幸太 5+19

 

 

 

 

各種「出産・妊娠系」の教本を読み漁り解ったことは

だいたい基本的にどの本も同じようなことが書いてある

妊娠中毒症にならない為に塩分を控える、とか

いまぐらいの時期は、出産に向けて体力をつける、とか

つわりの種類(吐きつわり、食いつわり)とか

セックスはできる限り控える

(仮にセックスするとしても下記の図の体位に従って、

お腹に負担をかけぬよう優しく挿入してください

また、妊娠初期・中期・終期にあった体位で交わってください)とか

妊娠すると、8〜11キロ程体重増加します、などなど、まぁ、基本的なことは大体同じで

同じような本2.3冊目を通していれば、妊娠出産の大凡を理解することができるんですが

1つだけ理解できないことがあります

なんでか、ほんとに理解ができません、むしろ意味が解りません

妊婦でもないのに、孕んでもいないのに、新たな生命を己の身体に宿していないにもかかわらず

アキコと住みはじめて、高円寺生活をはじめてかれこれ2ヵ月、60余日

見る見るうちに下腹部が膨らみ、あれよあれよと言う間に妊夫、俺!!

俺がお前で、お前が俺で、2人並んでシルエット、はてさてどちらが 妊婦だい?といわんばかりに

おなか@ぽっこん 8キログラム増!!!!

それになんだっ!! 一般肥満って・・・・チクショウ

 

 

 

 

 

びっくりを通り越して呆れる、呆れ果てる、なんだこの有り体は

手前ぇは何を宿してんだ? 愛か?誠か? わけがわからない

2ヵ月で8キロ増だと、単純計算、1週間で1キロ増

俺の中の生命(駄肉)は超宇宙生命体張りにチクサク成長しています

近い未来、俺が駄肉で、駄肉が俺に。になってしまう・・・

 

 

 

 

 

そもそも何故にこんなに太りはじめたのか。色々考えてみました。

しかし、考えるほどの事じゃない、答えははじめっからわかってらい

 

ひぃふぅみぃとかれこれ6ヵ月

アッコさんが孕んではや6ヵ月

長い、ようで、短く、実は長い

自分のように「人生の8割2分を性欲に捧げるタイプ」の人間にとっては

それはそれは果てしなく長く、主に、悶々とする夜は長く

上にも書きましたが妊娠中の性行為は御法度で

でもできなくはないんでしょ?と、優しくすればやれないことはないんでしょ?と思われましょうが

やるからにはとことんやる畑の自分にとっては

あれこれ制限された中で己の肉欲を余すことなく発散するなんて小器用な真似できなく

思いっきりできないのなら、やらないほうがましだ、

それ以前にアキコ鬼嫌がるし、お腹の子に悪影響があったら恐いし、で

全然、ほんと、全然やってない×180日

でも、一緒に寝たり、一緒に過していないのならまだ気を紛らわすことができますが

如何せん夫婦ってのは1つ屋根の下、同じ釜の飯を食い、同じ蒲団で寝るがゆえ

四六時中そばにいて、目の前に好物をぶらさげられているのに食べれない当て馬のような生活

それに加えて、自由自在に自慰行為にはげめない空間が

俺の心に歪みをつくり、日々蓄積されし煩悩、行き場をなくしたエネルギーが俺の腹周りに集結して、駄肉となる。

 

と、本気で思ってる。

 

 

 

 

 

 

もしくは幸せ太り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5+18

 

 

 

!!!!!!!!!注意!!!!!!!!!

 

ファイルサイズがすこぶる重く(40MB)、ファイル読み込みにかなり時間がかかると思います

それに音もでます

閲覧するにはQuickTimeプレイヤが必要です

ココからダウンロードしましょう(無償)

 

 

 

準備が整いましたら、部屋を明るくして離れて見てね

 

 

それでは

ゴーゴー

 

 

 

 

 

5+18

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・アト、二ヵ月

 

 

 

生命どろろ

 

 

 

 

 

 

 

5+15

【 悪意に満ちた空、雲、豹もいる 】

 

 

 

 

昨日拵えた手紙をたずさえ、高円寺友達連中の家のポストの前まで行き投函する作業

続に言うポスティングに精をだした

空は晴れているのに急に雨が降り出した

天気雨は神秘的にも思えるし、不吉にも思える

急に降り出した雨は急に止んだ

 

 

アキコを連れて、小学生の頃さんざん通い詰めた駄菓子屋へいった

おそらく駄菓子屋冥利に尽きる瞬間ってのは

少年から青年、大人になって「おひさしぶりです!」って長い年月を経て再会し

「あら〜 もう すっかり大人になったわね!」と言う瞬間が冥利だと思うし

しかも「結婚しました!」つって「子供もお腹の中にいます!」つったらデラックス冥利に違いなく

永年駄菓子屋をいとなむ愛しきおばちゃんに折角ならこの駄菓子屋冥利を体感してもらおう、と、

少し親孝行する気分でアキコと入店

「こんちわっ!」つって・・・・・5秒

「あータクロウ君!? あれ まぁー」とイエス!早速冥利!

「おひさしぶりです、全然かわらないっすね! それよりも良く俺の名前覚えてたね」

「なんせタクロウだもの、覚えてますよ。おほほほほ」

「あとね、えっと、俺結婚しました! この人が妻です」「こんにちは」「んで子供もいます!」

「あらあら、これはおめでとう。 うわぁかわいい娘じゃないの!」というやいなや徐々に顔が真っ赤になるおばちゃん

なんでだ? なんで赤くなるのだ? おっ ちょいと涙目! これわっ! イエス! デラックス冥利!

 

 

デラックス冥利を確認した自分はアキコをの腹を撫でつつ

「ちょう、おばちゃん触っってみ触っってみ、どう? わかる? 俺の子! がはははははは」

「ほんとにねぇ(なでなで)元気に産まれてくるんだよー!! よし、おばちゃん言っといたから大丈夫」

「産まれたら必ず連れてくるから、じゃぁ菓子買う」つって

1人100円分駄菓子を買うが2人合わせて210円 10円オーバー 10円おまけしてもらう

店を出るとまた雨が降っていた、傘まで借りてしまった。ありがとうございました。

 

 

 

「どう? 俺、とてつもなく愛されてるでしょう?」

「そうだね。しかも名前覚えててもらえたね」

「やっぱタクロウって名は印象に残るのか知らん」

「そうなんじゃん?」

「ならば産まれてくる子供にも印象的な名前がいいなぁー・・・ルフィは?」

「もう! それはさんざんダメだっていってるじゃない!」

「いいのになぁ・・ ルフィ・・・ ハヤシ・D・ルフィ」

「・・・・・・・・」

「どうしたアキコ! 気を悪くしたか? それとも寒い?」

「おしっこ行きたい」

「マジか! でもこの辺、パチンコ屋もコンビニもない、あっ! そーだ!」

「?」

トゥルルルルル トゥルルルル

「もしもしへーい!」

「タックン俺死ぬほど暇なんだけど!」

「バータン起きてた? いま彼女のところ?」

「いや、高円寺、家にいるよ」

「じゃぁさ、ちょいと寄っていいかい?」

「近場にいんの?」

「いるよ、んで、アキコにトイレ貸して欲しいんだけど!」

「おーう いいよー」

「ありがとう、すぐいく」

ガチャリ

 

「なに? バータン家にいるだって?」

「うん、第一声が「死ぬほど暇なんだけど!」つってた」

「あんがい暇な男なのね」

「しようがないよ、彼女と休みがかぶらないから」

「まぁねぇ」

 

 

そういってる間にババ宅へ、そしてアキコは即トイレ

コーヒーを頂き、アキコには身体を気づかってココアをだしてくれた

なんだか妙に優しいぜ!ババ!

トイレを借りるつもりが、なんか、ちょっと話し込み小1時間ほどして家をでた

ついでに手紙と、お礼に駄菓子を2つあげた

 

 

その後、3件友達の家を回り、シミズん家のおばちゃんと話し込んだ

「タクちゃんがお父さんになるなんて未だに信じられない」としきりに言っていた

僕も、アキコもそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

夕刻、家に帰りついた

空の色が気色悪く、遠くで雷

 

 

 

 

手紙的なもの 5+12+13

 

 

 

近頃とてつもなくもなく忙しく、そして眠い

慣れぬ連休に身体が弛緩しきって精神もうねうねしてるから、

朝とかすごく辛いの、1日がとても眠い

それでも働いて、妻子の為に働いて、なんか仕事が面白くて働いて、金の為に働いて

家に帰って飯を食って、酒飲むと、身体が1日の終っぽいムードを発し

風呂に入ったりすると、完璧に終了、閉店、螢の光

ちょいと横になって、軽く眠気を消費したのちパソコンの前に座って日記を書こう!と

思いながら横になって朝になる

なにもできやしない

そんな折り、アキコに「結婚しました的な手紙を親戚や友達各位に送りたいから作って」とお願いされ

そういうのを送るのは悪くないし、けじめとして大切だな、と思ったけど

いざ作ることを考えると億劫でしょうがない

そんなことよりもまず、日記を書きたいし

最近考えてる作品も撮りたい

植物の植え替えもしたいし

中途半端に進んでいるゲームもどうにかしたい

やりたいことがいっぱいある、それに反比例して時間がない、わお、有意義

とにかくコツコツやっていこう、ってんで、結局「手紙」作成から着手

数枚シャシンを撮り、パソコンでデザインを考える、が、全然ダメ

何がダメかって、やってておもしろくない

全然気合いがはいってないじゃないですか!このシャシンは!

「やるからにはいいものを」モットーにしているはずではないか? 自分?

結局その数日後仕切り直しの取り直し

30%くらい頭で構成をたてて、あとは直感と流れと瞬発力を信じて

風呂場でキャッキャ キャッキャいいながら数十枚撮りおろす

4時間かけてデザインを決め込む

うん、いいシャシン

やっとこ納得のいくものができた

ザ・タクロウ一家って感じがするし

(笑)

 

 

00:01 5+6

 

 

5月6日 深夜0時1分

お茶の間でアキコと向かい合い、だらだらとテレビを見ながら

 

「新婚つったって、なんだかよくわかんねぇな、なんというか実感が湧かない」

「私だってそうよ、ぜんぜんわかない、普通の新婚ってどういうことすんの?」

「そんなもんアレだよ、四六時中セックスに明け暮れんだよ!」

「ねぇ、普通の新婚ってどういうことすんの?」

「獣のように肉欲を求めあい、もう、ぐっちゃぐっちゃに、えらい大変なことになるもんだよ」

「無理だし!!」

「でも新婚モノのAV見ると、大抵そうだぜ! 純白のふりふりエプロンがエロい!」

「わたし妊娠してるし!! そんな変なビデオと現実を一緒にしないでくれるっ!」

「そうなんだよなぁ、無理なんだようなぁ、妊娠してるもんなぁ、我慢

ってか折角入籍したのだから誰かこねぇかな、祝ってくれよ、わいわいと!」

「だったら呼べばいいじゃない」

「それはそれでめんどい、それにこないだ東高円寺でバータンと飲んだ時、『籍を入れたら皆に祝って欲しい』つったら案外皆忙しいからムリじゃね?つってたし

急に呼んでもみんなこないでしょ、ね、目出たいのにね

あっ バータンから着信がある。なんだ?こんな時間に? 彼女にフラれたのかな・・・ かけてもいいですか?」

「いいよ」

「じゃ」

トゥルルルル

トゥルルルル

トゥルルルル

「おーう どうしたよこんな遅くにバータンさんよー」

「・・・・あ タックン?」

「どうした! 元気ないじゃん、やっぱしフラれた?」

「フラれてねぇよ! タックン明日夕方ヒマ?」

「暇っちゃぁ暇だけど、何?」

「明日ちょっと相談したいことがあるから5時に高円寺来てくんね?」

「何!? 何どうした!? 一大事か? 重いの? 重め? 軽め? 君の事?」

「そう俺の事、どっちかっつーと重い」

「まじかよ・・ 今は言えんのか?」

「ちょっと今は厳しい」

「あーそー じゃぁ行く行く、アキコも一緒に来ていい?」

「ちょっとアキコがいたらいいずらい」

「そうか、じゃ5時ね、あっ、ちょっと待って」

「アキコ、なんかバータンが相談事あるらしいから明日夕方高円寺いっていい? あっちょっと待って!」

「バータンどれくらいかかる? 2時間くらい? あっそう」

「2時間だって! いい? じゃぁちょっと行ってくるよ」

「はいもしもし、じゃぁ明日高円寺で、そうだユキちゃん(彼女)はそばにいるの?」「いるよ−」

「いるよ」

「うん、声が聞こえた、じゃぁ待ってるから、気を落とすなよ」

「じゃーねー」

「はいはーい」

がちゃり

 

「おいおいアキコよ、なんかバータンがおかしいよ」

「なんて言ってた?」

「なんか相談事があるんだって」

「へぇ〜」

「へぇ〜じゃねぇよ、つきあって21年になるけど未だかつてこんなこと言ってきたことないぜ

俺にはなるべく弱味を見せずにいるプライド男だぜ!」

「でもバータンにしては珍しいね」

「そうだよ! すげぇ変なんだよ! ・・・こいつぁなんかあったな

なんだ!? なんだ! あああああああ!! あれか! ユキちゃん妊娠したんだ!」

「そんなわけないでしょ」

「いや!絶対そう!俺に子供が出来たのを羨ましがってたから絶対そうだって!」

「でもそれなら電話で言うんじゃない、タクちゃんも電話で言ったでしょ?」

「俺は、アレだよ、すごい大変であたふただったから即電話したけど

バータンは曲がりなりにもサラリーマン、生活力はあるわけだし、

あの頃の自分と比べたら十分すぎるほど受け入れ体制は出来ている

子供ができようが、タクロウでもやっていけるんだからへっちゃらだ!とタカを括ってんだと思う」

「ふーん、でも、困ってないならなおさら電話でいいんじゃない?」

「だーかーらー わかってねぇなお前は! それなら俺の時とかぶるだろ!

奴はもっとドラマティックに俺に告げようと企ててるんだよ!

だからあえてローテンションで俺を呼び出し、爆裂ハイテンションで『子供で来ましたー』宣言で

俺を吃驚させようというスンポーをあの真っ黒い腹の中で増幅させてるんだって!!」

「そう? でももっとちがうことじゃない?」

「例えばなに?」

「例えば・・・ん・・・・あっ そう! フラれたとか」

「いや、フラれたとかはないらしいよ、ユキちゃんと一緒にいるみたいだし」

「そっかー、じゃぁ・・・なんだろ? やっぱ子供?」

「もしくは、転勤とか? えー!!それは嫌だなぁ」

「いいじゃん、すっきりするじゃん」

「よくねぇよ! 寂しいし、あっ、でも、都内以外に職場はないはず

それに、もう5月だからいまさら人事移動はねぇわな」

「ふーん」

「他には、なんだ、病気? とか? それも考えられるな、うん」

「あとはフラれたとかじゃない?」

「だからそれはねぇよ! だとしたら一緒にいるわけないし

でも、いま深夜0時回ってる、帰るに帰れないから一緒にいるのか?」

「やっぱそうじゃん!」

「そういえば! 『アキコも一緒にいっていい?』ってきいたら『アキコがいるといいずらい』つってた

フラれてたらいいずらいわな」

「プライド高そうだしね」

「そう!あの人プライド高いよ」

「タクちゃんも高いよね、無駄に」

「無駄にプライドが高いから男なのだ、変なところにこだわりある方が俺は好き。

ん? でも、ちょっと待って、プライド高い男が自分をふった女の前で相談事があるだなんて電話するか?」

「しないね」

「普通しねぇわな、プライド高い男ならなおさらしねぇわな! ハイ消えた。フラレタ説は消えました」

「タクちゃん真剣だね」

「そりゃ真剣さ!友情だ! それに『重め』つってたもん」

「重いんだ!」

「重いらしいよ、なんだろう? つーかむしろ相談なんてなく、俺に新婚祝いでもくれるんじゃなかろうか?」

「だったら私が居たっていいんじゃない?」

「そうだよなー」

「なんだろうね」

「なんだろう」

「タクちゃんお茶入れて」

「いいよ、何? ジュースでもいい?」

「ジュースでもいいよ」

「じゃぁ俺ビール飲も、って、うおい」

「何!」

「何じゃねぇよアキコ! なんかめちゃめちゃ酒入ってんじゃん! 業者かっ!」

「そう、安かったからいっぱい買ってきた、スーパーって無料で配達してくれるのね」

「もう冷蔵庫ぱんぱんじゃないっすか! 馬鹿みてぇに一杯入ってる」

「いいでしょ?」

「ちょっとずつ冷やせばいいのに、冷えてる端から飲むよ!俺は!」

「そこの戸棚の中には おつまみもあるよ」

「まじで! うわっ ほんとだ! 業者かっ!」

「それも安かったから一杯買ってきた」

「すげぇなアキコ、俺の心を鷲掴みだな」

「ありがとう」「良くかき混ぜて」「バータンなんだろうね」「んまー明日になればわかるさ」「そうね」

「ついでに氷つくっといてね」「はいー」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方5時

 

「おーう」

「おーう」

「バータンみてみてこの指輪!」

「うぉっ! ナルトの指輪じゃン!!! どうしたのタックンこれ!」

「さっきアキコと高円寺をぶらぶらして見つけました、500円」

「まじでぇ! どこ、どこ、どこで売ってんの?」

「言うと思った、行きますか?」

「行く行く」

「ところで相談って何?」

「そういうのは取りあえず指輪を買ってから」

「まぁいいけど」

 

てらてら歩いて、ナルト指輪を購入して、モスバーガーへ

 

「さて、本題に入ろうぜ、と、その前に、ヘイ俺入籍!」

「おめでとう!」

「ありがとうございます! よし、で、何?」

「実は・・・・」

「ちょい待ち、実は昨晩アキコとさんざんなんだろうなんだろう?って話しててね

色々な案が出たんだけど、全部言ってもいいですか?」

「いいですよ」

「では・・・・ 子供が出来た??」

「いや、子供はできねぇよ」

「嘘? まじで? 嘘やん、俺ぜってぇ子供だと思ったのにぃ・・・じゃぁフラレタ?」

「いや違う」

「フラれろよ!」

「意味わかんねぇよ!」

「だったら転勤・・とかじゃないし」

「ないねぇ」

「病気?」

「違う」

「じゃぁ、なんだ? 俺にプレゼントでもあるのか?」

「ないよそんなもん」

「じゃぁなんだよ、あっ!わかった!俺にランデブーのベースをやれとか?」

「んまぁ 近い」

「じゃぁランデブーの事?」

「まぁね」

「なんだそれ、そんなことかい!!」

「いや、さぁ、ベースもドラムもいなくなっちゃってさこのままランデブーを解散しようか存続させようか

先週ダイスケ(リーダー)と話し合いがあった、ランデブー会議があった」

「2人で?」

「2人で」

「で、どうなったの」

「タックンはどう思う?」

「存続か?解散? 解散でいいんじゃない? どうせ今のままではライブできないなら意味ないじゃん

まぁ解散してもバータンとダイちゃんならやろうと思えばすぐ組むだろうし」

「タックンやんねぇ? ベース」

「いやいや俺はムリだと思う、あれだし、妻子持ちだし」

「つったって案外ヒマしてるじゃん」

「ヒマだろうけど、ここでうんつったらすぐライブするつもりでしょ?」

「うん」

「そんな、みっちり練習できないのにライブなんかしたくねぇよ」

「大丈夫だって! 適当でいいって!」

「俺やだもん へたくそとか言われたら死にたくなるもん」

「気にしないでいいって、そんなにうまいやついないし」

「俺がやだ、やるからには死ぬきでやりたい、そして1回っきりのステージがいい」

「なんどもコンスタントにライブしようぜ」

「えぇ〜 1回でいいよ、そしたら歌詞もかく」

「とにかく、俺の家にクニオのベースあるから、それ持っていっていいから練習してみて」

「クニオのベース?」

「あー もう、半永久的に俺のベースになったようなもんだから」

「それ良いベース?」

「普通のベース」

「まぁいいや、ところでバータン今日は暇でしょ? 俺の家きて酒飲まねぇ?」

「おー行く行く」

「なんかさぁアキコがアホみたいに酒買ってきたから。じゃぁ行こうぜ」

「もうちょっといいんじゃない?」

「え? あっ まだ飲み物あるね、相変わらず飲むの遅せぇな」

「ピロピロピロ」

「なんか今日は携帯よく鳴るね、そういえば最近アキコも島さんとよくメールしてるらしいよ」

「へぇ」

「なんか知らぬまに高円寺女子と交流を深めてるみたい」

「よかったじゃん」

「ほんと、よかったよ、じゃぁ行こう」

 

なかば強引に店を出て、なぁんだたいしたことじゃなくって残念、と、よかったと思いながら高円寺をふらつき

途中古本屋によりてぇというもんだから古本屋により

少女コミックの棚を入念にチェックしたが「はちみつとクローバー」はどこにも置いてなく

やっぱ人気漫画は古本屋にねぇなと思い思い

ぐねぐねと古本屋を徘徊していると、バータンがこちらも少女コミック「NANA」を手にとり

この漫画のナナたる主人公の極悪っぷり、ダメ女っぷり、ヤリマンっぷりを延々とかたりだし

何が彼をこうまで怒りたらしめるかは、自分は読んでいないから共感できぬが

その怒りは古本屋を出て、商店街を歩き家に向かう最中も続き

「ほんとにあの女はムカツク!!」と顔を赤くして言うババ

「へぇ 俺読んでねぇからわかんねぇけどムカツクね」と主体性のない俺

そして話はれいのごとく週間少年ジャンプの話へと移行し

両方の見解である「やっぱフランキーとパウリ−は仲間にならないな、そしてウソップはウォーターセブンで船大工の修行をして

いつか麦わらの一味と合流する、そしてその時にようやく“3人目”がでるのだ!」と

今では互いの夢になっているといっても過言ではないワンピースのこの先を熱く語り合い

行き交う人の波、商店街のまん中で、2人

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

5秒感は時間が止まった

 

 

 

 

 

「・・・・・」

「・・・・・」

「バータン・・・イマすれ違った人見た?」

「やっぱタックンも見てた!?」

「バータンも見てたの!?」

「見た見た」

「そっくりだったね」

「うんそっくりだった」

「むしろ本物だよ」

「高円寺に住んでるって噂は聞いたことある」

「じゃぁそうだって!!!!!」

「堤さやかじゃん!」「堤さやかじゃん!」

 

 

振り返ると遥か彼方

どうしようか、追うか?

追い掛けて、走り過ぎて、振り返って、顔を確認して、本物だったら・・・・・あぁ何もできねぇ

眩しすぎる

堤さやか

超大物AV女優

 

 

「やべぇ 俺すごく好きだよ堤さやか」

「俺だってかなりお世話になったさ」

「本物だよね」

「本物だよ」

「ああ やっぱ追い掛けるべきだったか・・・・

追い掛けて、及川奈緒とか最近調子くれてテレビにでてるけど、正直むかつきますよ

蒼井そらとかいって何が巨乳モデルだ! まぁ確かに巨乳だけども、お世話にはなってますけども、なんか違いますよね、潔くない!といいたい」

「いいてぇ」

「あー、でもいいもの見た、次からは気をつけよう」

「そうしよう」

「あっ アキコから電話だ、はい、もしもし、何? ああもうコンビニんとこ、アイス? わかった、買っていく

ちょっとアイス買うからコンビによっていい?」「いいよ」

 

 

 

 

 

日が傾く前に家につく

ドアの前

なんかてらてらしてる布キレが落ちてる

「なにこれ? 本日の主役? パーティーグッズのあれか?

なんでこんなもんが落ちてるんだ? どこかから飛んできたのか?」

「何それ?タックン」

「わかんねぇ 落ちてた、いる?」

「タックがつければ?」

「いいよ」

「まぁまぁ」

ガチャリ

「おかえりー あっはははははは タクちゃん何つけてるの? 馬鹿じゃない?」

「知らん、なんか落ちてた」

「おーうアキコ」

「こんにちは」

「飯できてる」

「できてるよ」

「じゃぁあがろう」

「おじゃましまーす」

バタン

 

「ケラケラケラ」

「お前なに笑ってんの? そして何故に部屋を閉め切ってるの? 息苦しい」

スー 襖を開ける

パソコンが置いてある六畳間が視界に入る、はずだったが、現実は違った

畳のうえに無数の紙コップ、紙皿、割り箸、巻ビール、クラッカー御菓子、壁には色とりどりのモールと風船

いつもとは違う光景

そして目の前に六人の男女

背後からバータンとアキコの笑い声

 

『タクロウ!!!! 結婚オメデトウ!!!!!』

 

パン パン パン パン

響くクラッカーの音、鼻先をくすぐる火薬のすえた匂い

呆然と立ち尽くす俺と、笑いながら俺を取り囲む8人の男女

おっ、これは・・・・・・

徐々に理解していく、まじか! まじだ! すげぇ! うわぁぁぁぁぁぁ!!

松ちゃんに 島さん カオちゃん ハセに チャカ、それにこの鼻眼鏡をかけた男はクニオじゃん!

うわうわうわうわ、歓びが洪水のように身体の中に入り込む

無我夢中でシャシンを撮る

そしてもう一度『結婚オメデトウ!!!!!』の祝砲

アキコも笑ってる

皆笑ってる

バータンはしてやったりの顔で笑ってる

 

 

「どう? タクロウ!! 今の心境は」

「どうもこうもねぇよ、すっげぇサプライズパーティーじゃん! はじめて見た!!!!」

「タックン見事に引っ掛かったね」

「うん、全然解らなかった」

「これはアキコちゃんが企画したのよ」

「まじでかっ! アキコ! うわぁぁぁ ありがとう! 俺が皆に祝って欲しいつったから?」

「うん、島さんと連絡取り合って、3週間も前から計画してた」

「うぉぉぉぉぉ 3週間も!? まじかっ ありがとう、すげぇ、皆もありがとう、なんか、もう、生きてて良かった」

「アハハハハハ」

「あっ!! だからあんなに酒とつまみを買い込んでたのかぁぁぁぁ!」

「全然気付かないんだもん」

「つーか、じゃぁさぁバータンが昨日の夜電話してきたことも、みんな知ってたの?」

「『相談がある』って言えば、絶対タックン来るって思ってた」

「うわっ、超見透かされてる あはははは・・・ってことはつまりアキコよ

俺が昨晩さんざんいってた“一体バータンはどんな相談があるんだろう?会議”もアキコは全部知ってて話を聞いてたの?」

「もちろん、この人バカだなーって思って見てた」

「まじかよ!」

「ってかうちら ほんとギリギリだったんだから!!」

「だってタックンが予定よりも行動が早いんだもん」

「あっ! だからバータンあんなにちびちびココアを飲んでたわけか!モスからでようとしなかったわけ!?」

「そうだよ! 急に家に行こうとか言うからすげぇ焦った」

「で、時間稼ぎに古本屋とかに行ったのかぁ」

「もちろん」

「いま考えると、なんか色々変だもん、妙にたくさん電話してたしね、それに家の前に“本日の主役タスキ”が落ちてるわけねぇもん」

「普通疑うよな」

「でも、もう、自然すぎて、“あり”や“なし”でいったら“あり”だった

本当にみんなありがとう、んじゃ、まぁ、とりあえず飲もう! クニオ!よろしく」

「では、ゴホン、えー 本日はお日柄もよく・・・・・・・・<割愛>・・・・・・これから夫婦となる2人の門出を祝って! 乾杯!」

 

「乾杯!!!!!!」

 

 

 

 

その後はもうむちゃむちゃだった

決して広くない部屋が沢山の人でにぎわい

がんがん酒をのみ、がんがん笑って、

小学生卒業の時に配られたビデオテープ

学芸会や、演奏会、運動会、個人個人のメッセージ、その他、痛い苦い甘酸っぱい思い出が詰まったビデオの観賞会

男子(俺、ババ、松、クニ)は過去かつて一度も見なかった、見ようともしなかったビデオを鑑賞

みんなの子供の頃を見て大笑いし、自分の子供の頃を見てとてつもなくはずかしくなって、でも、おもろくて

時間を忘れて笑った、ぐしゃぐしゃになるほどの飲んで、騒いだ

とても嬉しかった

いい友達といい嫁を持ったと、心底思いながら、明け方眠った

 

 

 

 

ありがとう

 

 

 

 

 

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