「見やれ!あれが天道だ!」 12月30日

【 東京 】
元旦の東京上空は、大型の低気圧の影響で大寒波、切々と寒いという
反面、低気圧は快晴をもたらし、東京の初日の出事情は至極良好
初日の出参拝にはもってこいのロケーションだという。
唯一心残りであった天候も問題ナシ
それを知り晦日にかける熱い思いは一気に加速する
今回はなんとしてでも初日を拝みたい
東の空から恍惚と昇る太陽を浴びて、初めて自分は誕生する
拝まなければ来年も今年のまま色々な念いを引きずってしまいそうだ
断ち切るのだ! 決別するのだ! ピリオドを打つのだ!
結婚式潰れたり離婚したり心労が重なった苦く酸っぱい苦虫テイストのこの三年間に終止符を打つのだ!
ザ・初日の出登山のため、防寒着として股引と灰色フリースを買う
どうしても御山で焼酎お湯割りを飲みたいので、意を決して携帯用ガスコンロを買う
あと、お菓子とか酒とか買う。ぬかりなし。
12月30日 現在 切々と寒い
山はもっとずっと寒い
長めの手ぬぐいでほっかむりをし、靴下を2枚履き、カップとカメラ、三脚をぶらさげて
高円寺の連中と、俺は行くよ、山を!
そして山中の社で「無事に下山出来るよう」祈願してきます!
見やれ!あれが天道だ!
「あやしかりける」 12月28日

【 家紙油 】
デスクの裏に落っこちてたやつや、溶けた飴玉が張りついてべとべとになったやつや
私物を入れた段ボールの中に潜んでいたやつや、獣の肺臓に忍んでたやつまで、
細かいのから、大きいのまで、なんもかんも、いっさいがっさいを
馬毛の刷毛と化学熊手を駆使して1箇所に寄り集めてまとめる
硫化硫黄の臭いがするそれを、蛸唐草模様が染め抜かれた草色の風呂敷にヨモギと一緒に包んで
労働菩薩が祀られた職場の隅っこにある神棚にこれを納める
・・・
この続きは来年やります、来年は2008年です。正直実感沸きません。
来年のタイムシートに、こう、ニーマルマルハチと記入しても、やっぱ実感沸きません。
それどころか自分は果たして2052年は生きているのか?なんて考えてしまいます、2048年もあやしかりける。
ほおお、お笑いくさでしょ? でもね、けっこうそういうこと考えてしまうんです
そういうとりとめのないことを考えて、2052年と書いて、静観して、アンニュイな気持ちになるのです。
ともあれこのお仕事の続きは来年やります、あんじょう堪忍しぃや。堪忍やで。
・・・
自分のありのままの気持ちを素直に告白して
最後に労働菩薩を懐で抱き締めて、無事、2007年度の仕事納めを納めた。
これにて自分は長い休暇に入る、明日から怒濤の9連休がはじまる
山登って太陽を拝んだり、友人の入籍祝いパーリーをしたり、愉快な予定はあるものの、予定はその2点のみ
おそらく休暇のほとんどをことごとく持て余す
笑い声と暇つぶしの始まりの始まりです
色濃い休暇を送れるためなら、堕天観音くらい懐で抱き締める覚悟はあります
「どうか元気で、お気をつけて」 12月27日

【 端っこ 】
モラトリアム期間の人達がいないから電車が空いてて清々する
改札口も、白線の内側も、駐輪場も、東急も空いている
やきとり大将も、まちおかも、坊屋も、七つ森も空いている
商店街も、アーケード街も、ルックもパルも空いている
自分の家から駅までの通勤路も空いている、ほとほと清々する
ふと「自分はなんで東京にいるのか?」と考える
人がいないことだけで、これだけ清々するのなら
いっそ人口密度の低い所へ転居すらいいじゃないか
人がいないから対人ストレスもプレッシャーも感じない
結句、おそらくもっと長生き出来る
森に転居すれば、小鳥と喋りたい放題、てんとう虫集め放題
渓谷に転居すれば、小川に浸り放題、良い小石集め放題
南国に転居すれば、ウミウシ握り放題、紫の汁だし放題
杜王町に転居すれば、弓に射られ放題、あわよくばスタンド出し放題
これだけ通信・交通手段が逞しくなったのだから、地方に転居するのもありっちゃぁありだし
「ありだな」と独り呟いて頷くことさえできるけど
「あい、そうでおまんな、ほな転居しまひょ」とは軽々しく思えない
やはりどこか、心の深くでは根強く東京に固執している俺の粘菌
まだまだ固執している、やすやすと都落ちはできん
でも理由はそれだけじゃないとも思っている
けど、それがなんだかわからない、いくら考えてもわからない、わからない、わからない。清々しない。
ふと車窓から外をみる
冬特有の雲ひとつない澄んだ青空が、きらきら朝日を纏ってぐぐーんと広がっている、うふふ、清々する
「「雪」「虹」「雷」」 12月26日

【 鶏鍋 】
雪が降っている、半分濡れた雪がまばらに降っている。
それが俺の肩に張り付くと、みるみるうちにじわりと溶けた
俺は「初雪だ」と思った、雪が降る様を見て無言のまま歓んでいた
けど、こんなグズグズの、びしょびしょの雪じゃ積もることは叶わないな、とも思っていた
肩に触れただけで溶けてしまうんじゃ積雪は望めません。もっと寒くなきゃ。
指の上で溶けた雪をじっと眺め、その指の向こうにさっきまで居た古びた喫茶店が視界にはいる
ガラスが組み込まれた焦茶色の木製ドアはさっき俺が閉じたドア
店の中に居た時は気づかなかったけど、世間はすっかり薄暗くなっていたのだね。
ポケットに手をつっこんで、喫茶店を背にして歩き出す
するとすぐ、十字路の路に出くわして、その路だけが夕焼けの黄金色がさしていた
雪降っているのに、そこだけ晴れている
気色悪い、と思った、けど、同時に奇麗だとも思った
空は明らかに曇天で雪までちらついているのに、その路にだけ夕焼けが刺している
すぐさまカメラを掴み、小走りにその光りある路に立ち
光源を、夕焼けさす光の源をふりむくと、禍々しく空は歪んでいた
空の在る一点を中心に光も雲も闇もそして虹までもが一様に渦を巻き、ぐねぐねに歪んでしまっていた
なみなみならぬ不吉さがある、自分は世界の終わりだと思った、それでも恐る恐るシャシンにおさめる
虹がぐねぐねと渦を巻き、どんどん細く汚らしくなる頃
ずっと向こうの空にある黄金の雲が巨大な雷を放った
ドドーンっと凄まじい轟音がアスファルトを揺らし、いかん、これは死ぬ、世界が終わる
焦りながら踵を返して走り出してさっきの古びた喫茶店に舞い戻り
さっきとは違う席に座り、コーヒーをたのむ、テーブルにはソイジョイが入った籠が置いてあって
どうやらこれは御自由に食べていいモノであると察すると、ちょっと得した気持ちになった。
2日3日前に見た
そういう夢を見た
「雪」「虹」「雷」
夢占いではどれもトラブルや運気や体力の低下の象徴
だから意識して体調管理に気を配ってたけど無理だった、駄目だった
結果、仕事を休み、夕刻まで睡眠をとり、スーパーで鶏肉とハクサイ、ネギを買い
家でこれを煮て食った
滋養をつけなならんので先日のパーティーで余ったニンニクも入れての水炊き
柚子胡椒があれば完璧だったな、けど、はふはふこれはこれで旨めぇ、締めはおじや
腹がぱんぱんに膨れた、鶏骨で祈願もした
これだけ食って寝れば風邪もなおるだろう
現に、ほら、もう咳もでなくなったし、微熱もないし、喉も痛くない
嘘のように何もかも調子をとりもどす。夢のようだ。

【 鶏骨祈願 】
仕事もあと2回
万全を期して新年を迎えよう。
「実も利もないけど愉快な堕天」 12月25日

【 淫行 】
とりあえずタバコをメンソールに替える努力
あえて、カレーとモツをもりもり食うこの冒険心
あとはお薬飲んでさっさと寝てしまおう
21時就寝クリスマス、病床サンタ
昨夜、散々、騒いで飲んで、食って笑って、笑って泣いて、たのにもかかわらず
深夜を過ぎると皆一様に異口同音
「明日は仕事」だとか「明日は仕事があるから」だとか「悲しいけど、明日、仕事なのよね」などと
現実味をいっぱいに含んだ呪文「アスシゴト」を俺にかけ全員帰ってしまった。
1人部屋に取り残されたかたちとなった自分は
さっきまでの賑やかさから反転した無音のこの部屋で
「アスシゴト」とぽつり呟いても、ちっとも楽しい気持ちになれなくて
そうすると不意に反旗を翻したくなてきたので
金の糸で「堕天」と刺繍した赤い布を黒光りする棒にくくりつけ
アスシゴトなんぞに負けられん、ダテンダテン、実も利もないけど愉快な堕天
そう叫びながら妄想旗をばぶゆんぶゆん力一杯10っぺんほど振り回していると
泥酔しているもんだからすぐ激しい動機息切れに陥って、咳が止まらなくなって、目眩がする
そしてそのまま、そのままのまま薄着のまま敷きっぱなしのままの蒲団にバタンと倒れ込む
すっかり寒々しくなった部屋。
今思えば、それがいけなかった
風呂に入っておけば良かった
ピジャマに着替えておけばよかった
Tシャツのまま薄ら寒い部屋で朝を迎えた。
頭が熱い、喉が痛い、タバコが不味い
仕事に行ったけど調子は戻らない。
ワンシーズンでニ度目の発熱
淫蕩にふけって、咽頭を腫らす。
「キキの危機」 12月24日

【 奇麗な海老 】
うぅぅぅぅぅオッ うぅぅ・・・オッ モロロロロロ ペチョン
うぅぅぅぅぅオッ うぅぅ・・・オッ モロロロロロロ ペトン
うぅぅぅぅぅオッ うぅぅ・・・オッ モロロロ ドゥボボボボ
皆が帰り、誰もいない部屋で、誰もいないからか? 誰もいないので?
その空しさに耐えかねてなのか? どうなのか? その事実は未だ不透明であったとしても
和式便器を、こう、抱え込むように、咽喉に付き込んだニ本指をさ、ね? こう、淫乱にベコベコ動かして
嘔吐を促して、パーティーを促して、卑猥に動いた指先に呼応して躍動する胃袋から自然の摂理でモツ鍋がオロロロロロ
自分は27歳なのにもかかわらずしょうもない人間です
ですが、勢いよくゲロを吐いたのでもう大丈夫です
マーライオンがごとく吐瀉ったので明日の仕事には差しつかえありません
麦焼酎なりスパークリングワインなり缶チューハイなりをしこたま召し上がってモロロロロ・・・
そいでも、気を確かにもって日記を書きます、がんばります、チョイ酔い気味は御愛嬌
今年のザッツクリスマスイブは、高円寺の選りすぐりのメンバー(ユイ、ハル、チャカ、コウジ、俺)で
選りすぐった挙げ句居残った恋人いないメンバー(ユイ、ハル、チャカ、コウジ、俺)が、一同に俺家に会し牛の小腸を鍋で煮る
煮たそれを食う、酒を飲む、夕刻17時からその宴が始める
来年はこのメンバーでタイに行きます
小粋な単語がぽんぽん頭のうえで弾けた、赤い実弾けた、充分に笑わせられた気分でいる
淫々とも陰々とも滅々ともしていない自分がおわす、往年の自分がおわす
だんだんギリギリの自分がもどってきた心模様、ノイローゼを脱し、快活な自分が戻ってきたもよう
非常に楽しかった、ほんとに楽しかった、少なくとも自分は楽しかった
下手したら、下手に恋人作ってシコシコこましてた奴らよかよっぽどたのしかったと思う
楽しかったであってほしい!
酒を飲み、おおいに笑い、おおいに笑かせ、魔女の宅急便を観てじわじわと涙を流す
キキの成長を喜々と歓びつつも、危機に直面しその危機を乗り切ろうとするキキの真直ぐさに、
親御さん目線で見守る自分の存在が目新しく、かつ、新鮮さを感じた。
所詮自分は人の親なんだ、溢れたその気持ちのやり場がなくて隠れて泣いた。
送ったプレゼントが、明日。届けばよい。
「17:59-18:00」 12月21日

【 冬雲 】
来週は本日の仕事の続きをやります。
でも、仮に、予々噂されている新案件の作業依頼が来たら、来たならば、こっちだってやぶさかじゃござんぜんよ
そらわしかて人間だもの、古いより新しいほうに魅力を感じまっさ、未来を感じまっさ、将来の眩しい光に目を細めまっさ
その光がたとい幻想だとしても、想像のなかだけでも自分は目を細めたいんです
この職場にずっと身を置いていても老いていくだけで展望もなんもありゃしない、と現実を見ている
なら、妄想の中ぐらひ目を細めたいじゃない、細めたって罰はあたらんやろ。くくく。くわ。
ほんとしょうもない
職場に何かを求めてる的発言を、いくら心が弛んだからと言っても此処に書きしたためた自分がしょうもない
職場に展望も未来も求めるな、人に展望も未来も求めるな、自分で切り拓きます。候。
というわけで、まぁ、新案件作業が来しだい、現状作業をやめて単身その作業に切り替えます。
的な、文面を、端折って端折って1行にまとめ、作業日報進捗メールにしたためる午後5時59分
この「送信ボタン」を押した瞬間から、僕の、我の、3連休が始まる
世に言う聖夜が絡んだ3連休が始まる
正直、クリスマスとか、もう、ほんと、どうでもいいし
それを一人で過すことの空しさより、もっと大きな空しさを今年は山程経験したんで
クリスマスごときじゃぁ 今さらなんも動じねぇ
むしろ、1人で丸一匹の七面鳥を食う、1人七面鳥
1人でブッシュドノエルを食う、1人ケーキ
同じく1人鼻メガネ、1人クラッカー、1人プレゼント交換、
1人クリスマスソング(ベスト10)独唱などのイベントを
綿密なタイムテーブルにのせて1人メリークリスマスを独演するのもやぶさかではない
あながち悪くない気ぃするし、ちょっとおもしろい気もする。保留。
でも連休は普通に嬉しい、週末は高円寺でパーティーあるし、もやしもんのマグネットフィギュアも発売されるし
何よりも、月曜が祝日なのでジャンプが1日早く買える。
来週は来週で4勤だし、あっという間に年末、晦日、新年、山登り、咆哮、脱大殺界。
それを思うと心が弾みます
6時になりました
ポチっと送信ボタンをクリックして、手早く外套/カメラ/鞄を装着し
「おつかれー お先失礼します」をよりだらしなく自分なりにアレンジした
「ををあれー ぁうさきしぃあーす」という音声を吐き捨てて
鞄とカメラにぶら下げた象ベルをチリチリ鳴らせながら職場のドアーを開け放った。