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6+4+5
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休日つったって暇でしょうがない、一日中部屋に隠ってパワプロで選手を作るか、庭の草木をいじるのが関の山
人に合おうにも友人は女との愛情を深めるのに手一杯だし、
かといって知人に「遊ぼう」つったって何をすればいいのか良くわからん
だったら1人お外に出て買い物なりなんなりすればよかろう?とお思いでしょうが金がねぇ
漠然と「金がねぇ」っつーと、おいおいお前大丈夫なのか?
所帯をもったは良いものの金がないとは話にならんよ
夏には子供がうまれるし、いろいろ物入りじゃないか、ほんんとうにやっていけるのか? 無理じゃね? タクロウだし・・
まぁね、そう思われてもしようがないね、金はないわけだし
つーかあるにはあるんだけど、ほら、因果なことに金って使うとなくなるじゃん?
けども生きるには、生活するには金を使わんければならなく、減る一方
だったらどうする? 稼ぐ、やっぱ働くしかなく
無駄に1日を過すくらいなら、お金に換金しましょう! 35%アップだし!ってことで
レッツ休日出勤!!
渡りに舟ってのはまさにこのことでして
4月は暇で、5月はゴールデンウィークがあったせいで、どうもこの4.5月分の給金が少なく
給料明細を見るのすら恐くなって結局見ずじまいでいましたが
金勘定を一手に担っているアキコの様子を見てるとその薄給振りがありありと伝わってくる
初球から内角高めをえぐるような薄給、で攻められたバッターの顔、たたずまい
けれども文句1ついわず「あなたが仕事をやめないで続けてくれるだけでもありがたい」と言われては
もうこっちは何も言えず「辞めるわけがねぇ、そら、まぁ、前科あるけれど、今は状況が違うし、俺は腹をくくってこの道を選んだから諦めん」
という言葉を飲んで、食器とか率先して洗ったりなんかして、なんかやるせねぇなー
そこへ6月
にわかに職場は慌ただしくなり、がんがんがんがん仕事が流れてくる
それが体裁や愚にもつかんプライド、無意味な保身精神が招いた不効率・非合理的作業に乗じ
ぶくぶくと仕事量は膨れ上がり
会社ってのはアレだな、仕事を単純にこなすのは簡単だけど、そこに肩書きや階層があるために
いちいちお伺いをたてなくては動かないし、たらい回しにされて、ほんとドン臭い集団だな、と思い思い
よくこんなんで社会は厳しいだのぬかしやがんな鈍足、と思い思い
ばくばくに膨れた仕事ってかアホが無計画に膨らました風船みたいなものをぷちぷち割るために
休日を返上して労働
けれどもそのおかげで通常より35%増しの給金が支払われるのでありっちゃーあり
っつーか今の俺にはおおありで、いつもとやってることかわんねぇのに金一杯、げらげら笑いがとまらねぇ
すげぇなおい! 35%増しってなんだこら?! 時給が花屋の2.5倍ぐらいあんじゃん!
ありがてぇ不手際、ビバ不効率!!
アホにつき合うと日が暮れるっていううけど、ほんとに日が暮れた
しかし週休二日の微温湯に耳たぶまで浸かった俺の身体と精神とリズムを疲労させるには事足りて
ただでさえ今月に入ってから忙しい、毎日残業で休日出勤、ほんとたまらんわー、と家に帰っても
居間の電気、テレビ、をつけるのも、ベランダの窓を開け新鮮な空気を取り入れるのも
俺の手であり脳であり、とてつもなく一人称
あたりまえに風呂は湧いてないし、飯も用意されていない、洗濯物はぐちゃぐちゃで、流しにおいたままの食器はぬるぬるだ
咳をしてもひとり、家に帰ってもひとり
あれから、アキコが実家に帰ってから1週間が経って、はじめのうちは正直、自由だ自由だ1人の時間だヒョアッホーイと浮かれていたけど
やっぱダメだ、すげぇ寂しいし、なんかアキコの感触が日々薄れていく
ほんとやるせないね、と、素っ裸になりビールを煽りながら深夜すぎまで無駄に起きる
大事なことはなんなのか?
日々の生活に流され前が見えなくならないように何度も思い返す
そして「今晩の9時からNHKで育児の番組があるから、タクちゃん絶対見てね」とアキコに謂れ
30分のその番組を真剣にみる
子供が欲しいなぁと思うあの頃と違って、現実にそろそろ生まれる
なんかすげぇ、とても嬉しい、愉しみだ
まだ見ぬ子供の感触を想像しながら、色々な名前を紙に書いてみたけど、ところでどっちなんだ?
男か? 女か?
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1号 6+2
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4月下旬頃植えたキュウリの苗に実が成った!
毎日水をあげ、週に一度肥料をあげ、摘心、誘引、害虫駆除と手塩にかけて育てたおかげで
とうとう食べれるほど大きく実を実らせたキュウリ1号
青々と真直ぐイボイボとした新鮮なみずみずしいキュウリ1号
その様子を眺め毎日面倒を見たかいがあったってもんだ、アキコにも食わしてやりたかったな、と感慨深い気持ちを押し殺し
キュウリの付け根にハサミを当て、切断、皿にのせる

さもしい夕餉を彩った
俺の血となれ、肉となれ
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ろくなもん食ってねぇ 6+1
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朝はアキコが買いためた賞味期限ががっつり長い酵母パンを食い
昼は持参した箱に詰めた米とカップラーメン(どんべぇ)を食う
朝昼はなるべく与えられた生活費内でおさめるがためこれらで固定し
夜は、家にあるものを焼いたりして食べる、冷凍の肉とか
もしくは、アキコが作り置きしてくれた各種冷凍食材(ミックスフライ、焼き鳥、ハンバーグみたいなやつ)を解凍して食う
それかレトルトの麻婆豆腐とかカレーを食う
しかし、これら非常食もだんだん底を尽き、日に日に晩飯が乏しくなりゆくやまぎわ少し紅くて、ほんのり塩っぱい。苦い。
今日とかビール! 飯! 納豆! さんまの缶詰! レトルト味噌汁!
これが晩飯か・・・いとわびしく、冷蔵庫の中のレタスは半液状になり、明太子は死の香り
わさび、からし、しょうが、にんにくのチューブがころんと転がっている、明らかに寒々しく
ネギの青々とした葉っぱは、知らぬ間に枯れていました
しかし、これら生活がたたってか? 捨てる神あれば拾う神ありで
アキコが去ってわずか1週間で体重が3キロ減!!!!(どーん)
一緒に暮らした2ヵ月で8キロ増えた体重が
たった1週間離れただけで3キロ減!!!!(どどーん)
すげぇ、増える一方であった体重がいきなし減った、露骨に減った
不幸せ痩せりですか?
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多肉2 5+28+29
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5+28
長い目で見れば通話料が安いってことはおいおい生活が楽になる
新規購入にしろ最新版のケイタイだからそれなりの値段もするが
やっぱ長い目で見れば、毎月高い通話料を支払うよりも家族割り
加えて特定番号割り引きを駆使して、アキコとの通話料が60%オフ
無駄に食う月々の通話料を極力さげるには良い手、やっぱこいつぁお得だ!つって、
1999年、上京した年から6年使用していたドコモからauへ
アキコ共々電話会社をかえました
ねぎりにねぎって破格で同じ型のケイタイを2台購入
やっぱ最新のはよい、液晶とかすげぇ綺麗だ、ぐはつはつ、と喜んでも独り
いそいそと背中を丸め、アキコのケイタイ、妊娠具(乳首パッチ)、MDと手紙を袋につめ、ガムテで梱包し
コンビニにもっていき配送を頼んだ
晩に麻婆豆腐をひとり拵えて、辛い辛い言って食う
電話番号は変わったけど、3ヵ月以内に旧番号にかけると
新しい番号を通知してくれるサービスはとてつもなく便利だなぁ、と思った
5+29
本来なら今日は多肉の日
アキコと一緒に国際多肉協会が取り仕切る多肉の直売会に行く予定だったのですが
アキコは実家に帰ってしまったので、1人で行くのは寂しく、
どういしょうかなぁ・・とタクロウバルコンで野菜や花に水をやりつつ、タバコをふかしてぼんやり思う
んでも このまま家にいてもこれといってやることはないし
ずるずるだるだるするにはよい日和だから悪かねぇけど
アキコが居ないだけで当初の計画を崩すのはダメな気がしなくもなく
今回この多肉展を惰情でスルーした場合、今後の生活がこのままずるずる1人を陰湿に過しそうで
毎日を有意義にすごせん、今後の俺の実生活にも響く、よくない、行こう!
そんな折りアキコから電話があり「これから夏秋と長く咲く花はなに?」ときかれ
知識的な部分で頼られることがないため、とても嬉しく、マイフィールド
「基本はポーチュラカ、日々草、ペチュニア、で、あとは、ケイトウ、サルベリア、ロベリア、バーベナ、ストロベリーフィールドとかもいい
南国・木系で攻めるならハイビスカス、クロサンドラ、ブーゲンビリアも派手やかでいいし
蔦系なら朝顔、トケイソウ、鉄線、ノウゼンカズラあたりもよいね!」とずらずらいう、ザ・知識のひけらかし
「俺はこれから多肉展にいきます!」
「いってらっしゃい、いいのがあるといいね」
「お前は何するの?」「家の花壇の花が全部枯れてるから植えかえする」「へぇ、植物だ、ではいってきます」
衣類を着てビーサンを履いて新高島平に向かった
たぶん新高島平だと思う、っつー曖昧な記憶で降りたものの
降りてから曖昧な記憶を頼りに見知らぬ土地を歩いたものの、微塵も苦労なく展示場到着
入り口に色気のない文体で「多肉・サボテン展示会」と書かれた看板があって、中に入る
息を飲む、心臓がどくどくする、テンションが急激に上がったり下がったりして、変な汗が額に滲む
なんじゃこりゃ! なんだここは! うがー うがー
多目的ルームもしくは多目的教室ってあったじゃん? 学校に、小学校とかに
その多目的教室が約2個半はいる位のスペースに、多肉多肉多肉多肉
部屋のぐるりに長テーブルが設置してあって、その机の上に、床に、と、ぎっしり多肉が陳列販売されている夢のような光景が眼前に広がり
自分は数十秒立ち尽くし、うわぁ右も左も正面も、珍奇な、稀な、普段露地店の花屋じゃ決して見れぬ多肉ばかりで
右に左に揺れながら、中でもたくさん多肉ってるところに駆け付けガン見
なんじゃこりゃぁ、うわうわすっげー、はじめてみるのばかりだ、本で見たことあるのばかりだ!と熱中、全部欲しい
全然落ちつかねぇ、冷静に慣れない、右も左も珍奇、こりゃまずひとつ買ってクールダウンせな、と
吟味に吟味を重ね、最近欲しいなぁと思ってた多肉を購入
料金を支払い、商品をてにしてやっと落ち着く
やっと冷静に辺りを見回す、果たして他の多肉好きはどんな顔をしてんだろう?と前々から興味があり
今回はそれも調査したかったから、じっくりと見回す
やっぱ高齢者、つっても60代、50代のおっさん世代が一番目につく、趣味家って感じがする
で、ちらちらと30代の女性がいて、あと20代もちょろっといる
だいたいが2人組、夫婦で来てる人が多いな
おそらくどちらかが多肉好きでそれに感化したのだろう、なるほどねー
アキコも若干多肉に興味を示しはじめてるし、その兆しとして実家の花を植えかえるとかやってるわけだし
俺から発せらるる植物・園芸の波(オーラ)に次第感化されつつある、ふーん
でも、ここに来てるおっさんども、売る人も買う人もなんか感じが似ている
前働いてた花屋の店長や社長、そこで知り合った花の生産者と同じ感じがする、なんて思い思い
次から次にテーブルを見ながら歩き、異常に質の良い多肉ばかりが並ぶテーブルにつき
すげぇ綺麗だ、異常なほど状態が抜群だ、秋から冬に真っ赤に紅葉する種類の多肉がこの時期にもかかわらず真っ赤だ
なんなんだここは!? どうすればこんなに綺麗にしあげられるのだ? おそらく生産者である出品者が手塩にかけてるんだろう・・・と
顔をあげ、出品者の顔をちらりと盗み見て、多肉に目をおとすと見せ掛けて、もう一度出品者に顔を向ける
血液が逆流する感じ
童貞中学生が大好きなアイドルにあった時の衝動、と同じ衝動
目の前には多肉・サボテン界では大変著明な先生がっっっ!!!!
ほんもんじゃぁぁぁ!! すっげーテレビ通りの髭もじゃだ
シュミエン(NHK 趣味の園芸)や、多肉雑誌で先生の記事を読み勉強します
大変尊敬しています、あなたの御本がきっかけて多肉植物にはまったと言っても過言じゃありません
ぜひ、ぜがひとも僕とシェイクハンドを・・・・と心の中で叫びまくり、物凄く握手してもらいたかったけど
元来のチキン・ガイ、もうね、全然いえねー、なぁんもいえねー
そ知らぬ顔で多肉を見続けてやんの、くわっ、情けねぇ
とにかくこの状況を含めアキコに報告じゃい、とフンガーフンガ−いいながらテレフォン
「へぇそうなんだ、じゃぁ声かければいいじゃない」
「バッ、無理ダッツーの、べリバリ緊張しとーもん」
「その人、名前なんて言うの?」
「えっ? 名前? えー・・・と、『髭もじゃ山 髭彦』とかじゃねぇの?」
「あんたすごく好きな人なんでしょ!? なんで名前覚えてないの?」
「だって名前より先に髭もじゃが俺に先攻してきて、いまさら取りかえすことができないこのゲーム差、楽天かっ!?」
「電話切っていい? 何いってるか全然意味がわからない!!」
「うわっ 髭彦が自販でジュース買ってる!! 何買ってるんだ!!」
「多肉展はどうなの?」
「すげぇぞ多肉展、前回の八十倍くらいよい、珍奇なものしかない!!」
「へぇ〜 よかったねー、折角だからたくさん買えばいいんじゃない?」
「そういうわけにはいかん! どうにかして2000円以内で収まらす、じゃぁそういうことで」
「はいはーい」
その後、数度となく髭彦と接触する機会はあったものの
どうしても勇気がでず、悔いを残して帰ったが
結果的に行って良かった、本当によかった、人間的にひと皮剥けたと思う
家に帰り、アキコが作り置きし冷凍保存してくれた焼き鳥をチンして
スーパーで買ったビールを飲みつつ
購入した多肉を3つテーブルに並べて、眺め、1つ1つ丁寧に植えかえした

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俺の家って感じがしねぇ 5+26
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東京発 19時56分の新幹線に乗って、アキコは行ってしまった
出産までの1ヵ月と出産後の1ヵ月の計2ヵ月を実家で過す帰郷出産
そうそう会える距離じゃない、出産育児で金もない
次あえるのはいつだ? 出産か? 立ち会い出産のときか? 立ち会い出産できるのか?
けれども2ヵ月、長い、帝王切開とかになったら(今のところそういう心配はないが)もっと長引く
短いようで長い2ヵ月
よくよく考えると2ヵ月も離れるのはつき合って以来初めてだ
それに一緒に住みだして2ヵ月、生活が軌道に乗りはじめてまもなく離ればなれ
身体を無理にひっぺがされたような感覚が心に浮かぶ
何も死に別れるわけじゃないし・・・そう思うが、なんか思えない
まだ若いから出産の辛さには耐えれるだろうが・・・ 死んでしまわないだろうが・・・
側にいないのでいらぬ心配ばかりが巡る
寸前までは笑顔だったのに、1分前になるとボロボロと涙をこぼすアキコに笑いながら手を降り
最後になるのか? 膨れた腹を撫でて、ドアがしまる
「がんばれよ」
東京発 19時56分のアキコを乗せて、新幹線は行ってしまった
なんだかやるせない気分だ、すぐさま携帯電話に電話をかけようと思ってやめた
人生にそう数度あるわけじゃないこの感慨をもっと身体の芯に滲みこまそう
そう思い思い、身重のアキコがいないぶん、気をかける必要のなくなった自分はさうたすたと人込みの中を縫って歩き
中央線快速に乗って高円寺に帰った
駅から駐輪場に向かって歩く、俺は何処へ向かうのか? 駐輪場だ
だけどその後は何処に向かうんだ?
自転車に乗って、誰もいない家に帰ります
なんだかすこぶる寂しいです、1秒でも早く帰りたいと思ういつもの気分がわきません
どうすりゃいいんだ、帰り道が灰色に見える
初めてのクリスマスに貰ったMDウォ−クマンはアキコに貸してしまった
音もなく、心なく、家路についた
これからのこと色々頭を巡らす、すくなくともこれから2ヵ月
洗濯をし、飯を作り、食器を洗い、風呂桶を洗い、風呂を沸かし、便所を磨き、部屋を掃除する、
野菜に水をやる、ゴミを分別して捨てる、食料を買い込む、栓抜きを所定の場所に戻す、頭を使ってお金を使わなくてはならない
トイレットペーパーを買い足す、乾いた衣類を畳む、空気の入れ替えをする、はてしなくめんどくさく
これから先、自分は自分の身の回りのことをこなさなくてはならない
何を寝ぼけたことをぬかっしゃがんだ、と、お叫びでしょうが
2ヵ月だけでも嫁を、しかもあんがい家事家計に天武の才がある嫁に身の回りを預けてた自分にしては
不意に南極もしくは北極で身ぐるみ剥がされた気分
何もわからん、まず第一にいまいちゴミの収集日がわからん
そもそも全てが燃えるゴミのようにしか思えんなぁ、とくらくら考え家の前で一瞬躊躇してから
ドアを開け誰もいない俺の家に戻ってきた
青い模造紙が部屋にはり巡らされていた、俺はそれを見て思わず笑った
ことこまかに、ゴミの収集日からなにから掛れたアキコの起きはり紙
六畳間の寝室には、巨大な2枚の模造紙が襖に張ってあって
〜2ヵ月よろしくね〜
『約束』
1.浮気禁止!! 女子を家に入れない!!
2.むやみにバータンとあそばない!
と、力強く書かれてあり
以下
・アキコの入院する病院の住所
・実家、ばぁちゃんちの住所
・各種機関への振込方法
・冷凍食品を作ったので、食べるといい
・戸棚の中に食べ物があります、食べるといい
・アカチャンホンポに出向くさいの注意事項
等々、痒いところに手が届くほど親切な書きはり紙があって
「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」「おつかれさま」「おやすみ」と挨拶句が書かれていた
「たまには遊びにきてね」と書いてあった
テーブルの上には通帳や判子があって、その中にアキコから俺宛の封書があった
気恥ずかしい思いをしながら読んだ。
なんだかぼろぼろと涙が出そうになった。
弁当箱を洗い、風呂に湯を張る、居間でビールを飲む
食卓の脇にビニール袋があり中身を見ると

アホほど(同じ種類の)パンがぎっしり詰まっていた
馬鹿じゃねぇの、こんなに大量のパン、食べ終える前に賞味期限がきれるじゃん
ほんっと昔から計画性がないといううかなんというか・・と思い思い
賞味期限が表記されたシールを眺めると、「賞味期限6月28日」
丸1ヵ月ももつじゃん! すげぇ! パンすげぇ! アキコすげぇ! あははは、じりりりり
風呂場のタイマーが鳴り、良い湯加減、風呂に入る
1人で入る風呂に違和感を覚え、なんか妙に落ち着かず出たり入ったり、ドアを開けたり閉めたりしながら1日の疲れを取り
脱衣所に出て思う
タオルがない
パンツがない
シャツがない
いつもなら用意されているのに
ぽたぽた水滴をたらしながら居間へいき、箪笥を開いてタオルをパンツをシャツを取り出す
ひとりだなぁ、と切実に。一人暮らしが始まった。
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不登校 5+25
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ゴリラズの新アルバムと茶色のビーズクッション(大)を買った
アキコの張った腹を撮った
深夜に銀杏ボーイズのライブをビデオに録画した
ワールドオブゴールデンエッグスも録画した
今日は嫌なことと嬉しいことがたくさん起こった
アキコはもう眠ってしまった
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マリ− 5+23+24
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自分は水の精霊だから大丈夫です
もしくは無属性から水属性に属性チェンジしたから水系の攻撃に耐性をもってます
だから、アレじゃん、水の精霊なうえに属性・水だから、やれる、いける、ゴォォォー・・つって
ザンザン振りの、土砂降りの、バケツをひっくらかえしたよな雨が降る夕刻19時雨空のした
なんやかんや自分に言い聞かし、週間少年ジャンプとカメラを鞄に押し込んで
駅改札付近で半濡れで雨宿りする烏合の衆を後目に
俺こと水の精霊は、モンキーDルフィ号こと自転車(火属性)にまたがって
あっ光った また光った、ゴロゴロギシャンと雷鳴る空の下に飛び出した
ものの15秒でびっしょり濡れた
けれども濡れることには不快感はなく、むしろシャンプーを持参していたら自然シャワーの路上洗髪できたな
頭をシャンプーの泡だらけで帰宅したら、絶対アキコ爆笑しただろうな、惜しいことした、口惜しい。とおもうけど
Tシャーツがびっしょり濡れて肌にぴったり密着して乳首がうっすら透けるのは恥ずかしいし
透けたそれを赤の他人に見られたら、生きる希望を失うので、なるべく前屈みになって走る、けれども
この雨の中出歩く人も少ないし、いたとしてもチョカチョカ小走りで過ぎていく
皆雨にぬれぬよう自分のことで一杯だ、余裕がない、あのヤロウ、ジャンプを傘替わりに使ってやがる憤怒
あのチャリンコ旅行(大阪→静岡)で、滋賀県山腹でくらった12月の雨に比べたら微温湯、余裕
自分は終止、然、とした面持ちで雨の中を泳いだ
最後まで消えぬタバコの火に底力を感じた
翌朝、ズボンがまだ濡れていたため、押し入れからジーパンを引っ張りだす
いつごろ履いてたやつだ?と思い思い履いてみるけど履けない
厳密には履けなくはないが太股の後半からズボンがあがらなくなり
なにくそと一生懸命ズボンを引っ張りあげたら、履けた、っていうより収まった
だけれどもチャックが上がらず、前を閉じるボタンも締まらない
アキコに手伝ってもらってやっとこ履けた
パーティードレスを着るマリ−アントワネットの気持ちが少しわかった
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5+21+22
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【 亀の手 】
ヒロキ兄+亀ちゃんが住まう亀ハウスにお呼ばれし
もてなされ
お酒を振る舞われ
御馳走を振る舞われ
プレゼントをいただき
入籍を祝ってもらった
とてつもなく楽しかった
亀ハウスには、1000個のフィギュアと1000冊の漫画と1000枚のポスター
1000枚のレコードと1000本のビデオで成り立っている部屋
(多少言い過ぎ感はあるにしろないにしろ)
それらが綺麗に整理整頓してあって、下手な漫画喫茶よりも漫画喫茶
下手なフィギュア屋よりもフィギュア屋
趣味を突き詰めるとすごいな、と、詠嘆するばかり
部屋に入るやいなやアキコと2人、1時間かけて部屋中を散策して遊んだ、がはは
「私達のフィギュアとか全然まだまだね」
「全然まだまだだ、こことくらべるのも烏滸がましくすら思える」
「ちゃんとフィギュアをケースにいれてるってところが素晴らしいね」
「もうここにはフィギュアじゃ勝てないから、俺、もっと多肉を増やす!!」
なんてなことをひそひそひそとアキコと話し
「俺、女の子が産まれたら、この漫画に出ている主人公の名前にしたい」といって
漫画を戸棚からだし、アキコに読ました
寺崎姉妹がやってきて、6人で丸ちゃぶを囲んで飲む
亀ハウス秘蔵の1本、名酒・越乃寒梅(こしのかんばい)をコップでがばがば飲む
とてつもなく口当たりまろやかでスーッと喉越し爽快の酒
注がれる度にクイックイと盃をあけ
合間合間にばりばりとうまい棒を食う
越乃寒梅とうまい棒の合わせ技
いま思うと恐ろしく傍若無人な酒の飲み方にぞっとする
天罰を喰らって、越乃寒梅に殺された、オールリバース
他所の部屋で横になり体力回復を計る
ヒロキ兄と、亀ちゃんとアキコ3人で話している深い話を襖越しに聞いていた
なんか、俺の友達皆が、アキコを大事にしてくれて嬉しいなぁ
今度産まれてくる子供を同じ気持ちで待ちわびてくれて嬉しいなぁ、と
日本酒でぐわんぐわん前後不覚におちいりながら漠然と思い思い
もう一回吐いたら楽になるか知らん?と寝そべりながら苦悶した
見事返り咲き、ある程度楽になった自分は茶の間でトークに加わり
色々なことを話したけど、あまりおぼえちゃいない
その時自分はどんな顔をしていたのか?考えただけでも恥ずかしくなるけど
ヒロキさんも亀ちゃんも兄姉のような存在なので、そんなに恥ずかしくはなく
おふたりに子供ができたら、自分ができることは精一杯やって差し上げよう
そしてゆくゆくは家族ぐるみの付き合いができたらさぞ楽しかろうと思いながら
さよならといい、最後まで手を降り、タクシーに乗って帰った
10分位で家について、その近さに驚いた
泥のように眠った
翌日
昨晩は家に帰るやいなや眠ってしまった為、
起き抜け一番に風呂に入ろう、ついては浴槽に水を張らねばと浴室にいくとすでに水が溜まってる
かっ、やるねアキコ、できる女じゃんつって湯を沸かし
その間にタクロウバルコンでタバコをふかし、随分大きくなったキュウリ他野菜類に水を遣る
はてしなく二日酔い
風呂にはいりそこはかとなくさっぱりし、朝食を食べ、ザ・日曜日ってな感慨
昼過ぎ家を出て阿佐ヶ谷へ向かう
対山館というカフェ兼アートスペースで友人ユカリーの展覧会にお邪魔した
逸脱うつつ以来に合うユカリさんは相変わらず激しく明るく
(ああ ほんとうに人間性の良い人だなぁ)と思いつつ、けれども昨夜の越乃が後を引いていて意識混濁
しっかりはなせなくて残念だなぁと思ったけど
そんな自分に、アキコに、一生懸命話し掛けてくれて嬉しかったです
モデルの人がとても可愛かったです
一緒にシャシンをとって帰った
アキコは阿佐ヶ谷からバスに乗って元同僚の人と遊びに渋谷に行ってしまったのを
なんだかやるせない気分で見送った後
阿佐ヶ谷の商店街をだだら歩いて、取りあえず漫画喫茶に行くが、なんだか気分が乗らず1時間やそこらで退出
布屋に行き、1メートルの黒い布(380円)を購入し、自転車こいでゆらゆら家に帰る最中
不意にぽつりぽつりと雨が降り始め、蒲団を干していることを思いだし
立ち漕ぎで大慌てで誰もいない家に帰りつくやいなや洗濯物やなんかも室内に取り込む
ザザ−と雨音、部屋は薄暗く灰色
閉め切って出かけていたため空気が生温く皮膚にまとわりつく
アキコに電話をすると、渋谷でみんなとお茶をしていると言う、夕方
なんだか妙に寂しいな、と思わないようにして
鞄からさっきかった布を取り出し、
押し入れからテーブルを取り出し、
ライトをセッティング
三脚をセッティング
ベランダから多肉植物をもってきて
薄暗い部屋、設えた簡易スタジオでじりじりと植物を撮る
モノ撮りは専門学生の頃の授業以来で
個人的にやることはなかった
ってかモノ撮りは大嫌いだったが
最近、あるとき不意に「植物を綺麗に撮ろう!」と思い立ち
色々構想をねって本日に至った
200枚近く、すべての多肉を撮り終える
ひさびさに没頭した、死ぬほどおもしろかった
これだ、これなんだ、シャシンだ!!と甘い感情が沸き起こる
停滞していた感情や思いや時間が少し動きだした、流動を感じる
好きなものだから撮れる
気がつくと7時を回っていて、気がつくとアキコのやつまだ遊んでやがる!と思ったが
毎日毎日馬鹿の相手をする最中飯を作り家事をこなし靴下とかを畳んでくれている
たまには心いくまで友達と遊べばいいさ、と優しい気分で撮影具を片していると
「今から帰ります、遅くなってごめんなさい」というので
ここは1つ優しい男を見せつけてやろう!と「雨ふってるから気をつけて帰っておいで」といい電話をきるや否や
おもむろに台所にたち、米を炊き、肉を解凍し、風呂に水をはり、鍋に水をはり、豆腐をきり、ニラをきり、
麻婆豆腐、ニラ玉あんかけ、味噌汁、御飯、を拵え
お風呂も抜群の湯加減でアキコを待った
とても喜んでいた
してやったりだ