「搬出」12+7

【 姫路城 】

 

 

 

「溶剤怒濤」終了、↑は今回展示したなかで唯一明るい色の作品「姫路城」売却済

 

 

今回、規模は小さかったけど収穫は物凄く大きかった、確実に学ぶべきポイントが多々あった

例えば「作品売買」

ポストカード等の小物はかつて売ったことはあるけど、作品、それも一点モノを売るのは今回が初めてで

売れた時の感情、買ったのだから所有権はあなたにあるけど大事にしてねっつー里子に出す気持ち、感情、と。

売れ筋の作品、売れぬ作品の共通点、相違点、出すべき色を仔細に考察できたのは大きな収穫で

仮に次回、同じように販売目的で作品を拵える際には大いに役立つ情報を入手

こんかいの経験を生かせば俺予想で倍は売れるであろうこと請け合いだけど、

売れぬより売れる方が良いが、利潤に走ると前後不覚五里霧中、作品の個性が死に、意欲枯渇に陥ること必至なのでして

ぎりぎりの線より程遠いところで俺を十二分に発揮しつつ、売れるのを作れば良い。

ともかく売買は今後も実施していこうと思う、今日の搬出でそれをいよいよ強く思った

搬入時よりも搬出時のほうが作品が少ないこの爽快感アンド満足感

いっつもは、展示を終えると畳んだり丸めたりして、押し入れに追いやるのが常だったけど

売って人の手に渡ってしまうとそれが無い、それどころか大事に飾られることもある。

作品が手元に残さないのは未練を断ち切ること同じ、弱い自分は作品についついすがりがちだけど、無いからすがれねぇ

しゃーないつって膝に付着した埃を神妙な面持ちで払い、すっくと立ち上がって「おおよそあっちだ」

明日があるであろう方向に視点を定め歩いていく感じ。みたいな。清清しい。

 

 

っっっっっっっっっていうー。っていう「作品売買」の一点でもこれだけ学べ且つ明日へ向かって歩いていけるのは、どう足掻いても収穫でしょ?

あたぁ、あれだ、「シャシンじゃねぇ」ってのもでかい、「俺、今までシャシン1本だったくせにシャシンじゃないの、げへへ、おもろ」と

今思うとシンナーで愉快なテンションだったからおもろいけど、そんなに面白くはないなと沸く感情は黙殺して

でも「シャシンじゃない」。これは個人的には改革だったと思う、結果はずっと先にでると思うけど、久々にモノづくりが面白くて「きらきら生きてる感」を味わえた。

写真(銀塩フィルム)が発明されて50余年、昨今では猫も杓子も松ぼっくりも足並み揃えてデジタルに移行し

銀塩フィルムは日に日に衰退の一途を辿っているけど、なんとなく、なんとなくだけど

銀塩フィルムが衰退する倍のスピードでいつかデジタルが衰退し、銀塩とデジタルが均衡する時代が来ると感じた。

理想や脳味噌で考えたものを転写するにはデジタルが最良だけど

心や精神を転写するにはアナログ(生身の手)でやるのが一番だ。どちらかで両方を担うのは難しい。

 

 

 

書いてて後半意味がわからないけど敢えて消さずに残す、青臭い自分の補完

とにかく、3年前に突如現れた壁に対抗しうる糸口を掴んだ。気がする。気がするんです。

 

 

 

 

 

 

 

「マスタ」12+4

【 看板透明熊人形釣り下げ式 】

 

 

 

日曜日は懐かしい人がたくさん来てくれたニヒル牛2

変態後輩メガネことマガラや、昨年の逸脱うつつ会場にて交際が始まった逸脱カップル、アキコ大好き横浜ユウコさんや、

俺と同姓同名の従兄弟を持ちかつ、その従兄弟の彼女の名前がアキコという二重吃驚のピロコさん、あとアコーディオン探偵カトーさんなどなど

皆それぞれ一年前とは生活や環境が変化していて時間の流れを感じましたんが

昨年の展覧会以来ぶりでも、旧知のなかのように親しく話せるのは俺のことを凄く理解しているからです。アキコも読めばいいのにタクロウジャシン。

 

だいたいの人がの作品を見て驚いていた

「シャシンじゃないってのは聞いてたけど・・ こういう感じとわ! タクロウさんどうかしちゃったんですか?」みたいな

思いのほか驚いていただけて嬉しかったです

(ちなみに展示風景はミクシィで公開される風です、タクロウジャシンコミニティってのがあってそこに公開される風です、僕はあまり詳しくわかりません。)

 

 

そしてそろそろ

自分はもっと燃焼できたはず、爆発できたはずと後悔がじわじわ込み上げてくる。

慢心したら死んでしまいます。

気をつけてマスター。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グーで」12+3

【 ニヒル夜 】

 

 

結果的に作品10点中4点売れた。案外売れるもんだなと感嘆吐いてへらへらしてると夜になった。

この日は特別な日だ、ってか展覧会開催中は去年の個展同様生きてて良かった感をきらきらと味わえるからどれも特別な日っちゃー日だけど

作品も予想よりも売れてるってのもあるけど特別な日

まず、わざわざ遠方より姉妹で来てくれる人があったり、職場の人が来てくれたり、

彼氏に勧められてタクジャを見て来てくれる人があったり

4年振りに専門学校生の頃の友人が来たり、ニヒル牛のオーナーであるところの「たま」のドラマー石川さんとも御会い、かつトーク

なんかやばいテンションになって頭の頂点から白濁とした汁をまき散らしながら生きてて良かった感を満喫、と同時に誘ってくれた山ちゃんに感謝。

此処最近の起伏の烈しい精神状態が平たくなっていくのを感じる

根拠もなく独自に拵えた「実は俺、ものすごく嫌われているのではないか疑惑」とかも解消、楽しくてしようがない。

 

 

日暮れて閉店まぎわ、身重の亀ちゃんとヒロキさん御夫妻がやってきて

今までの雰囲気も技法もジャンルも違うタクロウジャシン(怒濤)を見て目を白黒させたる後

高円寺で3人、居酒屋で飲む

やっぱ脇に赤子が居たり嫁が居たりすると心置きなく馬鹿話しも居酒屋も酒も楽しめないけど

そもそも赤子を連れて居酒屋どころか外食店に入ることすら難しいから

こうやって「とりあえずビール」つってむしゃむしゃお通しを食う一連の行為が実に新鮮で

楽しさマックスの俺は絶えまなく喋りたおした

家庭、仕事、オナニー、子供、出産中、出産後のこと、オナニー、人の出合い、フラグの立ち方とか話しに話し

表にでて携帯電話を開いて時刻をかくにんするとわぎゃぁ深夜1時!!!

まぁだ23時くらいやと思ってたけど1時って! 4時間も喋ってたのかぁぁ そら喉も枯れる。と思い思い

タクシーを拾うため大通りまで歩いていく道すがら、一件のラーメン屋の前でたむろする同世代の男性の顔に見覚えがあり

じっと見つめながら過ぎ去って5秒後、雷が頭上からつま先まで走ってわぎゃぁぁ、悲鳴

あの人ぁ峯田さんじゃねぇか! 銀杏ボーイズの峯田!!

あの目、あの口、あの喋りかたとか絶体そう!絶対銀杏! まじかよ。すげー。ホンモンジャン。

取急ぎ脇を歩くヒロキさんに「あの人峯田さんだよ! 銀杏ボーイズの峯田! 俺すごく好きなんスよ! ほんもんじゃ」と言ったところ

「じゃぁタクロウ戻って確認してこいよ」と謂れ一瞬躊躇して「ちょっと待ってて」つって来た道を逆走、

ラーメン屋の前で仲間と話している峯田さんに本人かどうか確認したあと、握手をしてもらい、この気持ちをぶちまける。

上記行動のとれるアクティブな人間だったら良かったのにぃ、と思い思い帰路

実際は「いや、俺は絶対あの人を越す!」とわけのわからない宣言をして、予定通りタクシーに乗って帰ったのであったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜遅くになり過ぎてアキコに5発殴られた。グーで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな短い日記も今宵までだ、ニヒル牛2開始」12+2

 

 

 

「肉宴」「姫路城」「弥勒菩薩」「修羅」などなど計9点

昨晩搬入を終え本日より「溶剤怒濤」が開始されました

作成中はふんだんに神経衰弱&気ぃ狂いて夜な夜な発狂等アキコには多大な迷惑をかけましたが

その甲斐もあって満足のいく作品に仕上がったと思っております、ってか俺の心の有り体が写し出せたと思う

それは、まぁ、見てみて確認してください。

作品のレベル的には「逸脱うつつ」越えを果たせてると思う、個人的に。

ともかく一仕事終えた、昨晩は最高の気分だった

それに本日、早速4000円の作品が1点売れた、嬉しい恥ずかしいけど何処か寂しい気分になった。

明日からも普通に生きる。

 

 

〜〜再再度告知〜〜

+++開催中+++

■期日   12月2日(金)〜7日(水)

■場所   ニヒル牛2(西荻窪)   

■営業時間 12時から20時 木曜日定休

■場所   東京都杉並区西荻北3-26-5

■電話&FAX 03-6765-2286     

その他/注意など

・土日は居ます                    

  ・サンクスとまわる家具のところを右に曲がるのがポイントです

・狭いけど椅子とかあるから長居できます        

・カフェ的な営みも自分らがやります          

                ・物販とか用意しなきゃいけないんだけど、現実から目を逸らしているので販売あるか微妙です

 ・だけど作品は販売するつもりです、一点モノです     

・売れればいいな                   

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミキオ」11+29

 

「古くはイソップ、おむすびころりん、もしくはハム太郎、あとはガンバ。

そーだそーだミッキーだってそうじゃん! ミッキーだと思えば恐くないでしょ?

そう!ここはディズニー、愛と夢のテーマーパークディズニーランドって思えばやっていけると思います。

・・・まぁ築25年だけど? 1階でもないのに畳の上で団子虫が死んでいるけど

 畳は所により深く沈み込むとか、洗面台がもげ落ちるとか、入居早々ガス管に亀裂がはいっていたりするとかの

心踊るアトラクションが目白押し

愉快じゃないですか、あはは、あはははは。俺は笑うよ、アハハハハってカラカラの声で。っていうプラス思考で考えると

台所、流し台の下に貯えていた穀物がミッキーに食い荒らされた事実も些細なことに思えるのは不思議だね。ね。ね。

流し台の下の床をひっぺがしてミッキー専用出入り口を見つけた時は驚愕したね!

でも大丈夫、明日は木材を買ってきて完璧に塞ぐから大丈夫です」つってんのに

ぶるぶると震えるアキコ

作り笑顔の俺

とっとこ害畜ミキ太郎

 

 

 

 

「汚染の手2」11+26

 

 

おはようございます、早朝6時半です。11時間ぶっ通しでの作成作業就終了です。

とりえず作成作業も終了です

夕方、アキコとハグミが帰ってきます

いつもの生活が戻ってくる

袋ラーメンとパスタ以外のモノが食える。

 

 

 

「汚染の手」11+22

【 爪の汚れはとらねぇ。なぜなら格好良いから。】

 

 

火曜・夜。明日は祭日勤労感謝の日だってことで仕事のことは考えず丑三過ぎまで作業。

計10点の作品が出来上がった、万歳万歳

寝巻きとして着用しているスエットって世間並みにスエットつった己への不信感を抱きつつスエット、と

これまた不信感/敗北感を顧みず寝巻きとして着用しているパンツ(語尾上がり)のジャージ

これらの袖口や表面が色とりどり、鳥取り、頭取乱舞、よもや漂白剤をぶち撒いても復帰不可能になるまで汚染されてしまった

指先の爪と甘皮の間にもカラーがこびり着く、だけど落とさない、格好いいから。

だけど嫁が帰ってきて俺のこの風体を見ると卒倒後罵倒を浴びせてくること請け合い

「汚れるって前もってわかってるんだからどうして汚れても良い格好でやらないわかけ??」と激高して常識を放ち

どうしようもねぇ豚屑野郎を見る目で「信じられない・・」と呆れ果て。腹の裏で「実家に帰りたい」と唱えるだろうけど、大丈夫、万事オウケイ

「この汚れがあるからこそ作品が出来上がったのだ。人は何かを得るためには同等の何かを失わなければならない。

それこそ真理、世界の真、錬金術の掟なり」っつーから大丈夫、そもそも俺に常識を求める姿勢からしておかしい。

 

 

そんな自分の体たらくを知ってか知らずか、翌朝「とりあえず出来たよ、まだ手を加えるところはあるけどシンナーを使うのはないから帰ってきて」と電話で言うと

折角実家に帰って来たんだからもうちょっと居たい、土曜日にカエルカラソレデモイイカ?というので、しばし逡巡

自分としては早く帰ってきて欲しい、なぜなら遭いたいから、恋慕が巨大化しているから

有無言わさず「何ふっざけたっこと抜かしよんかちゃ! はよ帰ってこんかいボケ!」と北九州弁で言うのもありだけど

でも今回、互い了承は得ては要るが、手前勝手で実家に送り返したのは自分

やることやったから帰ってこいたぁ御都合主義甚だしいな、と思い、まぁ折角だしね、つって、じゃぁ土曜日には帰ってきてねと言った後電話をきり

よぼよぼ立ち上がって、洗濯槽に水を溜め始めました。掌の汚れが取れないように、注意を払いつつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「告知2」11+21

 

 

作品づくりはひとまず一段落ついた、と自分に問うてみたところ

心の奥がぞわぞわして居心地が悪く感じたのは、まだ納得のいく出来になっていない心情の現れかしらん

いや現れだろう、その辺の心の流通は常に正常に機能している、まだ納得がいっていない。

しかし、悪ふざけの延長つーか本能の塊のこの作品のどこに手を加えれば良いのかわからず

理性が滑り込めるスペースがみあたらないので、また本能鬼の目発動して手を加えると取り返しのつかない、難解なものになりそうなので恐い、と自然に思えて

ふと「恐い」という言葉に引っ掛かる、何が恐い?何が恐いんだろう?

心をさらさらにして「何が恐いのか」を探ってみると、この作品をみた人の感想/批評が恐いと俺は思っている

悪舌/酷評/叱咤/罵倒を浴びるのが恐い、否定されるのが恐い、嫌われるのが恐い、絶望されるのが恐いのです

そして何もこの作品だけじゃない、いつもそうだ、シャシンでも文でも、表現すると賞賛の裏に批判がある、無関心もある、恐い。

じゃぁ何もせず家で大人しく蜜柑でも食ってのほほんとくらしてら、こんな表現の恐怖、辛酸を舐めなくても良いのだけれど

感情や意識や生き方の有り体をいちいち発表していかなくては心のバランスが取れない、生き難くなる

上手に誤魔化して帳じり合わせ、したり顔で生きていくスキルが自分にはないから

恐いけど発表し、時として歓びを感じる、いわゆるところの変態です。

いつもしくじりたくないと思う、毎回手を抜きたくないと思う、自分と他人(観客)の距離を意識してしまい、それなりのものを生み出す手と脳が憎く思う

結局リミッターってのは外れない、限界のゴム膜は破れない、自分に染み付いた自分という個性は擦っても擦っても落ちることはない

最近、誰かの為ではなく自分の為でもなく、作品のために作品を創る。得にそう思うようになってきた。疑問も沸かない。なんでだ? 親になったからか?

本能の塊をもっとクリエイティブに輝かしてやるぜ、そのためなら幾らでも苦行を味わうよ、俺は。とすんなり思える。

1つ1つと向かい合って、見つめなおすしかないようです。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜再度告知〜〜

■期日   12月2日(金)〜7日(水)

■場所   ニヒル牛2(西荻窪)   

■営業時間 12時から20時 木曜日定休

■場所   東京都杉並区西荻北3-26-5

■電話&FAX 03-6765-2286     

その他/注意など

・土日は居ます                    

  ・サンクスとまわる家具のところを右に曲がるのがポイントです

・狭いけど椅子とかあるから長居できます        

   ・今回は実験的なものです、次回「個展2(未定)」のつなぎです

                ・物販とか用意しなきゃいけないんだけど、現実から目を逸らしているので販売あるか微妙です

 ・だけど作品は販売するつもりです、一点モノです     

・売れればいいな                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「芸術の本懐」11+19+20

【 予定・外・怒濤 】

 

 

 

必要な道具を全て買い揃えて、必要な素材は金曜の夜と土曜の午前に作成そして出力

必要な時間と空間は嫁と娘を帰郷させることにより手にいれて

長々暖めてきた作品の構想と全貌、そして各種心の底面に懲り固まった悪念をば、いざ。尋常に。つって

六畳間、畳の上に、上のシャシンのごとく作業スペースを拵えて、はっ、つって、ざざざつって、

模造紙に伏せたカラーコピー裏面にシンナーをまき散らしてかっすかっす擦る、族に言うシンナープリント

シンナーがカラーコピーの表面のインクを溶かし、その化学反応を用いて模造紙に転写する、っていう技法

俺、今回これでいこう、今までデジタルばっかやったけどたまにはアナログシンナーでやるのもおもろいなって、思って

この技法を選び今に至るわけで、専門学生以来のこの作業に心を踊らし、わくわくと一枚目を執拗にこすり、ハートに亀裂。

何も写ってねぇ、インクは溶けているが鐚一文転写されてなく、さっそくハートにヒビが入り、と同時に

愕然としたとたん、猛烈なシンナー臭が空間を汚染して、弱意識白濁

速攻で出鼻を挫かれた自分は必死になって転写されない原因を究明して、真相に到達

原因は転写する紙に問題があり、この場合「模造紙」の表面がつるつるしていることが悪因

つるつるして且つ薄々だから溶けたインクを吸収しない、その証拠にざらざらして若干厚みのある画用紙には映像が転写されるので

自分は作業を一事中断して、万事揃えてがががっと集中してつくりあげるつもりだったんだけど、なんとも情けないことになってしまったなぁと

自転車にまたがって、夕日を背に浴びて、商店街の文具屋でB2の画用紙を7枚購入した、空気が旨い。頭がぼんやりする。

 

 

 

家のドアーを開けた途端シンナー、換気扇をつけ窓も開けて最大限空気の循環に努力しているのにも関わらずシンナー

つくづく秋葉を実家にかえして良かったと、はぐちゃんは元気にしてるかな、父さんは画用紙を買ったよ、大きくなったらお絵書きしようね、さめざめしつつ六畳に戻り

購入したばかりの画用紙を広げ、一枚を作業台に載せ両掌を合わせ祈願

ゴムで鬱陶しい毛髪を括り、再度尋常につってシンナーを撒き画用紙に伏せたカラーコピーを擦る擦る擦る

ある時は牛乳瓶で。ある時はスプーンの背で、ある時は指で擦り擦って擦って、シンナー撒いて擦って。僕のハートが砕けました。

気がつくと空ろな目で換気扇の下にたたずみ、半ケツルックのままアキコに電話をかけている

「何かもう全然ダメなんです、全く持って駄目ダメなんです。」「何?どうしたの?」

「思い通りにならんのよっ!かっすかすで全然構想と大逸れて違う」「なんで? 画用紙かったんでしょ? うまくいってんじゃないの?」

「画用紙にしたらちゃんと画像は転写されてるんだけど思った以上に転写されない」

「ちゃんと道具とか正しいの使ってる? それ専用のシンナーとかあるんじゃないの?」

「道具は間違ってないと思う、シンナーだってラッカー用のうすめ液だから大丈夫のはず、いろいろ調べたし。現にちゃんと画像を溶かしてるし」

「じゃぁなんでだろうね。でも前にやったことあるっていってたじゃん! その時も今みたいな感じなの?」

「わからん、想像ではもっとビシッと転写されるはずなんだけど現実じゃぼっそぼそ、かっすかすなの、きっと俺が過去を美化していているんだと思う」

「でもねー。。もうちょっとやってみるしかないんじゃないの? がんばって」

 

 

 

電話を切って、煙草を消す。どちらにしろやるしかないのは揺るぎない事実

土壇場でキャンセルしない性分だし、わざわざ実家に帰ってもらってるわけだし、色々金もかかってるから辞めるわけには行かない

気を取り直し、作業台に向かって合掌。参度目の正直。

先よりも執拗に擦る、シンナーが切れたらもう一度撒いて擦る、入念に、強かに何度も何度も、ジャージから半ケツをだしつつ擦って。擦った。

この日の為に準備を整えてきたんだ、いつまでも出鼻を挫かれてばかりではいけん。俺の構想、作品の全貌。あれを形にするがために。

徐々に鬼の目になりゆく俺、シンナーの気団。たすらに擦って擦って、どや?つってカラーコピーを剥がして見る。

僕のハートは粉々になって飛び散って、それが夜空に飛び立って綺麗

気がつけばもう陽は暮れていたのだな、カーテンを閉めて体育座りで。明日も見えない。

 

 

 

 

久々に落ち込んだ、挫折が大挙してやってきた、俺は動けない。動けない。脳味噌が痛む。

画用紙もみたくない、あれだけ頑張って擦ったのにちょっと色が濃くなった程度で未だかっすかす

こんなんじゃ俺がかかげた理想に及ばない。いっそのこと辞めてしまいたい。どないすんじゃいこのカラーコピーの束はよ!

コンビニエンスのコピー機を独占して小1時間コピーした努力は! 2500円もコピー代にかかってンだぞ!

それにシンナーだって1300円もしてるんだし、画用紙代800円、その他、ボンド・筆・インク・墨もろもろ金がかかってる!

しかもだ、作品作成代に遣ってねって、アキコ。1万円もの大金を俺に呉れた。

なんか泣けてくる、前方向に向けて泣けてくる。体育座りのまま動けない。

 

 

5分間座り込んで思案して、結句、当初の計画は構想は形になるのは無理だ、に答えが行き着く。

でも今さらいつものようにシャシンを出力して展示する気にもならない

それをするといつもと変わらんし、カラーコピーの束を無駄にすることになるし、それは直結して金を溝に捨てたのと同意義

「溶剤怒濤」が今回のテーマであるから、その意図にも反する

じゃぁどうする、これら素材を使って別技法で作品作りますか? それともシンナー呑んで死にますか?

よぼよぼと立ち上がり、両腕を中空で振り回して室内の空気を撹拌するに励むが虚しく、そこにはシンナー臭があって

眼下にはカラーコピーが散乱してあって、むかついて、使用したカラーコピーをむしゃくしゃに握る

するべっとりとインクが手に尽き、たたずんでそれを眺める。

よし、シンナーの飲もう、この際。つってシンナー缶を口元まで持っていき、でも恐いから目一杯鼻で一呼吸、の刹那弾けた、切れた

なぁにが当初の構想とかけはなれているだぁぁ ふざけんな! 恩にむくいて義を尽くすは武士のつとめ

俺は武士じゃないけど似たようなもんだ、こうなったらめちゃくちゃやってやる! みてろよぉぉ、と

規定量以上のシンナーを吸って破裂した自分は無茶苦茶に没頭して作業台、真っ白の画用紙に向かい

シンナーを撒き、貼り、こすり、塗り、垂らし、撒き、切り、吠える

芸術の本懐は暴発です、悪ふざけです。死なばばばばばばばば!

当初の構想なんてモノは糞だ、思い通りに行かず、思いもよらない展開になるのが人生

いいじゃないか構想崩れ、構想をねらなかったら今の展開も起こらない。

大事なのは前々からの思案ではなく、窮地の際、どうのように行動するかである。あーる。

これぞ行動、善処、対応。展開/レッツ怒濤

俺の、俺である心の奥のどくどくしたネラネラがエネルギーになっている、来てる感じがするー、シンナーどっぱーん

精神修行、禁欲5日を敢行した甲斐があった。4日目から廃人となった俺を見てアキコは腫れ物を触るように接してきた

あの時は御免よ。俺若干鬱だったーひょひょーい。

つっても一人になってげっつくオナニーしまくってるけど爆笑

よしよしよしよしよしよしよしよしよしよし、いいぞ、きてるぞ、でたー、鬼の目。自分今鬼の目っす。

左上の体力ゲージの下に赤文字で「鬼」の字が点灯、鬼の目モードになると爆発的に躍進する

がつがつ作品を作る、心と体が躍動して無我夢中で作品を拵えて深夜終了

嗚呼、久々に脳汁溢れた、やっぱ手前の手を使って作るのはいいな、パソコンをカチカチやってるのとは雲泥の差だよ

五感をフルにつかって作るこのライブ感、誤っても引き返せない緊張感、たまらん。

 シャランラ シャランラ ヘイ ヘヘーイ ヘヘ シャランラーと声高く「魔女っ子メグ」のOPテーマソングを唄いつつ衣類を脱ぎ入浴

シンナーに軽くやられて気持ち悪いけど気持ちよく、体面積の30%を洗って残り70%を洗うのを思うと面倒になって、もういいや、湯に浸かり

ルルル ルンルン ルルル ルンルン ルル ルンルンルンと陽気に「花の子 ルンルン」OPテーマソングを唄いつつ衣類を着用し

良い仕事したな感を噛み締めながら換気扇の下で煙草を吸い

六畳間に戻って今一度拵えた作品を眺めて、苦笑い。

またやっちゃった、俺って適格に間違ったほうに進む癖がある、それも真直ぐ、馬鹿みてぇに。

 

 

芸術の良いところ、それは申告制であるところ

作者が「こら芸術である」と嘯けばたちまち芸術になるので俺も他を見習って「こら芸術である」と謂ってみたが

この文句を謂うには莫大な胆力が必要で、自分みたいなチキン野郎が謂ってもぼそぼそしていて白々しく説得力にかける

その証拠に言った途端、沸々とこれやばいんじゃないの、ただの小汚い紙切れなんじゃねぇのと疑惑の芽、萌はじめ

やばいやばい、そんな時はこれ テケテケン「シンナー」

四次元ポケットから出す風にシンナーをかかげ、自信を持って「これぞ芸術! 俺の心模様!」と嘯く、そして安眠するわけです。 

 

 

 

 

 

 

「皮算」11+17

【 高円寺東西線 】

 

 

 

当初はラブホテルでやろうと決めて、ひさびさに気合いが入ってくんくんしてたれど

少し冷静になって考えるとラブホ×フリータイムつっても借り賃四千円は貧貧とした経済上辛いので

ラブホテルはよして、グレードを下げ、金のかからぬ近所の公園でやろう決意を改めたがしばし逡巡

公園は名案だ、金かからねぇし、空気がよい。なるべく人目のない時刻がベスト、おそらく夜半過ぎから明け方。

よっしゃ楽勝楽勝って高を括って万事解決面で芋焼酎をぺちゃぺちゃ舐めてっと心の臓がぞわぞわしてきて

酔いも抜けて、冷静になって、また考えて、警察に見つかったらやべぇ。

明け方の公園の片隅で集中力解放で鬼の目状態の俺が有機溶剤臭まみれで不可解なシャシンを地べたにひろげている

この状況をおポリスに発見されたら職務質問必至

自分は自分で自分のこの有り体を重々変質的に捉えているため逆に堂々と

「これはアートです。土木々風煤女体仏そしてシンナーが織り成す生命のアート、僕は白紙の上に蠢く中空の光の粒となって! 神輿が輝く!」と言えるだろうが

目は鬼、有機溶剤を長く嗅いだせいで陶酔でふらふらなこの男を、おそらく真っ当な警官は危険人物及び変質者と断定して即捕

自分は拘置所で嫁が引き取りに来るのを待つ、羽目になりかねなく、そらやべーつって

ちゃぶ台の前にアキコを呼び神妙な面持ちで

「土日に作品づくりをしたいけど公園はやばいから家でやる、んでも家には妻子つまるところお前とハグが居るから

思う存分有機溶剤を使えないし、赤子にも母乳にも悪影響なので、今週末はぐみを連れて実家に帰る??

俺の私利私欲手前勝手な提案で悪いけど、俺だって作品は作りたいし、けど金はないし、警察嫌だし、お前らに毒を吸わす訳にはいかねぇので

って、色々考えた結果『実家に帰る案』は正直どう思いますか?」と問うた所

アキコと出会って、爾来、さまざまな局面、嬉しいこと悲しいこと辛いこと楽しいことを経験してきましたが

こんなにだらしなく弛緩しきった笑顔のアキコを見たの初めてで

みなまで言うな、そんなに喜ぶたぁ俺の方が驚いたよ、けどこれで交渉成立つって時間と空間を得た

それに応える作品を作るよう頑張るよ。

 

 

 

 

 

「怒濤偏」11+14

 

 

調子が悪い、心の調子が悪い、吐きそうだ倦怠感

展覧会の準備はある程度ととのったけど、未だ作品着手には至っておらず

妄想ばかりが先攻してあとあと残念な結果になりそうだけども、このローテンションを維持しつつ

金曜日の夜から、土曜、日曜の三日間、集中して作品づくりの機会をえたので、爆発させたいと思います

週末しか作品づくりできないなんて、落ちるところまで落ちたけど

時として制限された空間時間に縛られたほうが、自由を謳歌するものよりチカラを発揮すればいいな!を胸に爆発

岡本太郎氏は芸術は爆発だとおっしゃっていましたが、僕もそれに近付けるでしょうか

あなたは赤色が好きなんですね、私は黒色が好きです。木片の仏陀。

ともかく、いままでのほんわかムードを爆風で吹き飛ばしたいとは思ってます

現に生活自体ほんわかしていないし、脳味噌に精子が混じってるし、指先は腐ってる。だからやれそうです。

壁越えは過去の作品否定から成りえる

大袈裟かつ壮大な文句ばかりを並べてのナチュラルボン大風呂敷

実際の作品がしょぼくてもださくても、ぺらんぺらんのうっすうすでも責めないで、

今回のは自分の為に作るから。

それにいいんだ、作品づくりのわくわくするこの高揚感と、弱ノイロウゼ臭

結婚しようが、子供が出来ようが、生活形式が180度変わろうが、この感覚が自分の中にあったってことが嬉しいのです。ボン。

 

 

「溶剤怒濤」

今回のタイトル。

 

 

 

 

 

 

新しい日記旧い日記