺れる
前に目をやると、きっと俺と同じ気分なんだろう、
ウゴーウゴーと叫びながら右手の付け根でおでこを叩く不思議系の青年もいる
後ろでぼやく男が居る
今一度そのぼやきを心の中で繰り返し、一言一言を丁寧に汲み取って光にかざして見てみると
わざわざこんな群衆にまみれる自分に嫌気がさし、
そもそも何故に日本人という民族はこうも、まぁ、長蛇列成すことが好きなのか?信じられない、俺にゃ無理だ
しかも禁煙、どこもかしこも禁煙
嫌煙ブームってやつっすか? クソ食らえ
何でもかんでも欧米化しやがって・・・ 生きづらい 鬱陶しい
ここは何処だ? 言ってみろ、さぁ、ほら
じ!ゆ!う!が!お!か!だろ!
「自由」な「が丘」だろーがコンチキショウ
だのに、自由にタバコも吸えません、わざわざ不自由な思いをしてまで並ばなくてはいけません
素敵タウン自由が丘の名が折れる・・
なんとも遺憾ともしがたく
俯いて一人で熱くなりふるふる
ふるふるふる、耐えらんない、まだ3分ぐらいしか経ってない、あと27分
思わず「30分も並ぶんだってよ、しかも禁煙だってよ。」と傍らのアキコにぼやくと
俺の内にたまった鬱憤がせきを切らしたようにあふれ出し
「そもそも洋菓子喰うために30分も並んでられっかてんだよ!クソ!
ばっかじゃねぇのコイツら、戦後の食糧配給じゃあるまいし!芋煮会じゃあるまいし!
のうのうと洋菓子を食うが為ならんでやがる、畜生め
カーもうやってらんねぇ、並んでらんねぇ、帰るぞ!アキコ!
・・・あっごめんごめん今のは嘘、ちょっと熱くなっちゃった、おほほ
帰っていいですか? 並びたくないんです。心が痛いんです切実に。
あっ? うん、うんうん、ねー、30分はねー、ありえないよねー、スプラッシュマウンテンじゃあるまいし、ねー
ディズニーランドじゃないんだよっ!!ねー
じゃぁ帰ろう、うん、手と手をつないで、ささ、そちらの方から・・」
と、
列整理のために張り巡らされたロープを潜り人の蛇から逃れ、ようやく人心地つく
見る見るうちに心が軽くなる、気分が良い
そもそも土曜日の午後3時にここに来たのがアホやった
おやつ時にスイートフォレストにきたのが間違いやった、と、少しく反省しつつ
階段を下りて下界にもどり「じゃぁさ気を取り直して余所でスイーツを食べようじゃありませんか」と
アキコの機嫌を伺い伺い提案し、先ほど購入した地図を見て大まかな方角を決めて出立
途中、紙皿の上に盛られた苺だかクリームだかで構成されたスイーツを路肩でしゃがみ込んでむさぼり食う人々の脇を通る
わらけてくる
いや、確かにだ、それらのケーキは上手そうに見えるのだが、
30分まってソレ?って感じが否めない
あれだけ苦労して入手した西洋菓子を、路肩でしゃがみ込んで食う
あはは、まさに芋煮会じゃないですか、栃木産ですか?そのお芋は?じゃないですか
本質が曖昧になっている気がしてたまらない
洋菓子を食うことが大切なのか?
それとも、どこそこのなになにを食べたっていうステイタスが大切なのか?
30分も並んで路上に座り込んでまで食べる気にはなれない
俺は自分の判断がまちがってはいないと、妙に実感できた
余所のスイーツを探る最中、往来で立ち止まり、見つめ合い、抱きしめあい、また見つめ合い、そしてセックスをする時のキスをし
また見つめ合い、見つめ合う、とろける視線を絡め合う2人、を、遠くから蛇のような目で見つめる2人こと俺とアキコは笑いが止まらなかった
わざわざ花壇の上に腰掛けて見物した甲斐があったてもんだ
「ありゃないな」「ちょっとね」「どういう了見なんだろ?」「きっと嬉しいのよ」
「まぁそうだろうけどさ、嬉しいんだろうけど・・」「あれはないわよね」
「ないね、よほど嬉しいんじゃない? 多分初めて付き合った同士っぽいもの、なんか『自由が丘デートだ!』って感じでテンションあがちゃって
自由が丘って言えばラブの街、恋人の街、だからキスする、あたしキスする、恥ずかしがらずにキスするあたし、そしてあなた、何もかもがピンク色
もうあなたしか見えない、きゃー。キスー。ってなってんじゃん?」「それはない、そんなに長くない」
「ともかく何か履き違えてんだよ、自由が丘っていったら甘いモノだろ?まぁお菓子もラブも甘いけど・・・
あっ、今俺うまいこといったでしょ」「いや、全然。一人で笑わないで」
「つまり俺が言いたいのはだ、自由が丘はお菓子なの、だから俺が正しいの、ベーグル超うめぇ、どう?俺?」「なにが?」
「だから、ベーグルをほおばりながら往来を歩む俺、自由ガオカー、みたいな」「きもい」「きもくねぇよ、あっ、あのふたりいちゃった」「ほんとだ」
「また会えるといいな」「ね。」と、再び歩き出す
にしても、
にしてもだ、自由ヶ丘はほんと素敵
何が素敵ってまず花が多い、至る所に花花花
沈丁花にしだれ梅にミモザと花木が至る所に植わっていて春の匂いをふりまき
それだけでも幸せな気分になるのに、辻辻には寄せ植えの鉢が置いてあって目を楽しませてくれる
それに雑貨屋も多い、おもちゃ屋も多い、花屋も多い、おもろい本屋もある
いちいち巡り、何かしらを買い、あっちったりこっちいったりしている内に
見つけたるは一件の花屋で、入店いたしますと、やや、やややや、
ここはカフェーじゃありませんか、花屋とケーキ屋の融合した店じゃありませんか
こりゃ渡りに船だって花をちらちら見た後、アキコ待望のケーキタイム
デザートセットを注文
俺はコーヒーと自家製ティラミス
アキコは紅茶とこちらも自家製のクリームと野いちごのケーキ
小洒落たランチョンマットの上にこれらが並べられ、即座に喰う、声もでねぇ
なんだこれ? これが自由ヶ丘なのか? なんだこのスイーツ
右腕をまっすぐ伸ばしお父さん指とお兄さん指をこすりあわせて「ヘイ」と叫び
マスターをここに呼びつけ抱きしめたい衝動にかられたが
しかし、そういうことの出来ない甲斐性なしの自分はただもくもくと食べるしかなかった
もくもくと、もくもくと、激ウマ
うっわー激ウマ
なんだこら?絶妙の甘さ加減、最高の舌触り、どれをとってもウマ
アキコのを一口喰う、これも激ウマ
旨い旨い言い合って喰う、まじで旨かった、熊野神社の近くの店
コーヒーも好みの味
30分も待たない甲斐があったってもんだ、ここで成就。
鳥居の下で立ち止まり、見つめ合い、抱きしめあい、また見つめ合い、そしてセックスをする時のキスをし
また見つめ合い、見つめ合う、とろける視線を絡め合う2人、を、遠くから蛇のような目で見つめる2人こと俺とアキコは爆笑の渦だった
熊野神社にてセカンドコンタクト
「あっひゃひゃっひゃー、おおーすげー今度は鳥居の下でキスしていらっしゃる」「けらけらけら」
「すげぇ、また会えた」「けらけらけら、あはは、あ、会えたね」「なんだ今度は鳥居かい!あっ向こう行った」「あっほんとだ」
「今度は向こうにある鳥居の下でキスするんじゃん?」「あっ!たくちゃん!鳥居に行く前にまた抱き合ってる」
「うわーまじやん!なんだあれ?30メートル置き?」「周りに子供とかいるのにね」「ピンクだからしょうがないやん」
「あっ行っちゃった」「あの辺でまた抱き合うんじゃない?」「(わくわく)」「(わくわく)」
「あっ行っちゃった?」「キスしねー」「追う?」「いや、また会えるだろ」
「どっちかって言うと女の子の方が振り回してる感じね」「そうだね、男はなんか嫌々って空気はしないにしろ、なんかしょうがなしさは醸し出してた」
「きっと女の子が強いのよ」「強いってか酔ってる感じだよ。あれは。 お前見た?あのキスするときの女のつま先」
「そんなの見てないわよ」「そのつま先がさ、なんつーの? こう、キスする時にピンとつま先立ちになるの、なんか昔の映画みたいなのよ
わかる?そういった感じ」「えー」「なんか憧れの先輩とキスするみたいな映画、放課後のわたり廊下で右からの西日を目一杯浴びるオレンジの中
年上で身長の高い彼とキスするときのつま先、甘い思春期特有のアレなやつ甘酸っぱいやつ
きっとそれを頭に思い浮かべてキスしてるんだと思う、いい年こいてそう言う夢想を描いてないとあのつま先立ちは成り立たない
やっとこ夢想から解放されて、現実に実現した、と感動していないと成り立たない
そうでもないと第三者から見てのあの『お気の毒感』はにじみ出してこないと思う。そういう空気」
「ふーん」「ふーんじゃないだろ?」「だって意味わかんないんだもん」「わかれよ!」「はっ?(カチーン)」
「あっ、もうお前すぐ怒る」「怒ってない」「怒ってんじゃん」「怒ってない」「天秤に計って右が怒ってない、左が怒ってるだと左に傾いてるでしょ?」
「は?」「は?じゃねぇよ。怒ってんでしょ?」「怒ってない、しつこい」「ごめんなさい」
「5円(ご縁)がありますように」と、こじつけて
境内の賽銭箱の前、2人並んで金を放り投げてがしゃんがしゃん鐘を鳴らし
手を叩いて念ずる
西日が境内を照らす、俺とアキコを照らす
左手奥には梅の花が満開だ
目を閉じて念じていてもその匂いがよく分かる
春近し
心が躍動する
「早く結婚できますように」と祈ったのだと俺に言う。
赤いのがでた 2+18鼻

三日前 朝 喉と鼻腔に激痛
刺すタイプの痛み
尋常じゃない量の鼻汁があふれる
逆に笑える
バイト中にポケットティッシュ3つ使用
・
二日前 朝 尚も喉と鼻腔に激痛
あんぐり口を開き喉の奥を覗いてみると
赤いプツプツが幾何学模様を描いている
少しくうっとり
喉にぴゅっぴゅっと龍角散のスプレーをふりかける
継続して鼻汁は出続ける
バイト中にポケットティッシュ5つ使用
ティッシュ消費の金字塔を打ち出した
鼻をかみすぎたせいか頭がふらふらする
ふらふらならまだしも、上手いことしゃべれなくなっている、弱言語障害
多分あのティッシュに付着していたゲル状のモノはきっと脳みそだろう
昼 アキコがケーキを持って現る
晩 共に寝る
一足早いバレンタインデーのお返しにと、鼻汁ウイルスを差し上げる
快く受け取ってもらう
アキコも鼻汁る
・
一日前 休日
起床時の喉と鼻腔の痛みは相変わらずだが
昨晩よりようやく飲むことを決意した薬がほのかに効き始めると体感できる
念のために昼過ぎまで睡眠
起床後、飯を喰い
じゃがりこ(のりしお味) 菓子パン カール(マヨネーズ&クレイジーソルト味)を食し
爆裂的にカロリーを摂取する
体が弱まっているのでよかれと思って取ったこのカロリーも
冷静に考えてみると、ちょっと調子に乗りすぎたと痛感して
慌てて体バランス飲料アミノサプリを飲む、1リットル
晩 夕餉を食い
体の調子がいいようなのでアキコの家へ行く
電車内で地獄を垣間見る
鼻水が止まらない、息苦しい、ここは景気よくちーんと鼻をかみたい
だが因果なことにライフラインであるポケットティッシュを持参していないことに気づく
そもそも俺は、そう、ノーマルの健康体時の俺はティッシュなんかもっちゃいねぇ
風邪なんてほんと3年ぶり、いや、5年ぶりにひくわけだし
ティッシュに心配る習慣がないのだ
だが、しかし、そんな習慣があだとなって今の自分を苦しめる
鼻がつまる、息がつまる、苦しい
タイミングの悪いことに車窓の外を見てみると真っ暗で、つまりトンネルの中で
フラッシュバックのようにあのトンネル、自転車で走った大阪のトンネルが頭に浮かび
息苦しさに拍車がかかり発狂しそうになるが必至でこらえ
鼻で息が出来ないから、口で息をしていると
車内の空気が乾燥しているため喉が酷く枯れ一層痛む
こんな四苦八苦の中、俯いてだましだまし息を吸い、吐く
そして楽しいことを思い浮かべてやり過ごそうとしていると
妄想は拡大していき、いつしか楽しいから淫猥に妄想のベクトルが向かうと
どういう訳か下半身の男性的なある部位が固くなり
もぞもぞもぞもぞ、あははと笑う
鼻の奥に風呂のゴム栓が押し込められているみたいだ
・
今日 喉の痛みも鼻腔の痛みもゆるむ
昨晩飲んだストナが効いているようだ
朝飯を食べた後、タクロウガーデンにワイヤープランツとエニシダとバコパとエリシマムを植える
なかなか上手くできたと思う
思いきり鼻をかむと、またゲル状のアレが出た
来週頭に伊豆へ行くので、本屋で伊豆の踊子を買う
昼過ぎ アキコに見送られ家へ帰る
深夜一時までエロビデオを売る
そんな最中でも、コンスタントに鼻をかむ
赤いのがでた
第二弾 2+16ケ
『東京ベイららぽーとが、お昼をお知らせします』
『チッ チッ チッ ピーン お昼です。』
チッ チッ チッ ピーン お昼デース
と、俺は、毎度毎度ラジオの前にかじりつき
お昼の時報をラジオと斉唱するや
右腕を一直線に天へ突き上げ
花屋の店長よろしくパートのおばちゃんらに
「では、あたくし、お昼に行って参ります!」と強くアピールしたあと
そのままの姿、つまりエプロンと軍手を装着した花屋ユニフォームのまま
往来に飛び出し、ポケットよりタバコをまさぐりだしては一服つけ、家路に向かい飯を食う
コローンカラーンとどこからともなくお昼を告げる鐘が町中に響く
空は青、陽が直角に降りそそぎ、コンクリートに反射してキラキラ
やや天晴れ、気持ちいいやとてらてら歩いていると
背中に鈍痛
背中を殴られたので「なんだら?」と振り返ると、あぁ振り返ると
あっれー天才卓球少女じゃないですか
のん、のん、もとい、
目の前にはあの天才卓球少女を彷彿させる幼さ&丸フェイスのアキコが居て
なんだアキコかい、紛らわしいやっちゃ・・ と少し憤慨するが
えっ? あっれー?
あれ?あれ?おかしくなーい?おかしくなくなくなーい?
だって今日は仕事のはずじゃ・・なかったの? えっ? まじこれ? なにこれ?
と、往来で徐に右往左往とだらしなくまごうことなきあらざりけりて日暮れる、と況や
つまり状況を飲み込めず何故かどきどきしていると
アキコ「はい、これ」と俺に手渡すは二つの紙袋で
ようやく俺も全てを理解、あぁーはいはい、あっ、バレンかい あっしゃっしゃ
つまりバレンタイのあれをわざわざ持って来てくれた
今日が休みであることをひた隠して
そんなプチサプライズ
2年連続だまされる
そんなハッピーホカホカプチサプライズ
昨晩、23時頃帰宅してそのまま明け方まで時間を費やして拵えたケーキを持って
お昼ちょうどに店を飛び出す俺を見計らい
わざわざ俺のために持ってきたプチサプ
そりゃぁ嬉しいさ
固く財布を買おう!と心で決めた。
晩になり、アキコが言うところのミルフィーユを食う
深夜遅く、スーパーなどが閉店していたためクレープ生地の粉が買えなくて
ホットケーキの粉を代品で使用したミルフィーユを喰う
昨年のケーキは兎に角甘い、甘甘なケーキだったが
今年は、昨年の反省を踏まえたのか? 程良い甘さに改良されていたモノの
ホットケーキの粉を使ったからか?
従来のミルフィーユには見られない歯ごたえがふんだんなケーキになっていた
もちもち、する、
すげぇ、もちもちする
とにかく、口いっぱいにもともち感が広がる
ステキケーキ
ある意味これも、ちょっとしたサプライズ

「見ろ、人がゴミのようだ」 2+15ラ

【 ラピュタ 】
ビルマやインドなどの海抜100m以上の高冷地に生息する蘭科の植物「デンドロビューム」をほぐし、水ゴケを除去し、宙に吊る
部屋を薄暗くし、目を閉じ、心を込めて「あの地平線ー 輝くのはー 何処かーで・・ふふーんふー ふふふふー・・・」
と、後半はよく分からないが主題歌を歌い
さびの、一番の盛り上がりの「とーさーんがくれたぁー」にて熱唱
そしてようやく薄目を開き、蛍光灯の紐にぶら下がったデンドロビューム
もとい、ラピュタを下より見上げ
あわわ、あわわ・・ っぽい。すげぇっぽい。天空の城っぽい。と
滂沱の涙を垂らし打ち震える。感動に。
って遊びに興じるがため、廃棄処分になりそうなデンドロを購入し
ほぐし、つるし、撮り、ふるふる、感動
心おきなく遊ぶ。
ところで、バ・アレンタインですが
14日は互い仕事があり会えないが為、クリスマスよろしく後日、休日がかぶる17日にやっつけよう・・
もとい、祝おう、祝おう? めでたかねぇよ、なんだ? こなそうということで、こなすつもりだったのですが
アキコの仕事の関係上それもどうも上手く都合がつかなくなり
有耶無耶になりつつあるので、この際有耶無耶もこれまた一興ってなぐあいで
大袈裟なことはせずにやっつけよう
要するに「気持ちで十分」でいいじゃん、ってこと一つご理解いただこうと
別になにもいらないよ、気持ちで十分ですよ、従ってお返しも、まぁ、気持ちになりますが・・と提案いたしましたが
即座にノー!とのこと
「それは困る」とのこと
「私は新しい財布が欲しいの!」とのこと
財布が欲しい
・・・なんなんだろう? この感じ
ラブ臭が微塵も感じられねぇ
あいつは何を狙っているんだ?
さしてこういうことを本末転倒と言うのだろうけど
この転倒さは最たるもので
つくづく女ってのはたくましいなと身に滲みて思った頃
見上げるとラピュタ
瓦解するシーンが脳裏をかすめる
豚野郎 2+13癪

【 禁豚 】
最近近所にできたタイやアフリカ、及び、ベトナム、と、
多国籍をイメージした内装の小癪な飯屋で飯を食う。
店内は婦女子で賑わい、辻辻には木製の人形が鎮座する店内を
給仕に従いくねくねと奥まで行くと、個室に通され、まぁ、そこで酒なり飯なり喰うのだが
照明は薄暗く、テーブルの上にあるキャンドルに火が灯る・・
けっ、小癪
遺憾ともしがたく小癪
もっと、こう、俺はさ、なんてーの? 泥臭いかびくさいとこで
油っぽいテーブルの上で、烏賊のゴロだとか、烏賊の足だとか、若しくは、烏賊の内臓漬けだとかを肴に
しねしねとみみっちく酒さえ飲めりゃいいんだけど
まぁアキコが居る手前そんな場末の店にもさそえねぇってことで此処に着た
郷に入っては郷に従え
程なくして父母も来店し、酒を飲む
プルコギ、ピッツァ、生春巻き、餃子、ぱりぱりサラダ、キムチチャーハン、タピオカ、チヂミ、とか喰う
小癪な味がする
なかなかイケる。
店を出たところに愛らしい顔の金の豚がいるので
小癪と思いながらも近づいてぺたぺたさわっていると
どういうわけか、この豚ってか恥豚
この豚野郎の両耳を恋人と一緒に撫でると愛が深まると脇の看板に書いてあり
はたしてどういうカラクリで愛が深まるのか微塵も解らないが
ただ耳を触るだけで愛が深まるのなら、それも無料で出来るのなら・・・・と、少し思案する。
そういやぁ昨今のアキコと来たらどこか愛の欠けた原動が多く目に付くし俺はそれをむかついている、
んで、そのむかつく態度が露骨過ぎるが故、アキコの機嫌も損ないまた愛が欠け俺がいらつく、と
悪循環の堂々巡りをしているので
ここはひとつ触ろう豚を!豚の耳を!と自分の中で決着が付き
「へい」とアキコを傍らに呼び寄せ、俺が左耳アキコが右耳を握る
無言で握る
握り終わる
魚辺にブルーと書いて「鯖」 2+12輪

【 偽ラピュータ 】
寝巻きを着て夕飯の鯖の味噌煮を食べていると不意に襲ってきた虚無感
テレビジョンからは日本VS外国のサッカー試合が放映されていて
出ている選手が長袖のユ二フォームを着ていたのは多分寒いからで
それよりも大体同い年の人が寒い中走っていることに、やりきれなくなる
「俺はなに鯖の味噌煮などたべているんだ?」
「俺はなにお肉をサンチェで捲いて食べているのだ?」
サッカー選手を見て、鯖の味噌煮を見て
言いようのない虚脱感と焦燥感でぶるぶるなって、挙げ句は虚無。
やりきれなくなって冷蔵庫を開くと、おそらく昨晩の夕飯の残りだろう焼き鯖が2切れあり
並んで青い皿の上に盛られラップがかかっている
冷たく水滴の付着したぱりぱりのラップ
逃げまどう術なし、完全包囲、
我が家は2日続けて鯖、虚無じゃん。
おそらくスーパーで鯖が安売りされていたのだろう
世の主婦にならい我が母も安売りの鯖を大量に買い込んだに違いない
父が稼いだ給金で買ったに違いない
そういう輪っか、家庭の輪っか、世間の輪っか、ほんとやりきれん
無所属なる俺
虚無ばかりを感じやがる
情けないことに。
ほんと、情けないことに。
せめて鯖を喰う。
埼玉で縮こまる 2+10に

【 にっぴ 】
タクロウジャシンが始まる一年前の頃よろしく
福岡の友人ニッピは、お散歩感覚で関東へ出てきては
しらぬまに住みつき、しらぬ間に消えさり
あれ?どこいったんやろか?と、同じく福岡の友人で静岡に住むニッピの駒的な今川に所在を訊くと
こないだまで俺ン家いた、でも、なんか福岡帰ったよ。と、
あいかわらず自由気ままに生きてらっしゃるニッピことニッピ
そんな彼が福岡でギャグで介護士の免許を拾得したあと、
再びお散歩感覚で関東に現れたのは昨年の暮れの頃
んで最近音信不通だったニッピより
「痛い痛いお腹痛い、多分あれや、あの、盲腸。俺盲腸」
と、十八番の嘘病気電話があり
話を聞いていると、なんてことはない、暇でしょうがないらしく
「まず人間がつめてぇ、おーちゃきー(生意気)奴ばかりおるんでほんとたまらん」と
関東人は冷たい奴ばかりだ、福岡とは全然違う、という呪詛を一通り吐いた後
だけ、タクロウ来いっちゃ、あそぼうや
と、言うわけで
彩の国は埼玉へ俺赴く。
駅の改札を出たところにあるコンビニの前に
明らかに堅気の方とは違うオーラを発している人がいるなぁと
目の端でとらえ、なんや?ちんぴらか?と思っていたが、はは
よくよく見ると、ニッピで
一般の人間が久しく会う知人に出会う一連の動作をしたあと
よくよくニッピを観察すると・・
なんか妙に存在感が強くなっていて
まぁ高校の頃から体躯はでかく異様な存在感はあった
それに面構えもいかつく中東系なのでその存在感はよりいっそう強まっている
だが、しかし、なんかこう根本的に存在感が強まってるなぁ なんでだろうなぁと長考し
あっと気づく
あっ、はいはい、なーる、あれか? 発育か? ニッピよまた身長のびたんじゃん?
要するに前に会った頃よりも明らかに身長が伸びている、23歳なのに、発育期。
なーる、なーる、だからね、と納得して
未だ身長が伸び続けることに関しては「ニッピだから」言う理由でうやむやにして
コンビニに立ち寄り酒菓子類を買い込み
ニッピの家に行く
ニッピの家じゃない
ニッピが逗留している女の家に行き
国会中継を見ながらばりばりとハバネロを開封しだらだらとだらしなく
遠方に出かけている見ず知らずの女の部屋で酒を飲み
陽が陰るころ、芋焼酎を飲みだし
話は互い互いの女のムカツク話になり
「便座をやれ上げろだとか、やれ下げろとかほんと鬱陶しいよ、
男がそんなこといちいちやってられかってんだ、アキコめ、いらつく」
「タクロウ、そんなのはまだましやん、俺とかベットに入る時は靴下脱がないいけんし
タバコ吸ったら歯磨かないけんし・・」
「まじ?」
「まじよ、1日10回位歯ぁ磨きよーもん。
んで、メール返さないとぶちぎれるし
部屋汚すとぶちぎれるし
他の女の子の部屋に泊まるとぶちぎれるし
部屋でタバコ吸うと、ぶちぎれる、すげぇ臭いに敏感」
「あー俺もそうよ、部屋でタバコ吸われん。外でらないけんちゃね、これが一番いややね」
「そうやろ?タバコぐらい好きに吸いてぇよ、九州男児なんだよ、こっちわよ!」
「あーいらつく」
「まじいらつく」
「あーいらつく上に寒ぃ」
「なんだよ!埼玉!寒ぃよ風!」
「埼玉ってあれね、風が冷たいね」
「うん」
ベランダで縮こまってタバコを吸う
部屋の中に副流煙が流れ込まないように細心の注意を払いつつ。
「こんなはずじゃなかった」
「こんなはずじゃなかった」
遙か彼方は夕景