+++ シャシン日記(仮看板)+++


奉る 4+5百


【 グリーンネックレス 】

 

 

 

取りあえず目の前に1億円あると仮定する

・・・・どうしよう・・? こえー

あっ、いや、1億はよして5千万?も多いや、気持ち悪くなる

じゃぁ1千万?ムリ

100万は? んーぎり、ぎりオッケー

じゃぁとりあえず100万円が目の前にあるとしてだ、どうしよう?

まずは欲しいモノは買うだろ?こういった場合はまず欲しいモノを買うってのが定石だ、多分そうだと思う

俺もそれにのっとってまずは欲しいモノ・・・・・・・・なんだ・・・・?・・野球盤?

おっけーおっけーまずは野球盤、超欲しい、出だし好調

んで、あとは、永遠の憧れプレステ2でしょー、即買いで、調子のってキューブも買い

アキコになにかしら買う

あとは何かなー、何欲しいんだろ? 俺?

あっあっあっあっあっあっパソパソ、パソコン!!

eMac欲しい、安いし、ね、いいよね

あっでも100万あるし、いっちゃう?G5(25万イェン)? 買いだ。

あとは、欲しいモノ、欲しい物質、んー、サボテン、中華包丁、タバコ、漫画、アニメDVD・・・ぐらい、欲しいもの

でもまだまだ残るな100万、60万以上ある

取りあえず歯石を取る、歯科で

あと、展覧会もやる、自費出版でタクロウジャシンボン(本)を作り売る

売らなくていいか、やる

あーとーはー引っ越します

として、残り10万、やっべすくねぇ、100万とか案外たりねぇじゃん

正直100万じゃぁ少ない

「200万あると仮定しよう」にチェンジ

わおっ、でもまだ110万もある、どうしよ?ホクホクじゃん

200万、いいね200万、それでいいっす、どうか、どうか。

 

 

 

 

3月10日「グリーンジャンボ宝くじ」の当選発表日

それから約1ヵ月後の4月5日・現在

未だに未開封の宝くじを縁起の良い風なところに奉っています

朝日が差し込む窓辺付近に奉っています

200万ある(可能性がある)希望をもって時おりほくそ笑む遊びが板に付き

もしもはずれていたら・・を想定すると怖くて確かめられませんが

それじゃぁいけないと何度か当選番号を確認しようとするがふと手が止まる

ちょいまち俺、今日ってさアレじゃない? ちょっカレンダー見てみ、ほら! ね?“仏滅”ダメダメ

それに今日さ雨降ったじゃん? 昼。 なんかそれって陰気な負のパワー感じない? でしょ? 感じるっしょ?

やっぱ今日はやめよ、そっちのほうがいいって

だってさ、仏滅で雨で負のパワー充満の中、宝くじ外れてたら笑えないっしょ?踏んだりけったりじゃない

だから、天気のいい日、あと大安、プライベートでも幸運なことが起こった日に確認しようぜ?な?

・・・いや、まてよ、それも逆に怪しい

大安で天気良しで幸運なことが起こった日ってさ、なんかそれ以上幸運なこと起きそうもなくない?

そんな人生甘かねぇよ実際、山あり谷ありでしょ?普通?

確実に外れてるって!だからそんな日もダメ

もっと、こう、なんつうの? 普通な、日、的な?

極ニュートラルデイを狙うべきだと思う

棚からぼた餅、ヒョウタンから駒は普通平坦な日に起こるもんでしょ?うん。

だから、普通の日に確認しようぜ、普通の日!

 

 

 

 

・・・いや、まてよ、その“普通”ってのがそもそも怪しい

 

 

 

 

 

と、

自分が邪魔をします

奉ったまま

 

 

 

 

 

 


ハルハリ 4+3+4春


 

 

 

 

花・花・花・花・花・エロ・休・花

春、根蠢く、人蠢く、春だから

花屋が忙しい、連勤に次ぐ連勤、

そろそろ追肥の時期です、種まきの時期です、植え替えの時期です

それに、春、猫も犬も人も、発情する春だから

種まきの時期だから

街角でエロスを売るエロビデオ屋も繁盛

便乗して貨幣を稼ぐ

ひたすらに貼り替える

黙々とブツブツと世間への恨み辛み憎しみ怨念をまき散らしての貼り替え

値札の貼り替え

5%込み価格にして貼り替え

植木鉢のひとつひとつに、受け皿のひとつひとつに値札をはる

ど・めんどくせい

それに近々消費税が10%になるという

その場合もアレか? また貼り替えるのか? えっ貼り替えるの? おいおいまじかよ!?

2度手間甚だしい

要領悪すぎ・頭悪すぎ・日本国

怒・めんどくせい

お前が貼れ、責任もって。

 

 

 

 

 


バラナシ 4+1+2冷


【 バラナシ 】

 

 

 

 

 

ダメ享楽国元首相の俺のいい加減なる振る舞いのせいで

天才卓球少女似共和国の選抜代表アキコをキレさせたのがことの発端

それから2週間にも及ぶ冷戦が続き

互いゆずらずの意地の張り合い、揚げ足の取り合い

どちらかというと法廷風で

相手の発言に矛盾があるとそこを指摘し掘り下げ

その指摘に対しどうしのぐか、または、事実を付け足し優勢をはかるか

もしくは都合良く真実を嘘ででっちあげ相手を劣勢にする、

先刻供述した発言と意味のかみ合わぬことを言おうものなら鬼の首を取ったか如くに激昂し

「お前!!言ってることがさっきと違うぞ!!!」と攻撃する

逆に矛盾点を指摘され、図星をくらい、都合の悪いときは

「・・・・・・・まったく覚えちゃいないな・・」としらを切りとおしてみたりする、感じ

まさに揚げ足の取り合い、理詰めバトル、名探偵が談話室に皆を集めての推理ショウ的な

いやいやそれは違うな、やっぱ法廷風だな、逆転裁判、

俺たちの喧嘩は余所のそれとは勝手が違うような気がする

 

 

とにかくそんなショウが2週間のうちに数回開催され

冷戦は次第に激化し、終いには「明日(付き合って1年10ヵ月記念日)はこないで!むかつくから!」とまで言われ

「あぁ上等だ!ばかやろう!」とこちらも吐き電話を切ったモノの

それでもまだむかつきは消化できず

「で、実際行ったらアキコどんな顔すんだろ?」と思い

むかつき

で、深夜0時をまわったころ会いに行った

2週間振りに会った

2秒で和解

 

 

 

 

 

 

 

「薔薇は?」

「薔薇無し」

 

 

 

 

 

「・・・・・・・」

「・・・俺が薔薇」

「すごい きもい」

 

 

 

 

 

 

 

 


梅っぽい 3+31歯


 

 

あの薬品の匂い、甲高く鳴り響くドリル音、動く椅子、

ズポズポゴポポ・・と唾液を吸うやつ、そしてたまに頬を吸うやつ

「痛い時は左手を挙げる」という暗黙の全国共通ルール

絶妙の位置に設置されているうがい機およびコップ

大抵5〜7本、臨戦態勢状態であるドリルヘッドとボディ

待合室に置いてある日野日出郎の漫画

どれをとっても格好いい

改造人間にされている感じがしてすごく格好いい

それに困難な虫歯になればなるほど奥の部屋より現れるレアアイテム

そんなレアアイテム(不思議治療器具)を見ては胸を弾ませ

善意で歯の神経に鋭利なドリルを突き立て、削り、ほじるっていう現実に

どこか神々しさすら感じる

歯科好き

歯科フェチ

 

 

 

幼少の頃より歯科好きの俺が

指おって数えるとかれこれ5、6年も歯科に行かなかった

行く動機がなかった、虫歯がなかった、てのはなんとも歯科フェチの名折れ甚だしく

遺憾ともしがたく思っていた昨今

幸運なことに昨日歯が折れ

これを機に行ってきましたるは歯科

 

 

 

“日野日出郎”どころか“梅図かずお”も“藤子(A)不二雄”の作品すらない待合室

ある本といえば、知らない名の若手俳優が表紙のファッション雑誌や

大文字英語が書名の異国の雑誌や

春の着こなしお洒落・・・・なんたらかんたら、と女性誌

ここまで興味をそそられない雑誌をよく集めましたな!と感動するくらい

俺や日出郎とは対極にある雑誌ばかりで

ほとほと嫌気がさし

そん中、これは俺でも楽しんで見られるぞ!とブックラックから取り出したのは

愛らしい爺さんが描かれた厚手の本

どうやらこの物語の主人公である爺さんには悩みがあって

それは尿に糖が混じるだとか、最近体の節々が痛んで困るだとかの一般的老人が持つ悩みではなく

もっと奇想天外奇妙奇天烈な悩み

頬に拳大の“コブ”ができてみっともなくて困る、という悩みで

俺もそんなコブが頬にあったらみっともなくて往来にもでれねぇや、と爺さんに親近感を感じ

そういった瘤はきっと悪い腫瘍にきまっている、さっさと整形外科にでも出かけて除去して貰うべきだ、と思っていると

どういうわけかこの爺、俺の心配をよそに切り株の上で踊り狂うばかりで

ちくとも整形外科に行く仕草すらみせねぇのにむかついて

絵本をもつ手がふるふると震えだしていると

「ハヤシダさーん」と看護婦に呼ばれ

俺はなぁ歯が欠けたからといって切り株の上ではおどらねぇ、お前とは違うのだよ、

ちゃんとそれ専門のお医者様に見て貰うのだ!

を、含んだ目線を絵本に投げつけ

ドアを開け診察室に入った

 

 

 

 

歯科医の先生は腕毛が濃く、少し内気な30代半ばの優しそうなおっさんで

弱オカマチックであからさまに「いいひと」

そんな歯科医が「今日はどうしましたか?」と俺に訊くので

「じつは・・・」といいかけたところで思わず言葉を飲んだ

「歯が割れました」と言ったらどうなるんだろう?

「歯が割れました」ではこの先生には刺激が強過ぎはしないか?

歯が割れたのだもの、現実にはそうそうありえないクランケだもの

いくら歯科医だとしても、歯のプロフェッショナルだとしてもだ

並大抵の胆力がなければこの衝撃の事実を受け止められない、はず、

しかも相手は弱オカマチックな30代

やはり「歯が割れました」は衝撃がでかすぎる・・・・と

悩みに悩んだ挙げ句

「・・歯が欠けまして」と「割れる」よりも衝撃度が1ランク低い「欠ける」に言い換え告げ

口を開けその部位を見せる、が、

なんてことない表情でそこを診察する歯科医

よくあることっすよー的な、はいはいはいこのパターンね的な表情で見る歯科医に俺憤りを感じ

「どっちかつーと“欠けた”よりも“割れた”んです、歯が!」と言うが

思いの外この歯科医肝が据わっていて、微塵も狼狽えないので、むかついて

「鮭おにぎりの、鮭が、歯の、ここの歯に挟まっ・・・」と言いかけたところで

「では口を開けてくださーい」と治療が始まり、全て言えなかった。

 

 

 

 

思いの外根が深いらしくこのまま治療すると死ぬほど痛いらしいので麻酔を打つ

「先生!大丈夫ですか?痛くないですか?麻酔」

「いやっ痛いのは最初の打ちだからあとは平気だよ」

「でも急に刺さないでくださいね」

「じゃぁいきまーす・・・・ 大丈夫ですか?」

「あいおーぶえず」

「じゃ裏にもう一本打ちます」

「うえおあいあいまうねー」

「ん????」

「うえあうのあいあいまうねー」

「???? はい終わり、うがいしてください」

「梅の味がしますね」

「ん???」

「“梅味のガム”の味がしますよ、この麻酔」

「梅味がするの? へぇ そういうこと言う患者さん初めてだよ」

「梅っぽい」

 

 

 

 

麻酔が効きはじめ治療開始

ぎりぎりとドリルが歯を削り、しばらくするとぽっかり歯に穴があく

自分としてはこの歯をかっこいい感じに削って貰い

それでおわらしたかったのですが

さすがにそんな要望は言えず、だまって診察台に座っていると

「では歯を埋めます」と歯科医が言い

看護婦から受け取ったある物質を歯に塗り込み埋める

塗り込み終えると、ここで登場レアアイテム

今回登場したこのレアアイテムはなんと光る

普通のドリルと形や大きさは同じなのだが

頭についたドリルのかわりにライトがついていて、そこから青い光が放射

“ムーンライト”と名付けたこのレアアイテム、初めて見た

その青い光を先刻埋め込んだ部位に1分間ほど放射すると

歯科医ムーンライトを戻し、何かしらで歯を磨き、噛み噛みチェックしたのち、うがい、終了

手鏡で歯をチェック

これが“ムーンライト”の能力なのか・・・・・

すごい!すごすぎる!

じっくり観察してみても実際の歯にしか見えない

生歯だ! 生歯だぁぁぁぁぁぁ!

心底お礼を言い、診察室を出る

治療費わずか1470円也

 

 

 

 

 

 

 

歯科サイコー

 

 


3+30病


 

 

 

いわれのない嘔吐感、倦怠感、下痢、微熱にさいなまされ

あからさまに何かしらのウイルスに感染した自分は

上野、浅草と巡った後

夕刻帰宅し薬だけ飲んで寝た。

 

 

目を覚ますと朝

14時間寝た

体調まだ悪し

 

 

 

 

 


4 3+27歯


 

夕方、家をでる1時間前に食べた鮭おにぎりの鮭の肉片が

どうやら向かって左側の前歯と前歯2の隙間に詰まり

なんとも居心地が悪くて気持ちが落ち着かず

もぞもぞと舌を駆使してこの憎き鮭片除去作業に没頭していたのですが

やはり舌では限界があるようで一向に鮭片は除去できず

それどころか鮭片に触れることもできなくて初春

もう夕方6時を回ったってぇのにまだまだ明るいね、世間は、温かいね、世間の外気は、春、と

一度意識を鮭片から世間へと向け、意識の初期化をしたのち

舌じゃ取れねぇんじゃしょうがねぇつって

楽器店の前のガードレールに腰を掛け

目の前の楽器店を眺めながら

早くこの鮭片を片づけて楽器店のショウウインドウに飾ってあるトランペットを物欲しそうに見るプレイをしたいな

なぞとそぞろ思い

そしてなんの躊躇もなく人差し指を口の中に突っ込みて

爪でもって前歯に挟まった鮭をほじる最終手段に打ってでる

 

 

指先が鮭を感知する

唾液で濡れ、ささみのような破片

このわずか数ミリのカスに俺は気分を害している

自然とほじる指にも力が入る

歯と歯の隙間に爪を滑り込ませ、前後、時には左右に動かす

ようやく破片の破片、全てを除去できた訳じゃないが少し取れる

この成果に気をよくした自分は、もう往来で指を口に突っ込むことになんの躊躇いを感じることはなく

尚も爪を突き立てるが

因果なことにこれ以上状況が好転することはなかった

つまり爪に押され、破片が中へ中へと押し込まれ

いくらほじってもちっとも出てきやしねぇ

あぁ糸とかあればなんとかなるだろうが、糸がねぇ

でもここで止めるのも癪なので、これしきのことで諦めては何も生まれないと考え

一生懸命爪をたてほじり、取れん、ぎゅうぎゅうと奥に潜行する破片、追う俺の爪

逃げるルパン、追う銭形

頭でルパンと銭形を思い描きながら作業に没頭

銭形がんばれ!銭形がんばれ!のコール

「待てルパ〜ン」と似てない物まね

他人の目線

垂れる唾液

「パキッ」という乾いた音

 

 

 

 

 

 

乾いた音

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆笑、独り爆笑、歯が割れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

びっくりすることに歯が割れた

まじ割れた、パキッつってんの、ひゃらひゃら

前々からこの前歯はやばいな、虫歯っぽいな、と思っていた矢先の歯割れで

取りあえず落ち着こう、笑いを止めようと冷静になり

楽器店二階のライブハウスのトイレの鏡で割れた歯を見てみるとやっぱ割れてて

取りあえずもうちょい割れるかな?と爪に力を入れて押してみるとまたパキ

なんか「歯が割れる」っていう非常識が俺の口の中で起こっているってことが面白くてしようがなく

割れるだけ割ってみよう、いい感じのフォルムを形成しようと彫刻家の気分で歯を割り

納得のいく感じまで昇華して、後

一度また往来に出て、ガードレールの上でタバコを吸ってみると

いつもと違って歯の隙間から煙が出るっていう発見に悦に入っていると

前方からチンピラみたいな人が寄ってきて、よく見るとバータンで

「たっくんもうすぐライブ始まるよ」というので「じゃぁ行くかい?」というと「クニオとコウジは?」

「酒買うって言ってた、もうそのへんだと思う」「あいつらなにやってんだよ」「皆ゆとりがありすぎやね」

と言い合いながら

ようやくクニオとコウジが酒を買い込んで遅参してきて

ようやくランデブーのサブメンバーがそろったのでライブ会場に入るや

ビールで乾杯

バババンドの4回目のライブが始まった

 

 

 

 

今回は個人的に一番楽しかった

歯も割れたし。

 

 

 


魔女のしるし 3+26鼻


 

 

 

 

17世紀初頭のフランスの片田舎、

そんな片田舎よりもずっと奥にある廃墟と化した洋館“通称 人食い屋敷”

地元の人も近寄らないこの不気味な洋館に住むのは陰気な老婆一人だけで

「人食い屋敷に住んでいる」というだけで皆はこの老婆を恐れ

きっとよからぬことを考えているに違いない

雨が降らなく凶作が続くのもあの婆ぁのせいだ

鍛冶屋のファウストが失踪したのもあの婆ぁの仕業に違いない

「そういえば俺、昨日の晩、あの婆ぁが蛇捕まえているところ見た!」

「まじ!?」

「まじ!多分あれ蛇」

「まじかよ!それやばいじゃん?」

「何が? 気持ち悪いけど・・」

「そんなんじゃねぇって 蛇だろ? だったらあれじゃん? 呪詛に使うんじゃん?」

「じゅそってなに?」

「アレだよ、アレ・・なんてぇかな・・平たく言うとだ・・呪い? そっ!そうそう呪いだよ」

「まじでかー? 呪いとか超やばいじゃん! あの婆ぁ魔女?魔女っ子なん?」

「ぜってぇそうだよ、魔女っ子婆ぁ」

「だから不作が続くのかぁ」

「それだけじゃねぇよ、町長が突然死んだだろ?1月ごろ?」

「あっ?」

「それも呪い」

「うっわ、あれ呪いなん? それで死んだの? 町長?」

「百パーそう」

「マジコエーアリエネー」

「あっ、そういえば・・」

「何々? まだ何かある?」

「そう言えばさ・・あの婆ぁ・・ってさ・・」

「うんうん」

「ちょっと顔思い出してみ」

「なんだよ、怖えぇよ」

「いいから」

「んー はい、思い出しました」

「鼻でかくねぇ?」

「でけー」

「だろー」

「魔女じゃん」

「そうだよ」

「魔女っ鼻丸出しじゃん!」

「しかも先っちょにイボあるっしょ?」

「あるねー」

「それが魔女のしるし」

「魔女じるし出てるんだあの婆ぁ」

 

 

いわれのない迫害にあい、終いには魔女扱いされ次第次第と心はねじれ完全なる孤立

かわいそうな婆ぁ

そんな老婆が夜な夜な見つめるのは窓から見える赤茶けた月で

月を眺めるその瞬間だけ心の緊張は解け、全てから解放されるも

すぐ現実に戻されるのはあの木のせいで、

なんとなれば庭に植わっている陰気に垂れ下がったこの木が月とかぶって邪魔でしようがない

木が気になり結局むかついてゆっくり月が見られない

伐ろうにもでかすぎるし、それに老婆一人じゃ到底ムリ

かといって村の人に手伝ってもらう状況じゃないし

それに木を伐ったら伐ったで、折角苦労して埋めたファウストの骨が出てくる可能性もあるし

その骨また埋めるのとかすげぇ面倒・・・

しょうがねぇむかつくけどこのままでいいやぁ

と、ぼやきながら蛇の生き血を飲み赤茶けた月を見る婆ぁ、が、むかつく木

 

 

 

 

 

 

そんな木をイメージして盆栽にしてみました。

 

 

 

 

 

 


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