「オフ会なんてするもんじゃないと思った」 9月1日-2日

【 買い出し 】
オフ会なんてするもんじゃないと思った
ましてや自宅で開くものじゃないと思った
1人帰り、2人帰り、最後は10人全員帰ってしまった自室に自分は1人だけになっていて
昨夜のあのドンチャン騒ぎが幻のように思えて空しいのだ
壁にしみ込んだ笑い声はとうに消え
1人の部屋は静寂が耳をつんざく
まだまだいっぱい話したいことはあるし
もっともっとあなたのことを知りたかった
時間は残酷だ、楽しい時こそ残酷だ、あっという間に過ぎてしまった。
ビニル製の透明カップに並々と注がれた日本酒を水のようにくぴくぴ飲み
合間合間の記憶をすっとばしながらべらべら喋ってゲラゲラ笑う
始めてお会いする人なのにすぐ打ち解けられるし
一見共通点のない10人でも「タクジャ好き」というひとつの紐で結ばれている
その引っ掛かりしかないけど、それだけで仲良くなれる雰囲気
そして、やっぱ、タクジャ観てくれる人に会うたび思うことだけど
みんな「優しい」と改めて実感した。見守られている感じがする。
何年間も毎日タクジャを観続けてますと口々に謂れ
日常会話のレベルでタクジャが語られているという話を聞いて、自分は衝撃を受けた
タクロウジャシンが生活の一部であるのは俺だけだと思ってた
しかし他にもいたんだ、考えもしなかったことだ
毎日更新を愉しみにして観てくれる人にとっても
俺と同様タクジャが生活の一部になっているたのだ
よくさ、シャシンで飯を食う、とか、うだつをあげる、とか言ってけど
それはそれでとても大事なことだけど
見ず知らずの人の生活に溶け込んでいるものを作っていることは
「シャシンで飯を食う」なんて霞んで見えるくらい素晴らしいよな、報われた。
作品を作る人にとっての幸せは「他人に自分の作品を愛してもらう」ことに尽きる
しかし、その当たり前が、長い時間の上で捩じれて途切れてで知らぬまに忘れてしまっていた
俺、作家としての軸がぶれてんだよ
だから目先の利益に踊らされ漠然と「シャシンで飯を食う」なんて嘯く
シャシンで飯が食えなくとも、人に愛され、生活に溶け込む力のある作品は作り続けるほうが大儀
案外そういった気概がうだつをあげるのかもしらんし・・
なんて、結構真面目に考えてます
小汚い台所の床で倒れこむように眠りながら考えていました。
ともかく、初めてのタクジャオフは大成功でした
二の足を踏んだ人はやっぱくれば良かったと思います
16時に集合して、元気(現金)をだしあって買い出しをし、気絶するまで飲んだ
翌日は高円寺を散歩して、小町でジャンプ買って、二日酔いで呆っとしながらお茶をした
とても楽しかったです
マガラ・カレ・カノ・ユカコ・オグリ・サディ・アニ・ケイ・ケイコ・リオ(合流した順)
ほんとうにありがとう
また会うよ
了
「楽しみ半分/不安半分」 8月31日

【 ビホーアフタ 】
永らく続く、終わりの見えないやもめ暮らしが定着したせいで
「愛ってなんですか?」と真顔で人に訊けるくらいまで心身とも荒み
そういった荒れブレは生活環境にまで侵食の触手を伸ばしてデフォルトで散らかった左の部屋、自分の部屋
普段なら別段散らかっていても気にも止めないし
むしろもっとむちゃくちゃに散らかしたろかしらん?いっそのこと。ってって
全ての畳を剥いで、積み木のようにこれを組み換え再構築して小屋を作る
部屋のなかに畳み小屋、部屋のなかの畳み小屋、日本の住宅事情へのアンチテーゼ!天使のテーゼ!
明日からエヴァ新劇場版公開かぁ、観る、うむ、イイ感じに荒れブレ荒ぶれ
しかるに、そうやって荒れぶれこましていい気になってたんじゃ出世は芳しくなく
だから依然としてうだつの上がらぬ糞虫のエサ野郎であって
ほとほと自分はダメだなぁと深ぁく反省はするものの
喉が乾いたからといって深夜のコンビニエンスなぞへ出かけて
目の前の問題をうやむやにしてレジスターで百円を支払います。お菓子を食べたいけど太るので我慢しました。
気持ち良いほど話が脱線して満足感を得るのも束の間
このまま脳味噌の反射で文字を打ち続けていたらキリがないので話を本筋にもどすよ、いい?
やっぱいい匂いのする女性が好きです、と漠然と思う昨日
歴代のいい匂いのする女性を思い浮かべてはたと気付いた事実は
好きになった人は皆いい匂いがする、否、イイ匂いがする人を好きになっていたのだ
現にいい匂いを醸す人に対し、無意識で好意的に接している
おほほう、全然気付かなかったよ自分のフェチズム
おっぱいフェチとギターフェチ(エレキギター似合う女性の意)の間に新しく追加だな匂いフェチ、よし! 話を戻そう!
明日はタクロウジャシンおそらく最初で最後のオフ会in俺の家があって
さっすがに件のやさぐれハウスには人を招き入れられんなと思い立ち
散乱した毛髪を巻取り、畳を水拭き、本を棚に戻し
雑多なものを捨てたり、エロスを隠したり、ヤニでべとつくフィギュアを洗ったりして
ニ時間かけてようやく人を招き入れられるレヴェルまで昇華させた右の部屋
かなり綺麗になりました、少なくとも画面におさまっている範囲は綺麗です
後は明日を待つだけです
脱線せず、荒れず、ぶれず、全体の心地よいグルーブ感を第一に考えて愉しく飲めるよう努めます
楽しみ半分/不安半分
「優しく蒲団をかけてあげる」 8月28日
屈辱チンジャオを食して以降、ろくすっぽ肉らしい肉を口にしていない事実からして憎らしく
そういう体たらくだから生活に力がはいらない
気がつけばぼそぼそと口を窄めて、つるつるちゅるちゅる、やれ蕎麦だの、饂飩だの愚鈍だのを啜り
活力の源である牛肉、豚肉、鳥肉、肝臓、心臓、腎臓、大腸、小腸、ホルモンの摂取をおろそかにしたせいで
動物のエネルギー、肉片に宿った魂を摂取してねぇから
活力が湧かず、終止眠く、だるく、むなしく、無気力、集中力低下
ぽかりと口を空けて鈍色のお外を眺めては急に悲しいことを思いだして空しくなって切なくなって
鈍色のお空に鈍色の性欲まき散らす日々、ヒビ
なんとも如何ともしがたい現状
ようやっと涼しくなってきたってのにこんな体たらくじゃ
やがて来る読書・芸術・恋・夜長のシーズン「秋」を快活に生きられぬ
直ぐにでも活力をスタミナを取り込まなければ、と、手負いの犬の目で町を見回し帰宅途中
某弁当屋の前で「ハンバーグキャンペーン中につき割安」と掲げたのぼりが目につき
こいつぁいい、渡りに船だ!って、って、実際は「渡りに船じゃん」なんて意識してないけど
文章表現の便宜上こいつぁいい、渡りに船だ!って弁当屋へ踏み込んで
ハンバーグ括弧おかずのみを購入、家でこれを食う、けど、足りん
確かに肉だしとても美味なんですけど、全然足りん、量もそうだけど魂もそう
やっぱ挽き肉じゃダメなのかしら、砕いたお肉には動物魂の乗りも悪いみたい
もっとがっつり食わなければならん、それも牛! 今さら豚だの鶏だの食っても足りません
ちゃんと計画を立ててミンチじゃない牛肉を食べなければならんのだが
そうすっと焼肉とかになっちゃうでしょ?
でもでもでも、1人で焼肉店に行くなんて、さすがに不可能
ってなるとだよ、んー あとは、ステーキ屋? それも難易度高いなー
実のところ、1人でステーキ屋にいこうとしたけど無理だったしね
イメージトレーニングを3ヵ月続けて後、ようやく入れると思うけど、3ヵ月後は秋終わってる
どちらにせよ、先週初めて「1人でマクドナルド店でバーガーを食うを克服」した自分には
(※注意 マックだって「もう一回いって来い!」つわれても、相当調子が良い時じゃないとダメ)
現状、焼肉・ステーキ店鋪に1人で踏み込むことはむりなので
発想を変えて家でステーキって手もあるけど、なんか大袈裟じゃん?
べつに御目出度い日でもなんでもないし、ねぇ?
御目出度い日=ステーキって発想もアレですけど、んー、とりあえず家ステーキ案はペンディング。
お家で1人焼肉もペンディング。なぜなら空しくなるから。
「おいおいおい、さっきから牛肉ぐらいでなんだい! みっともない!
1人で行けないんなら誰か誘って焼肉でもステーキでも食いにいけばいいじゃん」
と俺のなかの現実担当が哀れんだ目で提言するけど
「その誰かにあてはまる人々は皆仕事が忙しいし、それに、携帯が梅没して以来連絡先もわかんねぇんだよ」と聞く耳持たず
「もういいよ、ほっといてくれよ、俺は、、くそう、寝てやる!」と捨て台詞を吐き
すたすたと部屋の端にまで移動して、ごろりと寝転ぶとうつ伏せのまま
『畜生こうなった牛肉を食べる夢を見てやる!』
『昨日は超でかい卵焼きを食べた夢を見たんだから、がんばれば牛肉だって夢じゃない!』
なんて、夢に夢を重ねるなんか凄い宣言を喚き散らしたあと
興奮して疲れたのだろう、5分も経たんうちにすやすや眠った。
風邪をひくと事なので、優しく蒲団をかけてあげる。
襖をしめて、隣の部屋で、小さい音でテレビを見る。
「トリプルバードスキン」 8月26日

【 旧世界 】
うん、なかなかエヴァっぽい
真心を君にの時の、シンジの心の世界っぽい、気持ち悪い
・・・
今週末、奇しくもタクジャオフ開催日にエヴァ新劇場版封切り
新しいキャラがでるよ、新しいエヴァがでるよ、カヲルは初っ端から登場するらしいよ、結末は大団円らしいよ・・・
など各方面からいろいろな噂を聞く度に、様々な憶測を膨らませ胸を踊らせる一方
極個人的には10年前の劇場版よりももっと救いようのないくらい陰鬱で理解不能な内容であってほしいと願う
正直、大団円なんていらん、納得のいく結末もいらん
俺は純粋無垢な庵野さんの脳髄を垣間見たいんです
まぁ お金を払っている手前、納得いかなかったり面白くなかったら腹をたてるかもしらんけど
なんでもかんでも起承転結を求めるのはやっぱエゴだと思う
起承転結がしっかりと定まった作品が世に多く存在することがむしろ不可解にすら思える
もっとぐずぐずで見る人の希望や願望を裏切りまくる作品があってもいい
ハッピーエンドをスクリーンに期待するのはなんか変だ
ハッピーエンドで物語が終わらなかったから腹をたてるのはもっと変だ
好きな女性にいっぱいプレゼントを送ったけど恋人になれなくて腹を立てているみたい。
そこまで言うと、ちょっと極論過ぎるけど
やっぱエヴァにはむちゃくちゃして欲しいです
これだけ一生懸命になれて、かつ、衝撃的で不可解な結末を贈れる作品はおそらくもう出会えない気がする
だからこそ納得のいく結末はいらん、それよりも衝撃が欲しい
10年前の劇場版のラストシーンはそら衝撃的だった
なんじゃこりゃ 意味わからん 終わりですか?と巨大な「?」を頭からにょっきり生やして
高校生の自分は呆然とスクリーンをみて固まっていた
がしかし、理解できぬ脳とは裏腹にラストシーンに体は鳥肌をびっしりとたたせ
「これで終わり」という事実に鳥肌をたたせ
「これで終わりにさせる」という制作者の意図にまた鳥肌をたたせていたトリプルバードスキン
納得いく結末はいらん
もう一度そんな衝撃を味わいたい
めちゃくちゃに終わって欲しい
納得いく結末もいらん(エゴ)
もう一度そんな衝撃を味わいたい(エゴ)
めちゃくちゃに終わって欲しい(エゴ)
誰もが納得する結末だったら、俺は1人腹をたててやる!
「梅没後」 8月25日

【 新旧 】
「というわけで梅干しの汁に漬かってケイタイが壊れてしまいました」と言い終えると
ケイタイ屋の姉ちゃんは爆笑
「水没はよく聞くけど、梅干しの汁って、あはは、始めて聞いたわ」とケラケラ笑い
その様をはたでみて「よし。」と呟いて
昇華した。梅没のケイタイは報われた、弔えた。と満足いった自分は
気にいる形がない夏モデルのAUケイタイから「丸み」「スライド式」の二点を称えて
ソニエリのミュージックケイタイを購入、ミュージックなんぞ聴く気もないがこれを購入
溜まりに溜まったポイントで支払って
あっという間に新型を手にして気分すら一新した心持ち
ぱかぱかとスライドさせながら阿佐ヶ谷の商店街を南下していく。夏の日。
しかし、そうやって梅没した旧携帯電話は梅の力逞しく電源すら入らなくなってしまい
電源が入らないってことは旧から新へアドレスデータの以降も叶わず
新しい携帯電話には人生をリセットしたかのように
または、煩わしい人間関係を振り払って独り東北の僻地にある温泉宿で下男として働く世捨て人のように
友人知人親族のアドレスが虚無、非常にむなしい
そもそも電話なんて滅多にかかってこないし、用件があったってミクシやPCメールで充分
だから電話番号を知らなくとも生きていけるし死活問題じゃないので、それほど気を止むことはないけれど
なんつーか、こう、綺麗さっぱり電話帳データがないってのは空しく
油断すると、自分にはほんとにお友達がいないのではないだろうか
誰も自分を好きではない
存在が希薄
透明人間
いっそのこと携帯電話を神田川へ投げ捨てて今の生活を振払って東北へ逃げよう
なんて憂鬱妄想まで発展
ふはぁ 俺も現代人だなとつくづく感じた
ともかく誰か1人の番号さえわかれば、そこから芋づる式にどうにかなる
家に帰ったら方々にメールを出すとして、まずはジャンプを買おう
気分を入れ替え、日曜なのにジャンプが売ってる行きつけの酒屋へ行くと
酒屋の前に見覚えのある筋肉メガネがいるので「おー ジャンプ?」ってきくと
「先輩なにしてんすか?こんなところで。」
「ジャンプだよ」
「ひさしぶりっすねー」
「ジャンプ買ったの?」
と久々にマガラにあった。
ちょうど良くメガネ後輩にあったので、さっそく電話番号を教えてもらう
皆無だった電話帳に後輩の名前が登録された
そして気付いた、登録第一号が男、それも後輩
しかも「このまえ駅前で先輩のこと見かけたけど死んだ魚の目をしてたから声をかけるのを辞めました」
なんて言うメガネ野郎が携帯処女を奪っていきやがり
すこし最低な気持ちになった
夕刻メール受信
新携帯で初メール受信
うお 誰だ誰だといろめきたち見てみると父親で
それだけでもかなり残念だけど
内容を読んだら脱力した
「昨晩、母さんが駅前で60代のじいさんにナンパされた。暗がりだったから勘違いされた模様。」ってエピソード。
脱力したまま父のアドレスを登録。
「梅没」 8月24日

【 黒潮 】
親類だの、幼馴染み家族だの、かつて同じアパートメントに住まっていた面々が
高円寺パル商店街後方に位置する居酒屋「黒潮」に集って酒を飲む、いわゆる酒宴
俺も凡面を下げてしゃらしゃらと交わってすきっ腹に冷めた揚げ物やビールを流し込み
ああ阿波踊り、俺も阿波踊りたい、って、毎年のように考える
世間からは景気の良い太鼓の音音がドンシャンドンシャン鳴り響いてあって
それを聞くと、こう、体が疼くというか、血が滾るというか、気分が高まり
抑えきれぬこの感情の行き先を酒にむけて
佐々木さんが拵えた異常に濃い焼酎緑茶割りをくぴくぴ召し上がるうち
よりいっそう血は滾り、巡り、祭り!みてぇな有り難い気持ちになる
ほどなく酔う、呂律が怪しい、目が着座
両親から来週のタクジャオフ用にと芋焼酎を二瓶頂く、ついでに梅干しと海苔を頂き
げっつく重いこれらをカバンに詰め込んで、いつまでも安全なところで酒を飲んでいてもしゃぁない
俺は出んぞ、世間!つって、アデューつって居酒屋黒潮を後に
狂乱渦巻く熱気と祭り囃子に満ちた高円寺の町へ降り
そぞろにシャシンを撮るなどしていたが、妙に赴きに欠けると感じた自分は
ここはひとつ友を探しに行こうと思いたって
花が所属する「写楽連」チャカが所属する「飛鳥連」を探しに
何十万人もの人出で雑踏昏倒陶酔極めるこの町をかき分けて
開始からおよそ一時間経過したので、写楽はだいたいこの辺にいるだろうとプログラム眺め推測し
地元の人間じゃしらない裏道を駆使して散策、到着、写楽ゲット
花ジャシンを撮ってばーいつって飛鳥を目指し
地元の人間じゃしらない裏道を駆使して散策、到着、飛鳥ゲット
チャカジャシンを撮って、ハルとミチが居るって情報をえたのでばーいつってハルミチを目指し
その途中、イチゴんとこでベーロのがちゃがちゃを廻し
七つ森でハルとミチとロシア人キリオと合流して、阿波踊りを眺めて、東高円寺のいつものお店で酒を飲んで、やっぱへべれけになって。
何時ころに家に着いたのかも覚えていないが
目を覚ますとちゃんとお家のお蒲団の上にいた
体のふしぶしが痛いけど、なかなか愉しい阿波踊りだった
昨年は家に引きこもってたけど、やはり人に会うことは素晴らしいよ
起き抜けの頭でそんなことを考え、お茶を一口に飲み終えて
ここはひとつ昨晩のお礼メールを方々に送ろうと思い立ち
ぶつぶつ携帯電話携帯電話つぶやきながらカバンを漁る
そいや芋焼酎貰ってたんだと思いだしてこれを取り出す、割れていなくて安心
あと海苔と梅干しも同じように取り出す
手が赤い汁でびちゃびちゃになる
はて?なんじゃこの赤い汁は?
思いも寄らない赤汁に虚をつかれ、とにかく汁の正体を暴こうと匂いを嗅いでみると酸っぱい
よくよく見ると梅干しが入ってあった白いビニール袋が赤くべちゃべちゃになってあって
ああんなる この汁は梅干しの汁ね。と。正体をつかんで安堵したのも束の間
カバンの奥から携帯電話を取り出すと
橙色の電話も赤く染まりびしょびしょに汚染されてあって
電源キーを強く長押ししても電源が入らない
電池パックを拭いても、端子を拭いても電源が入らない、充電しても無理
ジジジジジジジ・・・ジジジ・・
梅干し汁に漬かった僕の携帯電話はうんともすんともいわなくなってしまった
呆然と黒い画面を眺める、窓の外から時折蝉の声
なんて説明すればいいんだ?
水没して壊れてしまいました、か
梅没して壊れてしまったなんて恥ずかしくて到底いえやしない。処暑。
「こっち、そう、死なないほう」 8月22日

【 あわ踊ろ 】
天から黄金に煌めく観音が牛車に乗って従者と共に千代田区へ降臨
俺が働くビルの窓を外側からコツコツと叩き
観音が身ぶり手ぶりで俺に向けて何かを伝えようとしているけど
黄金に煌めい眩しくて直視できないし、何がなんだかさっぱりわからねぇ
一向にジェスチャーをやめん笑顔の観音とは裏腹に、至極現実的な自分は
それなりの努力はしたけどわからんもんはわからんので「わからん」と大きな声で言うがしかし
あたりまえにその言葉も向こうには届かず、なんか気持ちがくさくさしてきて思わずじれってぇな畜生めと憎まれ口をたたき
イライラしながらガラス越しの観音を見るけど、笑顔でまだジェスる観音
この一連の時間軸のなかで唯一わかるジェスチャーは、つっても、小さく前ならえをし、その形のまま伸ばした両掌を体の側面に置くっていう
「・・・は、置いといて・・」しかなく
そんな言葉のブリッヂを解したとて何を置いたのかも、何の為に置いたのかも見当つかんのじゃ意味がない
それでも観音は、眉間に皺を寄せ、小首をかしげている俺の表情も気にせず
持ち前の根気と、持ち前の黄金っぷりで昼の燦々と降り注ぐ陽光をびっかびっかに乱反射させながら
必死に身ぶり手ぶりでなんかやってる、しとどの汗、世間は暑いのね、汗で腋がびっちょびちょじゃないっすか
なんだかとてもいたたまれない気持ちになって心が暗くなってゆく
はいはいは、・・・は、置いといて・・ね、そこはわかっけど、そこしかわからん
独り言のように呟く俺、と、阿呆みたいに笑う観音
そんなやり取りが7分も続き
くわぁ これじゃ一向に埒があかん、いっそのことブラインドを閉じてしまおうかと意地悪な考えが頭を過る
そんななか、今まで微動だにしていなかったすまし顔の従者と思わしき1人の男がスーと観音の横に立つと
オレンジ色の着物の袂から半紙を二枚スーっと取り出し
右手に一枚、左手に一枚それぞれ持ち、万歳を中途半端で止めた格好のまま硬直
はて? なんじゃらほい?と虚をつかれた自分はブラインドを操る紐から手をはなし
従者がもつ半紙を交互にみつめていると、どういうカラクリか、奇妙なことに文字がじわーっと浮かび上がって来た
右のそれには「眠なくとも死なない体」と文字が浮かび
左のそれには「どんな女性とも一瞬で付き合える能力」のどちらが欲しい?と文字が浮かんでいた
ははん さっきから観音はこれを伝えたかったのね
ようやく溜飲が下がって、ふと観音の顔を見る
「その手があったか!」という驚嘆
「そういう手段があるのなら先に教えてくれてもいいじゃん」という拗ねた感情
「ってか、あえて私を踊らせたでしょ?」猜疑心
「長いこと踊らせて後ろで嘲笑してたでしょアンタ達ぃ」猜疑心弐
「キィー口惜しい どうしてくれよう どうしてくれよう」って怒りの感情が複雑に混じりあった顔、そんな顔。
なかなか人間くささがおありですね
俺はちょっと、いや、かなり観音が好きになった。
んじゃさくさくっと「眠なくとも死なない体」を授けてもらおうと思い
右の半紙を指差し「じゃアイスコーヒーで」と同じトーンで「こっち、そう、死なないほうでお願いしまーす」つって、慌てて手を払った
というのも惜しいからである、やはり「どんな女性とも一瞬で付き合える能力」が惜しいのである
やはり男と生まれた手前、モテたいし、こましたい、いい女とよろしくおねがいしたく思うのは当たり前の感情で
そうなりたい一心でけっこう頑張って来たけど、思い通りにいった試しなど27年の人生でほぼ皆無
それどころか甘美を舐めたいのにも拘らず、どういうわけか気がつけばいつも辛酸を舐めている
恋愛とはかくも険しい獣道茨道で、命を落とす御仁だっていると聞き知る
しかーし、だいの男が命を落とすその道も、この能力があれば翼を得たのと同じ
獣にびびる必要も、イバラで身を傷つけることもなく、直線距離でハートをいただける
しかも「どんな女性でもOK」と来た!こいつはすげぇ!ライス国務長官を妾にすることだって夢じゃない!そんな夢はない!
やっぱそうすっと「どんな女性とも一瞬で付き合える能力」かなぁー
でも、んー「眠なくとも死なない体」も捨てがたいよ、だって寝なくていいんだぜ
人は一生の三分の一を睡眠に費やすという
でもこの体があれば三分の一も謳歌することもできんじゃん人生を!
それに「朝眠い」こともなくなるし、「もっと寝たい、こんなことじゃ夜更かししなきゃよかった」なんてな反省を朝一からしなくても済む、清清。
空いた三分の一の時間を有効に活用すれば、例えば仕事すれば得る金は増えるし
読書で知識教養を得たり、シャシン撮ったり、日記書いたり・・・と、羅列すると派手さに欠け、スケールは小さいけど
その恩恵ははかりしれんものがある、地味にすごいよ、やっぱ。
枕もいらない、蒲団もいらない、寝室だっていらん、それはたいしてすごくない。
くわぁ迷うなぁ
確かにモテる体は凄いよ、反面、恋愛のあのもどかしさがなくなるのも惜しい
それよりも恐ろしいのは、モテる体になると性格の嫌なやつに成り下がってしまいそう
眠らない体には夢と希望がある、反面、眠る快楽を失うのは惜しい
しかし、眠らないことで精神が狂ってしまうような気がする
んん、んん、どうしよう、どっちも捨てがたいし、どちらもいらんのかもしれん
苦労せずモテてもおもんないしなぁ、恋愛を通しての成長は頭打ちだ
簡単に願いがかなうつまらなさ、けど、そういう能力を呉れるっつーわけだから、もらっとく?
んー あー わからんちん
つーかやっぱおかしいよ、そんなありがてぇ能力をノンリスクで呉れるとか常識的に考えてもありえん
普通は、例えばリスクとして、あの祠から聖なる首飾りをとって来い、怪物がいっぱいいるから死ぬかもしらんけど
首飾りをとって来たあかつきには能力をさずけよう、ってなるよね
だのに俺は傷んだ貝を食えだの、祠にいけだの言われん、納得できん、掛け合ってみるか?
能力を頂く条件として俺は傷んだ貝を食べます、そちらがこの条件を飲まんのなら俺は能力などいらん
いや、待てよ、そもそもこの能力にリスクとノンリスクが介在しているのか
って、あはは、介在してるね、モテるけど性格が破たんする、と、眠らなくていいけど精神が狂うってさっき気付いたじゃない
はー そういうことか、さすが観音、って観音めっちゃこっち見てるやん
めっちゃ迷ってる俺を見て嗤っていやがる、何?・・は、置いといてぇ・・じゃねぇよ!
げっつ はっらたっつー
汗びしょりのくせに、って、うわっ今気付いた!
観音って女だ、モテる能力頂いたら観音も落とせるってこと? 女神と付き合えるのか!? すげー!
このままいくとライス&観音じゃねぇか、どういう人選だよ!俺。 冷静になれ。
冷静になって良く考えろ、リコールはきくのだろうか、うわうわどうしよう
まじでどっちにしよう、全然眠れん、暑くて眠られん、蒲団に接した背中が汗で気持ち悪い
って ぐわっ もう午前4時!? 外は青白い 新聞を配るスクーターのブロロロロ
なんか気ばっか焦ってよりいっそう眠れない負のスパイラル
最悪だよ、あと3時間後には起きなならんってのに全然眠れないよ
やるもんじゃない、眠れないからって究極の選択なんてやるもんじゃねぇ
こんな寝不足では仕事にならん、眠る必要がある体が憎ましい
じゃぁいっそのこと眠らない体で。それでいいや。
それが無理なら今眠らせて、もしくは部屋を涼しくしてください、お願いします。
「恋のひとつも患っておらぬ」 8月21日

【 ひぐらし 】
夕刻6時45分 JR高円寺駅下車
ぬはははは、昨日も、先週も毎日この時間に高円寺に着いている
ダイヤに忠実 ビバJR東日本
毎日同じ ビバトレース糞人生、昨日も今日も同じぢゃねいか
そんな軽い憂鬱とは裏腹に、ホーム内を満たすは景気よい祭り囃子
♪チャンチャチャンカ♪チャンチャチャンカって
小気味よい阿波踊り囃子のチャイムが鳴り響き
朝な夕なこの脳天気な音を聞く度に軽く心救われ
頑張って踊る阿呆に徹しようと拳を握りしめ誓って歩きだすのです
取り合えずエスカレーターに向かって歩き出すのです
奇矯な出で立ちの婦女子、電気ギターを担ぐ尖った毛髪のパンク男
動物の骨で拵えたアクセサリを身につけ麻地の服を纏ったインド風情のカップルにまみれて
エスカに向かう自分はカメラに手ぬぐいをぶるさげて、己毛髪切りで左右不対象であるかぶりを振りながら
プラットフォームからのぞむ西の空をぼんやり眺めてああん、とか、おお、とか言う
ちょっと日暮れが早くなってきとる
先週まではもちっと明るかったのに
日々暑い暑い、延々と夏が続くような不安を抱いてたが
俺のあずかり知らぬ所で地球はくりくりと太陽のまわりを巡って
そうしたおかげで、ほら、日が短くなってきとるのだね、くふふ
このまま暮れ暮れに暮れて草々に暮れてしまえば
残暑、熱帯夜、蒸籠小屋での屈辱の日々が終わるのだと思うと嬉しくてたまらない
はよ秋が来て、冬よ来い、なんてな希望を抱きつつエスカレーターに乗り
真横の女性の立派な胸の膨らみに胸を膨らませる
物凄くおっぱいが大きい、素晴らしいと思う
不意に夏が終わる現実を直視する、さっきまでおっぱいだったのに急に現実だもの高純度の不意
ナツガオワル ナツガオワル ナツメナナガオワル ナツメナナハオワラナイ ナツメハイイオッパイダモノオワラセヤシナイ
ナツガオワル 夏が終わる
写し絵の毎日じゃないか
俺は何も残せていない
暑いことは言い訳にならない
海も花火も見ていないし、恋のひとつも患っておらぬ
なんてな内容の文言群が一斉に白い帯状となってくりくりと俺を中心に回転
うおっ 俺太陽じゃんって一瞬悦ったが、案ずるに太陽じゃない、衛星が夏の自虐文である太陽なんてない
どちらかっつーと自分発泥沼行きの不満や不安に満ち満た満月あるいわ意欲や行動力の欠けた三日月が
紺色の東の夏空にぴたりと張り付いている、自分は自転車に乗ってそれを見ていた。暑い。
「意地悪観音の掌」 8月19日

【 思索 】
金曜職場の飲み会で泡盛をしこたま呑み
翌日は高円寺で呑み
来週は阿波踊りを眺めつつ父兄と呑み
再来週はタクジャオフでしとどになるまで痛飲するなんとも酒浸りな3週
けらけらと笑いつつ、酒を呑んで、理性を麻痺させ
喉の奥から発した声の振動が同時に頭蓋骨を震えさすあの感じが好きな自分には
至極悦楽な週が続きなんとも嬉しくて愉しくてしようがない
あれもこれも秘密裏に遂行してきた「人に会うブーム」の賜物だ
自ら率先して人に会おうという気概が、この暑苦しい日本の空気に含まれる窒素を解して
全国各地の各々様方々へ伝搬したのだと確信し
以降も増長せず奢らず昂らず「人に会うブーム」の火を灯し続けたいと想っている所存です。かしこ。
といったぁ風情に酒ばかりを呑み
ここ数日、食生活、シャシン、文章、性欲がお座なりになっているのも現実
それどころか、気がつけば何週間も漫画喫茶へ足を運んでいないこの体たらく
中野まんだらけでアニメコミックフィギュアを漁っていないクソ体たらく
ちゃんとやることやっていないのにだらしなく酒を啜ってばかりじゃ立派な人間になれぬ、と、
絶望しかかった自分は、携帯電話ショップにて、当面の問題、
つまるとこのキャリアウーマンが持つ携帯電話を購入するか
小学生が持つジュニア携帯を購入するかという決断を投げ捨て
シャシンを撮らせてもらおうと刑さんに電話したが
もっと掘り下げようぜ、煮詰めようぜ、会議しようぜ、ということに話が転がった結果
自分は新宿区に向かいました
とりあえず闇雲に自転車を駆り、おおよその雰囲気で高円寺から新宿区を目指して邁進していると
ほんと不思議なことに、目指してもいないのに、見たくもないのに
結婚式を挙げるはずだった式場に辿りつき、慌てて急ターンして逃げるように邁進すると
ずっと前につき合ってた彼女と最後に会った場所に着き
また逃げるように走っていくと今度はバータンとボッタックリにあった日の思い出の地に着き・・・と
いちいちスネの傷残る聖域に足をつっこんでゆき
負の思い出が誘発してぼんぼんぼんと小気味良く3連爆破
なんなんだこれ、なんなんだこの地、なんなんだ俺、夏
ここまで追い詰める必要はあるのですか、畜生め、しかぁし負けん
べしょべしょに汗をかきながら、結婚式のアレが一番つらいと感じつつ
意地悪観音の掌で弄ばれているような感覚に陥りながらも、這々のていで約束の店に到着
タクジャ会議と言うか、シャシン会議?
まぁ便宜上タクジャ会議セカンドインパクトと題して新宿区の喫茶店でそれは始まり
まずはジャブ程度にエヴァの話、絶望先生および絶望OPの格好よさ、
尾玉作品、実写版ジャガー、アニメ全般の話を経て本題
持参したノートに給仕から借りたペンでメモやイラスト、案を書きしたため
けっこう本格的にシャシンの話を詰めて、指針をえた。
帰路は細心の注意を払って安全な道を選んで帰ったった。