「セルフ飴と鞭」 6月26日

【 雨 】
肺と肋骨がキリキリと軋むまで目一杯大きく息を吸い込んで
息吸ってるのに息苦しさを覚え、でもまだまだままだまだ行ける、先へもっと先へと自分を先導しつつ息を吸い
限界ギリギリまで、もう吸えません、と、頭が白黒いたします、と合い成り果てたら
一転して ぶほはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁと息を吐く
今宵喉頭から内臓だしてもよろしいぞってな気概をもって
霊峰富士が纏う残雪をイメージしつつ、咽喉が空しくなるまで
ぶほはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁと息を吐く
吐き出す、吐き切る、吐き切れ、吐き切れよ、吐き切ろう絞り出す
するとなんだか心が軽くなるなぁという心持ちがして不可思議
自分発自分着のセルフ飴と鞭
錯角だろうが、現実だろうが、一瞬だけど忘れられる
今日も雨やった、雨が降っとった
窓に張りついた点々の水滴を見て雨だと推測しました
水を飲みたい
犬と戯れたい
土中に埋もりたい
9時24分
本当は11時57分
部屋の掛け時計はあらぬ時刻をさしている。
「冷やしマメ男を眺めてた」 6月24日

【 魚盆 】
暑い暑いとうだりながら、やや前傾姿勢で両腕をだらりと下げぺとぺととルック商店街をくだっている僕は自分は
鞄に詰め込んだゲームソフトを売っぱらおうと土曜日の午前前
さんさんからてりてりに衣替えしたお日さんの御陽気な光線を浴びつつ
梅雨はどしたんよ、まだ6月やぞ! 阿呆ほど暑いじゃないっすか、額にはホレ、この通り汗が滲んでいる
明らかに8月の気候にあてられ虫眼鏡で焼き開かした黒紙のように、てっぺんがじりじりと焼け黒旋毛付近に穴が開き
そこから濃い灰色したやる気という名の煙がスーっと体から抜けて行ってめげてしまいそう
少しでも煙を吐かぬようにと手ぬぐいに掛けて歩むが、いまさら遅い、なんの効果もねぇんで
これはいけん、やられる、暑さにやられる、今日を舐めとった
いっぺん家に引き返し、じゃっかん陽が傾いた頃に出直そうか考えているうち
ちょうどモダン喫茶「七つ森」の前を通りかかったので、しばし考え、だらだらと入店
ドアを押すとドア鈴がカランコロンと涼しげ
1人で来るのは始めてだなぁ、かなんか考えながら薄暗い七つ森で冷たい茶を飲み
短編小説のひとつを頭から尻まで読み終えると、ちょうど茶もなくなっていたので
茶もねぇのに居続けるのも店の人に悪い気がしたのでカランコロンと退転
途端目に飛び込んで来たのは銀白に輝くアスファルト、眩しいったらありゃしない。
ゲーム屋でゲームを売る、まさかの売り値2000円に気をよくした自分は
あぶく銭をどう泡沫に変えようか思案しながら
庚申通りをぶらつきながら取り合えずマンガ買って、煙草買って、お茶買って
まぁた体温が上昇してきたのでここはひとつエアコンでも浴びようつって電器屋にエスケープ
が、電器屋のエアコンは軒並み稼動しておらず、しょうがねぇので扇風機コーナーで涼を取ろうと旋風目前に立ちはだかったものの
阿呆の一つ覚えのように首を降りながら扇風機はただただだらしなく生温い空気を撹拌するだけであってちくとも涼を得られず
英語ではこういう場合なんて罵るんだろうか?と考え考え、素通りして電器屋を通過、シック。
その足で近辺のスーパーマーケットにおもむく。
とり肉や牛肉が冷凍されているメインの売り場はさすがに他の買い物客に迷惑だろう
あと、牛乳とかヨーグルトとかチーズなどの乳製品や、ゼリーやプリンなどのデザートが陳列されてる冷蔵棚も他の客に迷惑なんで
ばんばん売れることはないであろう、人気の少ない隅っこの冷蔵棚に張り付いて涼を取る
あたかも商品を選んでいますよ的なフェイスで、この棚にある商品にめちゃめちゃ食いついていますよ!店長!の体を装い涼を取る
下の網状の空気孔から止め処なく冷風が沸く、劇的に涼しい、電器屋にはもう頼らん、俺には、これ、スーパーがある! ざまみろシック。
やっぱ夏はマーケットだよなぁと感慨に耽りながら目の前に陳列された商品をなんとなしに見回す
上段/ふじっ子のお豆さん、中段/ふじっ子の昆布のつくだ煮、下段/ふじっ子の煮物・・・ってふじっ子ばっかりじゃん。
すげーなふじっ子、ふじっ子だけで1つの冷蔵棚を独占しとる、とりわけふじっ子フェアでもなかろうに
常時ふじっ子はこれだけの品を取り揃えているのだね、恐れ入りました
それにしても、ふじっ子ってこんなに多種多様な商品を取り扱っていたんのな
ふじっ子つったらふじっ子のお豆さんしか頭になかったけど、はー、そー、このつくだ煮もふじっ子だったのかぁ
俺ももっと頑張らないけんな、暑い暑い言っててもしようがねぇし、部屋にマイクーラーを設置できるような立派な人間にならないかん
今後は俺もふじっ子を見習って「マメ」に生きよう。よし!オチた!オチたのか?オチたよな、オチたので
さっきから繰り返し頭の中を巡る「♪ふじっ〜子の おまーめさんっ」のフレーズを口走りながらくるりと振り返ると
ちょうど脇で買い物をしていたばぁさんに怪訝そうな目で見られた。冷やしマメ男を眺めてた。
ニコニコマートを後にして、小腹も減ったので向いの中華料理屋で400円カツ丼を食う
400円なので肉は薄いが、400円なのにボリュームまんてんでおまけに吸物、小鉢、漬け物まで付いている
これをしゅっと食い、とにかく満たされた胃を撫でながら
時間と体力とあぶく銭1000円を持て余した自分は、そのまま自転車にまたがって荻窪へ行き
図書館へ行き、竹薮へ行き、ダーツショップ、古本屋、公園、スーパー等等行き当たりばったりに巡り
その辻辻でシャシンを撮るなどして結局無駄に休日を過し
世間の同世代は何をしているんだろうか、恋人がいるやつは気色のいいことをしているに違いないけど
恋人も友達もあまり居ない人はなにしているんだろう、少なくとも昼日中から当て所なく街を巡ることはしないだろうな
ト考えると無性に虚しくなって来たので、ビールを2つと枝豆を買って、お家に帰ってこれを飲んだ。
それ以降家を出ていません。日曜日もいっぺん煙草を買いに近所の自動販売機に行っただけで引きこもる
また今週末も誰とも会話していない。誰とも連絡をとっていない。
むしろこのまま心の中の虚しさを、寂しさを、肉欲を、マメに飼いならして大きく育てようと思っています。シック!
「4饅頭には申し訳ないけど」 6月22日

【 拾 】
カレーを食べた後、アイスコーヒーを飲みながら食後のデザートにと
高円寺庚申通りに最近出店された饅頭屋の「拾円饅頭」を頬張りながら合間合間に煙草を吸う
ふはぁ幸福。旨いカレーを食べて、側には好物の饅頭と煙草の陣
それだけじゃなく、カップには微糖コーヒーが注がれ、透明な氷まで浮いている。おまけに明日は休みだ。
鞄から残り数十ページで読了の小説「煙か土か食い物」をひっぱりだし
壁にもたれて続きを読む、食後の一服がうまい、冷えたコーヒーが旨い、しかし饅頭の味がしねぇ
カレーとコーヒーと煙草で味覚が崩れ、饅頭独特の風味やら味わいが全然わからん
ただただ甘いモンを食ってるだけのこの感覚が憎い
俺が饅頭を食う時は、甘味摂取を第1にあげてはおらんで、第1は皮の風味、これに尽きる、俺は饅頭皮の風味を愛している
その風味が味わえんのはホントにいただけん
カレー→コーヒー→煙草までの流れは完璧なのに、饅頭がダメ、饅頭に限ってダメ
わざわざ仕事帰りに遠回りしてまで購入したのに、苦労が泡沫
饅頭が旨いでもって俺のこの週末はおおきなくくりで幸福に輝くはずなのに
饅頭がダメなせいで、全部がなし崩しに崩れてしまった
それと入れ代わるように、露骨に虚しい1人の週末がありありと浮き上がってしまう
額にはじわじわと脂汗が滲む。暑い。蒸す。氷が溶けて虚無。
いっそのこといっぺんお口をリフレッシュさし、しこうして饅頭を頬張ってやろうかしらん?と考えるものの
物語は佳境に入ってるし、四郎はあまり好きじゃないけど作中の看護婦アテネはイイ女だしで
わざわざ立ち上がって、台所まで赴き、蛇口を捻り、水を出し、それを口に含んでゲロゲロやるのは面倒臭いし物語が中断して興が覚めてしまう
しばらく悩んだ末、俺は饅頭よりも物語をとる、と決断する
幸いなことに1粒10円の饅頭はまだまだ残り16粒もある
自分の不勉強さで単なる甘い丸に陥れてしまった先の4饅頭には申し訳ないけど
それはそれ、これはこれ、いい勉強になったということで強制的に納得しようってムーブメント
「何かを得るには同等の何かを犠牲にしなくてはならない」とエルリック兄弟が言ったように
4饅頭を代償に、カレーとコーヒーと煙草同時期に摂取すると饅頭の味がわからなくなるということを知った。
そう思い込むことに賭けた、蒸し暑い部屋で、部屋の片隅で。
自分は阿呆だったのかもしれない、油断していたのかもしれない
しかしホントの阿呆は同じ轍を2度踏む阿呆
俺は金輪際、カレーとコーヒーと煙草と饅頭を同時に摂取しない、と、力強く4饅頭に誓いをたて
再び読書に没頭、読了、うん。うん。
閉じた文庫本を脇に置き、壁にもたれたまま鞄の中から小説「権現の踊子」を引っぱりだし
これを読みながら饅頭を1個頬張る。さっきよりも皮の風味がする。これよこれ。愛してる。
「東京はきっと雨」 6月21日

【 毒々幕々 】
仕事に行かず本を読みたいブーム
仕事に行かず、妖怪絵巻を模写してイラストの腕を上げたいブーム
仕事に行かず、同じくONE PIECE一冊丸ごと複写したいブーム
けど、おいそれと欠勤できないブーム
なぜなら支給された11個の有給休暇を
無計画に使い果たしてしまったフェア
夢の中にあらわれた灰色の体毛の鹿の親子はあの鹿なのでしょうか
灰色だから多分別鹿だろうけど、俺を見つけるや否や興奮して抱き着いてきたドリム
ともあれ金曜日を凌げばまたぞろ連休
休みの合間に人生を送っているような自分にも連休
東京はきっと雨、或いは曇り、もしくは晴れ。興味なし。
「シャシンが好きです」 6月19日

【 むすんでみたり ひらいてみたり 】
空のシャシンばかり撮っている自分の精神状態は果たして正常なのかわからないけれども
自分で言うのもアレですが、否、自分が言ってこそだよなこういう場合は、うん
なんか上手くは言えないけど最近の自分のシャシンは好きです
風景や、花や、空のシャシンばかりで退屈かもしれませんけれども
なんか壁越えの切っ掛けを掴みかけてきた気がするし、薄皮だけど一皮剥けた気でいます
じつと佇んでぼやけた穏やかさの雰囲気が出てきて好きだし
じりじりとシャシンがおもしろくなってきた
なによりも、シャシン日記でシャシンについて書くことも随分ひさしぶりな気持ちがする
シャシンが好きです
面白いし、アバウトだし、繊細だし、何より自分に合っている気がします
俺の大雑把でいい加減な性分も、妙にディティールに凝る性分も、シャシンは掬う
慌てず騒がず丁寧に取り組むことが壁越えの「鍵」だったのな。「鍵」だよな、多分。
といってもまだまだ満足はできないのも本音
風景ばかりじゃ貧乏くさいから、ここはひとつぷぁっと人を撮りたいと身悶えし
つっても撮りたい人がいねぇっつー現実に葛藤し、またぞろ空を撮り、落ち込み
人の形をした孤独がくっきりとアスファルトに写し出され
「創作の糧となる孤独は偉大だ」と嘯きながら
おそらく自分には もう 人並みの幸せは訪れないだろうと確信しつつ
無茶苦茶に風景を切り撮り、己を撮り繕い、過去を影を引きずり回す。
「泡沫の破裂によって激突して破裂」 6月18日

【 あわそら 】
寝て起きて仕事して、寝て起きて仕事して、寝て起きて仕事して
こうこつと収支を増やす反面、支出はこれ、なるべく抑えるがため
お金を遣う外食は止して持参した米とサバの缶詰を喰い
寝て起きて仕事して、寝て起きて仕事して
味気も色気もない週末は人とも会わずに膝を丸める
蒲団を干す、溜まった洗濯物を洗う、室内に飛散した毛髪やホコリを巻取る
一食の単価を抑えるため大量のカレーをこしらえる。
あはは、こりゃダメだ、切腹くらいせんと収まらんぞこの連続日常は
今日生きていて嬉しかったことは、帰宅電車ですぐ座席に座れたこと。
嫌だったことは、週刊少年ジャンプにワンピースの連載がなかったこと。って、ねぇ
1日をとりたててもこれくらいしかないのに
頑張ってても張りがないっつーか、サバ喰ってカネをためるのも虚しいっつーか
なんかこういう色褪せた粒粒の毎日に慣れつつある自分も憎いです。
無数の泡沫は空中の青を背にして音もなく膨れ、音もなく破裂する
膨れる時が1日の始まり、破裂する時は1日の終わり
JR高円寺駅の改札からぞろぞろ溢れ出た自分が、この空を
空中で破裂する無数の泡沫を抱え込む夕暮れ空を見て
俺の泡はきっとアレだと思う、ほら、ね、そうそうに破裂した、1日が終わった。
自分の脇を無言の帰宅人がわらわらと過ぎ去っていく
おそらくあの人達の泡沫も高円寺の空で膨れているはず、もしくは俺周辺で破裂しているかもしらん
自分はケケケと嘘くさく笑って知らねェ人の泡にまみれながら
こういう時こそ虚勢を張らなければ、と意識しつつ、桃太郎寿司の横を胸張って駐輪場まで歩むものの
自分の頭上では、音もなく空の泡沫が東京ドーム58個分くらいまで膨張して、破裂して
その破裂風に飛ばされた自分は、高架下の薄汚いコンクリートに激突していい感じに壁を真っ赤に染める
放射状に飛び散った血液とか、コンクリに突き刺さった骨片とか、ポリバケツにこびりついた脳漿とか
放置自転車のサドルにひっかかりぽたぽたと血を滴らせる自分の臓物とかを
全て画面におさめる感じでシャシンに収めることが出来たら
今日生きていて嬉しかったことは、泡沫の破裂によって激突して破裂した自分ジャシンが撮れたこと、にすげ変わるに違いない
しかしこれは御都合主義のただの妄想
空の泡沫そんなに大きく膨れはしないし、そもそも膨張も破裂もしやしない
空はただただのびのびとだしなく広がるばかりで、初夏の風合いをところどころに散らしている
駐輪場の階段をのぼり、2階に止めておいた自転車を引き取ると
「合コンがしたい。スイカバーを食べたい。靴を履きたくない。小鳥を飼いたい。」って漠然とした欲望を泡泡吐きながら
駅前の坂を蛇行してゆるゆる下った。
「烏天狗を「さん」付けで呼ぶ」 6月17日

【 あじさい 】
カメラに象ベル、カバンに象ベル(大)、三脚に鋳造の天使のキーホルダー
これらをいちいちチャリンチリーンと言わしながら
やや陽も暮れかけて、奥から手前に数羽のカラスが帰郷する
巨大な朱色の鳥居をくぐり石畳の参道を闊歩
その悉くにチリチャリーン、響いて、阿呆に付けた鈴も涼しげ
「やっぱ」と確信する。
それに呼応するように「やっぱっぱ やっぱっぱ やっぱっぱ」と敢て意味のない単語を心の内で連呼して
さも意味がある単語であるかのように振る舞う、取り繕うよう努力する。やっぱっぱ。
「妖怪 八波叭(やっぱっぱ)」
・・・
基本的には動物妖怪の分類に属し、外見はイタチに似ていて複数で行動する。
二足歩行。頭に襤褸布を巻くか、天狗やキツネのお面をかぶっている。
悪戯好きで、ラッパや太鼓、鈴、笛などを無茶苦茶に打鳴らしながら人間の横を駆け抜けて人を驚かす。
寺や神社に出没する。カマイタチと仲良し。烏天狗を「さん」付けで呼ぶ。烏天狗のことを尊敬しているらしい。
・・・
「やっぱっぱ」はそういう妖怪、低級妖怪 八波叭。取り繕ったった。
そして冒頭、「やっぱ」と確信する。
やっぱ神社はいいわ、心があらわれるというか、浄化される気持ちになるわぁ
けど、俺だけかな、いつも神社なり寺に赴くと必ず軽い目眩がします
そして軽く魂をもってかれる感覚を覚えます、大丈夫ですか。判りません。ですよね。勘違いじゃないの?んー。
けど、やっぱ持ってかれる感覚はあるものの身が軽くなるのも確かで
ここに御鎮座ましまし神さんが、俺に蔓延る憑モンを引っこ抜いてくれているのだろう
その作業の余波が俺に降り注ぎ、結果として軽い目眩を引き起こしているんだろうな。と都合良く解釈して
賽銭箱に5円を投げ込み、5円だけに御縁をください!とは敢えて言わず
まずは「今週末も結局誰とも会っていませんし、誰とも会話をしていません。」と報告してから
関東地方に雨を降らせて下さい。お願いします。祈願。一礼。
踵を返してチャリチャリいわせて来た道を戻り、川沿いに延々と展開する緑地公園をぶらぶらしながら
来る7/7に執り行われる高円寺バーベキュー大会の場所を探す。紫陽花が日陰で綺麗に咲いていた。
「新コンテンツ:影響」 6月16日
「タクロウおよびタクロウジャシンが多大な影響を受けたとか受けているとか受けそうな本とか音楽とかゲームとか映像とか。ただ好きなものとか。」
を纏めた新しいコンテンツを作りました
こんな作業はさっさと終わると高をくくって舐めてましたが
案外大変でもう午前4時前です
お暇なら見て下さい、何かしらのきっかけになったら嬉しいです
あと、これら影響を受けたものを見て
「するってーと、これなんかも好きなんじゃないの?」って漫画なり音楽なりを紹介して頂けたら嬉しいです
「骨でオブジェ」 6月15日

【 閉鎖 】
骨を材料にしてなにかしらのシンボルなりオブジェを作りたくなった週末は
ちょうど給料日だってこともあり、ここはひとつ豪勢に肉を喰おうと思い立ちましたが
最近ようやく5回に1回の割り合いで1人で喫茶店入れるようになった高々自分が
1人で焼肉屋にいけるはずもなく、網の上に生畜肉をひろげることもなく
ややうつむき加減で高円寺を歩み、異様なほど白紳士が小さく前習えのポーズをキープしたまま立ち尽くす
ケンタッキーフライドチキンへと赴きました
何ピース食べようかな、やっぱワンピースって響きがいいけど、
さすがにワンピースじゃ少ないのでフォーピースくらいいきましょうかおほほほほ
でもでもでも、ここはあえてワンピースだけにしておいて
ファミリーマートのチキン
フレッシュネスバーガーのチキン
モスバーガーのチキンをそれぞれワンピース買って
お家でゆるりとくつろぎながら、これら買い集めたそれぞれのワンピースチキンを喰うのもありだよなー
こちらのほうがなんか素敵だし、ベストチキンを選定するもよし
方々に点在するワンピースを集めるって悦に入るもよし
チキン野郎にうってつけだな、かなんか思いつつ、やっぱうつむきつつ店内に入ると吃驚チキン
チキンを求める人間がチキンのくせに長蛇の列をなし店内はぱんぱんで
この光景を目の当たりにした自分は、さすがチキン野郎と言うべきか、0.2秒でめげて入った瞬間店を出た
並ぶのは嫌いだし、それに、食い物を得るために並ぶなんて浅ましいことこの上ない
ぶつぶつと嘯きながら、とぼとぼと歩んで風俗街、遠くの空は朱色と青と濃い青のだんだらが入り交じってなんとも言えない夕暮れ色
軽く狂気すら感じるこの空の感じに狂気した自分は、チキンが買えずに行き場を失った自分は
自転車にまたがり、混雑する風俗街を後目にまっすぐまっすぐ夕暮れを追った
ここは建物や電柱で空が狭すぎる、全てを見渡したかった、全てをシャシンに収めたかった
ぐんぐん進んだ、路地裏を、住宅地を、鳥居の横をぐんぐん進んだけど
どこまでいっても邪魔する屋根があり、電柱があり、空は狭いばかりだし
夕暮れは宵の色に変わってしまって、見知らぬ土地で迷いこんでしまって
次第に夏の青色で染まる世間、閉鎖された味気のない公園も青く翻っていて
つくづく1人はいやだなぁと思う反面、妙に自由の本質を意識させられた週末は、骨でオブジェを作れません
「朝のポーズ」 6月12日
然して動いてもいないし、日光も浴びていない
それどころか1日の大半を座して過しているのにも関わらず
日長1日、疲労感と睡魔にわわれるのは何故だろうか
けっこう寝てるし、以前より三食喰ってる、なのに、だのに、かったるくて、眠い
どろどろした、泥炭のような、コールタールのような粘着性のある黒いねばりが体の内にあって
これが活力はじめ気力精力を蛭のように吸い取っているイメージ
いくら寝ても睡眠の充足感は味わえないし
出社して始業1時間も経たぬ内に「疲労、倦怠、睡眠」を訴える、訴えるってかぼそぼそ言う
キーボードを打ちつつ、マウスをくりくり操りながら憂鬱になっていって
しまいには早く帰りたくてしようがない、家に帰ったってやることないし、むしろその時点で1日が終了してしまうような
味気も色気もない日常をお送りして、日々に物足りなさを感じて嘯いているくせして早く帰りたがる
無気力は罪、傍観は悪、諦めは死と、根底では思っているものの
どうしても無気力怠惰が蠢く底の低いほう低いほうへ流れてしまう、落ち込んでしまう
まー 長い人生こういうこともあるさって、何も悟っていないくせに悟ったふうに現状を肯定するのもありじゃないんすか?と
御都合主義の自分が顔を出すので、思いっきりぶん殴っているのですけど
そろそろコブシが痛いので、叩き用の棒っきれをバッタ屋で買うか、薮に入って良い感じのそれを拾ってこようと考えているけど
薮入りする気力もねぇってどうなんすか、ダメだわな。
本日も帰宅後、飯、手淫後、即睡眠
皮脂で顔がべたべたするし、頭皮が痒いのに安眠
無神経甚だしく、サイテーな糞野郎甚だしくも厚顔無恥に惰眠を貪る
早朝に起床して、湯を沸かす
いつもより1時間早い朝日は透明で涼しげだ
全体的にキラキラしていて気持ちよいことこのうえなし
この時間帯が一生続けばいいのにとすら思える
テレビをつけると早朝なのにハイテンションな子供向けの番組が放送されてあって
自分は湯が沸くまでのその間、煙草を吸いながら畳で胡座をかいてこれをみる
朝日が差し込む部屋
テレビからオッハーって叫ぶ子供の声
両腕を突き出してそれに応える俺のポーズ。朝のポーズ。
「買うボーイ炸裂」 6月10日

【 伍番街 】
「牛肉をカウ」
これは「牛肉を買う」の「買う」と「牛」の英語読み「カウ」を掛けた面白いやつです
今気付きました、月曜の深夜にお送りするウィットにとんだジョークです
書いてて恥ずかしくて死にそうです、キーボードを押す指先ごと炸裂すればいいのにとさえ思います
そんなつもりはありませんでした
ただ牛肉と玉葱とマッシュルームを購入してそれでハヤシライスを拵えたっていう
愚にもつかんことを取り合えず書き出してどうにか広げようとした矢先の事故です
出合い頭にばーんです。住宅街の十字路をそろりそろりと車を走らせてばーん、牛車にばーん。
さっきまでおとなしく車を引いてた黒毛和牛が暴れ牛に変貌する
黒光りする皮膚まとい、鼻息荒く角がひづめがアスファルトをえぐる
ああ取り留めがない、どうしようもできない、収集がつかない、文。真骨頂愚の骨頂
奮発して牛肉を買いました、しかも国産黒毛和ギュウ500円
つってもたいしたお肉ではない、だいたいにおいて国産牛といえば黒毛和牛じゃん
個性がないってか、つーといえばかー、和牛と言えば黒毛、記号化している
やっぱさここはひとつ乳牛ホルスタインにいかなきゃ
ホルスタインの肉じゃが、ホルスタインのミルクしゃぶしゃぶ
ホルスタインの乳肉(ミルクいり)を食べてこそ食通なのにだのに自分は食べれてません。
それどころか買ったことも、買い渋った経験すらありません
まだまだです、人としても、カウボーイとしても。
ひときわ目立つくだらない文章、俺の1日がこれか、病んでるなー、病んでるわ。
ともあれ今日も生きています
1人で食べますハヤシライス
お薬には頼りません。悲しみも虚しさも受け入れます。
「初体験」 6月8日

【 壁猫 】
初体験:スカイプでIP電話をする
受話器もマイクもいらず、相手の声がパソコンのスピーカーから聞こえる
パソコンに話し掛ける感じで喋る
手ぶらでしゃべる
シャシン日記のシャシンを作成しながら喋る
ずっと喋っていると相手がパソコンの裏にいるような錯角があって新鮮
作業しながら同じ音楽を聞いたり、ファイルを送受信したり
フォトショップの質疑応答なんかもリアルタイムで行える
なんて便利なんだIP電話
こんなに便利だとは露とも知らなかった
ケータイ電話もなかなか未来品だと思ったけど
IP電話はより未来調
電話代は無料
来てるな未来。来てるわ未来。猫にはわかるまい。
「匍匐五段活用」 6月6日

【 大地独唱 】
毛足の長い芝生に伏して匍匐(ほふく)前進したいです
毛足の長い芝生なもんだから顔も体も草にまぎれます
だから向こうの人から見つからなくて好都合ですけど
それはそっち目線の話であって、こっち目線ですと視界は全て芝、オールグリーン
頬に芝の剣先がちくちく刺さって痛し痒し、こっちもこっちで結構しんどいよ
草間から飛び出した細長い顔のバッタが鼻先を横切る
バッタは生きているよ、それを今気付いたよ、視線を落として這いつくばって気付いた命
虫けらの命、取るにたらんのか、取るにたるのかも判断つかん
ふと自分はどうしてこんなことをしているのだろうか?と考えてしまう
立ち上がって歩き出せばどれだけ楽か、素敵か、その素敵さを別の自分というかこの場合
あちらから見ているでだろう自分が中空で回転する黄金色の梵字を背にしよって切々と唱えていますけれど
匍匐の自分は聞き入れない、ってぇか、認めない、ってぇか、半ば意固地になって両耳を塞いでアウアウ言って会話拒否
どこかでまだまだ匍匐りたいっていう俺のエゴがその考えに賛同しない
だから、そう、ちくちく痒く、草汁がしみ込んだ衣類を纏い
伏して匍匐、じりじりと前進
日本人はいずれ、遅かれ早かれいずれ土に還るのだから
それまでは土の上で心地よく生きこましたいと思うものの
なかなか都合良く且つ効率的に心地よくなれないなぁ
何がそれを停滞させているのだろうか、けっこう人に期待したりしているところとかかいな
それは否めません、心地よく生きる願望の半分を人に委ねている所がある
でも、残りの半分、それすらろくに享受できないのは
非生産的で打算的でかつ利己的な自分のエゴ、匍匐精神がそうしているんだと思う
だからさ立って歩けばいいシーンでも、やっぱ匍匐る。匍匐れ。らりるるれれ匍匐五段活用。
堕落五段活用
虫けらの目線、俺の目線。それに固執。大地独唱。
「無理して3回咳をする」 6月5日
くらくらするうえに歩いているとぐるりと世間が翻る心持ちがする
喉が痛い、腹が痛い、やばい感じの咳も出る
お家には炊いた御飯と卵とニラしかありません
これら具材をいったん頭に取り込んで煮たり焼いたりと駆使するけど
どうしてもチャーハンのイメージしか湧かんのは
そしてそのチャーハンのイメージから逸脱できんのは自分が経験不足な由縁
安定した気候列島の元、体調を崩し風邪を引くのは自分が自分の丈夫さを舐めていた由縁
ああしんどい けっこうしんどい 無理して仕事した結果、悪化、風邪
御飯と卵とニラで何作れってんだよ
チャーハンは病ボディには重すぎる
だからといってお粥なんてねちゃねちゃしたモノは食べたくない
白くてねちゃねちゃした炭水化物を1人部屋で啜る自分、虚しすぎだ
レンゲなんてものは端からないから、金属スプーンでこれを喰うんだろうけど
スプーンに粥の熱が伝導して舌べらを心無しかやけどする、食事中ずっと違和感を感じる
違和感を感じたまま喰うものだから何を喰っているのかもわからなくなるし
長時間ねちゃねちゃやったせいで疲労を覚え、おっ捨てる神あれば拾う神あるつって
その疲労に乗じて睡眠に励むが、思いのほか舌べらの火傷は重症で
口の中をもごもごやっているとそればかり気になって眠れやしねーし
ほったらかした食卓の茶碗も気になるし、明日は燃えるゴミの日なのにゴミをまとめていないことも気掛かりだ
でも寝なければならない、全てを中途のままにしても寝なければ治らない、と焦れば焦るほど眠れず
蒲団で悶々としていると、ゆくゆくは空が青白んできて、どこそこからチヨチヨって小鳥のさえずり
眩しくて眠れない、チヨチヨ気になって眠れない
ようやく眠り落ち 目がさめると午前9時30分、就業の刻、時刻
それを目の当たりにした自分はあははと力なく笑って、一瞬で全てを諦める
有休を使い果たしてしまっているから本日休んでも一銭にもならんこととか
燃えるゴミを出せなかったこと、茶碗の粥がかちかちになっていることとかそういうんのを全て諦め
無言のままお蒲団に潜り込み、これは療養、だって俺風邪引いているもん、って
行き先のない自己肯定を考えながら、蒲団の中で無理して3回咳をする。
という羽目に陥るので粥はよして、卵かけ御飯でも拵えてちゃっと喰ってちゃっと寝ます