「心を折って、心を決める」 2008年4月10日

 

早朝ラッシュ、改札口を中心に溢れかえる、人人人

早朝ダッシュ、改札口の傍らで呆れ返る自分、雨、しとしとしと

 

電光掲示板に赤文字「変電所火災」スクロール

その単語で統べて悟った「相成り」「合点承知」とおどけて呟いた

つまり、変電所が炎上してダイアが乱れついでに人心も乱れておる

だから阿波踊り並みに人が溢れかえっているんだ

だから改札口を中心に黒い怨念がとぐろをまいているんだ、湿度

おまけに中央線快速は停止している体たらく

 

JR職員にフッキューフッキュー言っている人人

一瞬の躊躇もなく改札を越えて人込みの中に飛び込む人人

その集団のうねりを遠巻きにして、なにやらメールを打ち込む人人

どれも疲れた顔をしている、翳りが見える、雨、鬱陶しい

 

或意味晴れやかな顔をしているのは自分くらい

この人込みを目の当たりにした瞬間に心を折ったので失うものはない

どうしても仕事に行かなければならないっていう焦燥感もない

むしろ、できれば仕事なんか行かずにバッタを追い掛けて日を暮らしたい

心を折って、心を決める

小気味よくくるりと踵を返してJR高円寺駅を背にして進む

めるめる職場に電車遅延のため遅参しますとメールを送信して

チョコ黒を齧りながらコーヒーをすする

クロワッサンの表皮がぽろぽろとこぼれて衣類に付着するのは情けないが

それを差し引いてもチョコ黒は相変わらず旨い、チョコ黒は裏切らない

読みかけの小説を開きタバコを吸いながら30分、滅。

 

再び高円寺駅、40分前よか人は減ったようにみえなくはなくなくない

意を決し改札を抜けてプラットホームに立つ

プラットホームにも乗り遅れた人人人

また心を折ろうか思案したが、せっかく朝起きたんだ

仕事に行かなきゃもったいないので、頑張って電車を待つ

少しでも負担を軽くするためにサニーデイサービスの穏やかな曲を選び音楽を聴いていると

もはや何分遅れか知らんがようやく千葉行きの総武線が2番線に到着

もとい、人間の缶詰めがごとき電車が到着

地獄の扉が開く、一瞬躊躇、人間缶詰め、積めいる隙が見当たらない

ふと振り返ると、さっきまでなかったのに自分の後ろに長蛇の列

目の前は地獄電車の人間缶詰め、この中に入るのか?なんのために?

 

左の皿には「人間缶詰めになりたくない」

右の皿には「仕事にいかなくてはならない」

心の天秤、左に傾いて硬直したままの心の天秤

左の皿が地面に接した瞬間

パキ、乾いた音をたてて本日2個目の心をおるやいなや

「こんなん無理」無意識に口を裂いてコトバがでて

くるりと軽快に踵を返し、出口めざして、まっすぐ、まっすぐ。

 

 

羽生生純の描く性的描写は妙にエロいなぁ思いながら

コミックビーム連載中のアワヤケを熱心に読む読む早朝漫画喫茶

フリードリンクのウーロン茶を飲み、タバコを3本喫む

「そろそろ行くか、読み終えたし」再び出社モード

アワヤケをきっちり2冊読みきって3度目の高円寺駅

それでも仕事に行こうとする精神は評価して下さい

 

中央線はいまだ復旧していない

変電所の火災が鎮火したかもわからない

今回は心折れず、或いは折らず、南無三吐いて満員電車に飛び込む

ドア付近、各駅に停まるたび乗降客にもみくちゃにされる

席に座りたいなんて贅沢はいわないが、せめて座席の前に立ちたい

そんなささやかな願いも叶わない、それでも自分は職場に行きます

パーソナルエリアがどしどし犯される窮屈な車内で巌のように耐えています

 

火が元でこんな人間缶詰めへと押し込められた

火が元で職場への忠誠心のなさが炙りだされた

火は消えたのだろうか?

火は消えたのだろうか?

漠然と考える糠雨、東京が濡れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んだら教会まで運んで下さい」 2008年4月8日

【 dRop 】

 

 

色のいろいろを知るために色本を買った

間違いがないよう敢えていいますが

この場合の色本とは配色や色見本をとじたものであり

ロリ顔巨乳やメガネ網タイツ女教師との情交のようすを描いた春本

あるいわ艶本いわゆるエロス本ではござんせん

ノーエロス、ノーライフ、

まっとうに色のいろいろを知るための色見本、色見本本を買う

 

ピンクと水色の組み合わせはキュートなイメージを連想させる配色

黄色+水色+黄緑はナチュラル配色

焦茶+藍色+鼠色はシック配色

若葉色+夕焼け色+木目は和み配色。新幹線なごみ。

 

なんて、ちょろっと見ただけでいちいち勉強になる

こんなにたくさん色定義って存在してたんだー 知らなんだー

ページをぺらぺらめくり、その都度、ほほう、とか、ほへい、とか、詠嘆を漏らす

色相環くらいは知ってたけど、イメージを連想させる配色があるとは目からウロコだった

 

いままで感覚でやってきたけど、これからは色本「書物での知識」を活用していこう

つって磁石を拾った猿みたいな顔で色本に書かれたまま実践するのはただの猿なので

ちゃんと知識を噛み砕いて、飲み込んで、消化して、己の血と肉にして

書物の知識とこれまでの経験に折り合いつけてやってゆく

したらばかなりレベルアップすんじゃね?

色のレパートリーが広がることは強力な武器になる

キメラやさまよう鎧レベルのモンスターは一撃昇天、かなり強い

これまでの、なんかあったらとりあえず「赤」いっとけ的な?

とりあえず「赤」使っとったらどうにかなんだろ?的な?

ざっくり感も払拭されて幅でるだろうし

特定の色に対するコンプレックスも同時に解消

 

勉強したい時が勉強し時だとすれば今

当面の目標は「赤」と肩を並べる大御所「青」を攻略しようと思います

俺青弱いからなー、骨折れそうだ、骨折れた傘散乱していた

風が強い1日、風は何色? 風は透明、ところどころ淡ブルー

苦手意識のある淡い色属性も青と一緒に攻略してみます。

死んだら教会まで運んで下さい。

 

 

 

 

 

 

 

「たぶん、雨の音」 2008年4月7日

 

【 おがみ 】

 

 

ぱかぱか阿呆ほどタバコを吸っても微塵も落ち着きやしねぇ

なんの為のタバコなんだよ、唯一の利点だろうが

燃え尽きるまでのひととき安らぎを俺に呉れやがれ

 

朝からダメやった、雰囲気がおかしかった、めちゃめちゃ気分がくさくさする

太股に陰嚢がべったり張りついたみたく、何処にいても居心地が悪い

陰嚢に太股がべったり張りついたみたく、何をしても気分が悪い

股間が痒い、頭が痒い、くさくさする、いらいらする

めちゃめちゃに頭を掻きむしる、皮脂だかワックスだかで両手がべとべとする

おまけに爪が伸びている、切るべき爪の乳白色すら憎くてまたぞろくさくさする

 

早急に毛髪を切断したい、なにもかも殴り捨てて浴場でハサミ乱舞をかましたい

さすれば、俺、少しは落ち着けるはず

むしゃくしゃする、頭を掻きむしる、毛髪が畳に落ちる

待てど暮らせど湯が沸かねぇ

風呂の餓鬼さっさ沸きゃぁがれ

 

ぐはぁイライラすっるー、くさくさすっるー

あろうことか里芋もタケノコを買い忘れた

そのせいで精神安定行動「煮物作り」もできやしねえじゃねぇか

しようがないから酒でも飲もうつって部屋を漁って転げでてきたんだが

ビリビリ舌が痺れる安焼酎と土産で貰った昆布焼酎っつーわけのわからん酒2種

そこで、また、くわっ、くさくさ

昆布焼酎?って初耳の御仁もおると思うので軽く説明申し上げますと

昆布焼酎は昆布で出来た焼酎、隠語でも略語でもなく昆布焼酎

原材料昆布+他、だから味も昆布味、洒落や興で飲むにはもってこいの酒

しかし自棄酒には適さない酒としてユーメー

 

ビリビリ安酒をガプガプとグラスに注ぎ水道水で割って一息に飲み干す

くふー まじー、敗北の味がする。

敗北テイストを誤魔化すためにタバコを吸う、酒のそれと煙のそれで舌がビリビリと捻れる

安らぎもない、癒しもない、ほっこりしない、永らくほっこりしていねい

畜生、ほっこりしてぇよぉぉぉぉ、敗北および敗走

 

耳の穴が痒い、頭がまんべんなく痒い、タバコが少ない、

もうすぐだ、もうすぐだ、直に湯が沸く

そうすれば皮脂を落とせる、汗を落とせる、灰汁を落とせる

もうすぐだ、もうすぐだ、心臓が早鐘を打つ

さっきからぽぽぽぽぽぽって窓を叩く雨の音、たぶん、雨の音

 

 

 

 

「時系列46」 2008年4月6日

 

午前5時46分起床

日記を書く

風呂に入る

蒲団を干す

カービィをクリアする、世界に平和を取り戻す

食パンを2枚焼く

ジャガイモと挽き肉のオムレツを作る

パンが焼き上がる

オムレツが焼き上がる

オムレツを皿にうつす

オムレツ床に落下

悲鳴をあげる(本日の第一声)

悩んだ挙げ句、オウムレツの表層部分だけを上手にそいで皿にもる

喰う

オムレツで汚れたマットレスを洗濯する

いつものように昼過ぎに起きていたら、今頃陽は翳っている

けど今日は違う、まだ11時過ぎ!! お得!!

外出

友達探しに行く感覚で外出

近所に植った植物の成長を観察する

神社で小1時間過す

お墓を散歩する

なんだか頭がくらくらする

神社のベンチに座って舞い散る桜をずっと眺める

センター問い合わせをする

「新着メールはありません」

酒屋でジャンプを買う

植物の成長を観察する

公園のベンチに座ってジャンプを読む

ジャンプを読み終える

センター問い合わせをする

「新着メールはありません」

植物の成長を観察する

山吹が生命力を全開にして咲いている

 

 

 

 

【 晩春山吹 】

 

 

この世のモノとは思えない狂い咲きっぷりに心打たれる

センター問い合わせをする

「新着メールはありません」

でもメールは打たれない

孤独の唄を歌う

カービィと2周目の旅へ

旅、終了

1人タコヤキ開始

19時なのにもう眠い

入浴

角質スクラッチ

入電:バータンから28日に飲もうって誘われる

色ちゃんから「今日、お寺に行って癒されてきました♪」と報告メール

「俺も行ってきた!」と返信

日記を書く

 

 

 

 

 

 

「こっちはそうさどうにもならんよ」 2008年4月5日

【 団地 】

 

 

ローズゼラニウムの枯れた下葉を除去/余計な枝を剪定後

液体肥料をあっぷあっぷするほど呉れてやる。

 

土曜日の昼下がり、ベランダに腰掛けて夏以来鉢植えと対峙する

「あなた今さら何しに来たの?」言う昔の女みたいな顔顔

でも俺、先制の冷徹眼差しかいくぐって懐に飛び込み

まーまーいいじゃない、痩せた? えっ?太った? そうは見えんなっ! わはは

無闇に御陽気でちかづいて、まーまーまーつって水を遣る

植えかえる、剪定する、掃除する、償う

わざわざこんなことしなくても、自力で勝手に生きるローズゼラは強い

男の居場所なんて結局、最終的には代替え可能なんだなと思って見上げる空の陽光が春

身をつままれる思いとはこのことか、このことなんですね

 

無性にサニーデイサービスを聴きたくなったので

中野ブロードウェイ界隈の中古レコード店レコメンツまで赴き

サニーデイサービス/東京を探すが在庫がなく

中古CD・漫画の販売、DVDのレンタルなど

幅広く業務展開するDORAMAっつー高円寺界隈じゃぁちょっと名の知れたお店で

ようやくサニーデイサービス/東京を見つけて1980円支払って購入

数年ぶりにCDを購入してハイソサエティな気分が沸々と湧く

 

家で焼うどんを拵えてそれを食べたあと

スーパーファミコンをひっぱっりだし星のカービィデラックスをやる

 

食卓には表面がヌラヌラした使用済みの食器皿

副流煙で煙る室内、紙パックの麦茶、まさしく独居という風情

生涯、このままずっと独りなのか、独り焼うどん、独りスーファミ

人並みの幸福などもう味わえないような錯角に陥りどんどん空しくなる

それでもカービィは奮起する

敵を吸い込んで能力をコピーして活躍する

なんのために? 大王を倒して世界に平和を取り戻すために!

ピンクでふよふよした丸いヤツが身を呈して世界を救う、蓋し菩薩業

そんなカービィの雄姿にあてられて、こうしちゃおれんと奮起した自分は

指定された場所でセーブしたのち、ゲームを切ってパソコンの前で創作する

 

そっちはどうだい うまくやってるか

こっちはそうさ どうにもならんよ

今んとこは、まぁ、そんな感じなんだ。

 

 

 

 

 

「十字路の決戦」 2008年4月2日

 

【 通学 】

 

 

水曜が終りました、明日になればおそらく木曜がやってきます

木曜が終りました、明日になればおそらく金曜がやってきます

たいして変化のない平日

得るものは僅かなお金と疲労とストレス

季節は巡って春、確実に時間が進んでいる

またひとつ歳を重ねる、確実に死にむかって進んでいる

 

心待ちにしていた週末も変化なく溶けて消えます

土曜:人と会って酒を飲み

日曜:夕方ちょこっと外出するくらいで、残りは自室に引きこもる

あるいわ

土曜:夕方ちょこっと外出するくらいで、残りは自室に引きこもる

日曜:夕方ちょこっと外出するくらいで、残りは自室に引きこもる

 

水曜日、夕方18時37分、駐輪場

いつものようにパル商店街にむかって自転車をこぐ

その姿が妙に澄ましていて、妙にこなれていて腹がたつ

だのに肚の中は変化がないことに対する不平不満でパンパン

ああ、またもや同じ日々だとため息まじりの自分の影

受け身の不満、受け身の発想、んなもん犬も喰わねぇ

そうこうしている間に背後から木曜日が迫ってくる

虚脱がくるよワンパターン

屈辱的なコトバ、ワンパターン

 

力強くブレーキを握り締め急停止、前輪を逆方向に向ける

「習慣の破壊から変化は始まるのかもしれない」

それが行き着いた仮説

 

なめんなよ俺! ツーパターンを見せてやんよ、つって

180度翻し、パル商店街とは逆方向の環状7号線にむかって走り出す

いつもは絶対通らない道を通って帰ってやる

それが今日のルール、鉄の掟

 

オレンジ色した環状7号線を走り抜ける

公務員が住む団地の脇のフェンスに囲われた細い道を走る

黒い猫、逃げずに俺を見る

 

くるくるくるくる勢い良く坂を滑走

くるくるくるくる勢い良く坂を滑走

くるくるくるくる勢い良く坂を滑走

 

右手に古びたマンション、電光掲示板らんまんの光

旧花、古紙、明、沿道、ってその他もろもろ

今は縁遠くなった同級生の家の横を滑り落ちる

あはは、あはは、20年前に住んでいた跡地に綺麗なマンション

道の形はかわらないが、立つ家々が変わっている

川公園をこえて、大久保通りを渡り、一直線に坂をかけ登る

この道、我が道、通学路、一直線に母校へ向かう

この道程、確かにこれはちっさいなりにも変化だと確信する

わはははは、木曜はずっと後ろでもう見えない

様変わりしない母校の前でシャシンを撮る、桜が悠然と咲き誇るのを見た。

 

 

 

 

「よし」と声にだして言う「けっこう満足だ」

 

これで何かが変わるとは到底思えないけど

何も変わらないと塞ぎこんだ自分をぶん殴れたのでよし

諦めていつもみたくに帰ってたら、この桜は見れなかった

テンションもあがらなかった、諦め癖がついていた

こういうことは意外に大事だ!と半ば強引に結論づけ

ゆるゆると自転車を漕いで、お馴染みの街並を弛緩していく

東高円寺のスーパー大関で長さ40センチもあるヒレカツを購入

お米を炊かなくてはなーなんて考えながらぽやぽやと家路に向かう

ついでに妙法寺を経由して帰る

閉ざされた門のむこうがライトアップされている

気温が高くて居心地よい

このまま自転車に乗ってどこまでも行けそうな気分だ

近所に海さえあればな、海を眺めて缶コーヒー飲み、タバコを2本吸うプレイができるのに、残念だ

なんて妄想していたら、完璧に気が抜けていた

やばい、この道をまっすぐ行ったらいつも通る道と合流してしまう!

慌てて左折して薄暗い裏道に逃げ込む

アブネー、アブネー、気付くのがあと数分遅れていたら取り返しのつかないことになっていたよ

良かったー、まじ危なかった、あとちょっとで地球爆発してたぞ!

 

その後、2度3度危険な目に会うが、努力と発想と運で活路を開き

大罪:後戻りを犯すことなく現在に至ります。

ヒレカツをうまうま喰います。

「十字路の決戦」はいまでは語り種です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柔らか肉汁じわじわ500円

 

 

 

 

 

 

 

「宙空でバタバタ、むなしくバタバタ」 2008年4月1日

 

 

元気だけど、ストレス的な負が腑にぱんぱんになるっくらい詰まっている状態なので

お空にまっすぐ両手をかざして、臆面なく元気いっぱいに元気を頂戴って言う元気はない。

ろくなもの喰っていない、肉体的にも精神的にも満たされていない

かろうじて気力はあるものの心の土台はぼろぼろだ

爪先でちょこっとかじくるだけで乾いた土がぽろぽろ剥がれる

こうも易々ボロボロになることがわかってたら

エコロジスト気取って泥でなんかつくるんじゃなかった、心の土台

ちゃんと慣例にならって鉄鋼なり強化アルミニウムでこしらえればよかったと

いまさら後悔したところで後悔は先にたってくれず

みじめったらしく泥製の土台の前にしゃがんで、スターバックスのロゴがプリントされたグラスに指を突き込んで

土の割れ目、心の割れ目に、濁った泥水を塗る、修復する

14日間長引いた仕事もひとまず落ち着きをみせて

4月はようようと怠惰は裾野を伸ばすのでしょうか

今月で私は28才になります、健康に気をつかってヨーグルトを食べます

スプーンがないから白いフォークで、これをすくって、すするのです。

取り留めのないことを矢継ぎ早に考える

我にかえって、セックスという言葉の意味が曖昧になるまで連呼しだす

セックスセックスセックスセックスセックスセックス

曖昧にならない、ばかりか、かえってムラムラしてくる

気分が乗ってきたので泥のおっぱいを土台に張り付けることにした

鎖骨から乳首にかけてのすらっとしたラインとは対照的に

ふくよかな曲線を描き鳩尾あたりで終結する下乳、釣り鐘

いろいろ悩んだあげく、最終的に釣り鐘型の美おっぱいが現状の理想だった

胸元に張りついた脂肪なのに、どうしてこんなに美しいと感じるのか、ムラムラするのか、わからんが

釣り鐘型の美おっぱいの上乳と下乳のコントラストに、確かにうっとりする。癒された。癒されたい。

 

「癒されたい」「美おっぱい」

 

おもわずこぼれたこの願望と、自然体で拵えたその房が

自分の求める理想なのであることに気付くと

少し空しくなって、だいぶ空しくなって、夜空にまっすぐ手をかざす

僕に前向きな活力と顕然な精神をください、よろしくおねがいします、つって

二本の腕を宙空でバタバタ、むなしくバタバタ

明日を捕らえられない腕を、おっぱいを捕らえられない腕を。

 

 

 

 

 

 

「誰かの影を追っているんだ」 2008年3月28日-30日

 

【 散ってはいない 】

 

 

ニヒル牛でいっしょに個展をやった山ちゃんと、の友達の鍋さんと

数年ぶりに会うガイ先生と千鶴とで新高円寺で呑む

しこたま赤いワインを飲んで、くらくらになって

また撮った憶えのないシャシンが増えた。

翌日、ひどい二日酔のまま蚕糸の森公園で花見

3月末、曇天、桜は満開だとしてもまだまだ肌寒い

ビニールシートの上に座ってまんじりと動かず

ビールを飲んでいるところに、風が吹く

じわじわと体温が奪われていってわずか1時間30分でお開き

場をババハウスに移してぬくぬくと酒を飲む

夜が深まるにつれ人が増えてきて、ふははははと笑って飲んでいるうちに眠っていた

目を覚まし、クニオ・コウジ・ユイとババハウスを後にして

早朝6時の水色した空気のなかを自転車こいで家路に向かう

思いのほか寒くない、やっぱ春なんですね

要所要所で立ち止まっては桜を眺めてぶらぶら帰る

口の中がガサガサする、頭が痛い、意識が霞む三日酔。

お蒲団に潜り込んで2度目の夢を見る。

細い雨で濡れた高円寺を2階の窓からぼんやり見下ろしつつ

丁寧に淹れられたコーヒーを飲む

ドロエビが流木に張りついたコケを熱心に食べている、水流でヒゲがゆわゆわ揺れている

目の前の水槽を凝視しつつ、漠然と、この雨で桜は散ってしまうのだろうか?と考える

手にした画集にまた目を落とす

「もう日曜日だ」

水槽と植物に満ちた静かな喫茶店をでると

世間はさっきよりもずっと雨脚が強くなっていた

けど傘がないから濡れて帰る

「また日曜日だ」

音楽を聴きながら

雨に濡れながら

誰に会うこともない

誰の影を追っているんだ?

誰かの影を追っているんだ。

人恋しさばかりが膨らんで困る

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここからは桜が見えない」 2008年3月26日

 

【 幻の一枚展 】

 

 

昼休みになるやいなや上着を羽織り鞄とカメラをぶるさげて

メシも喰わず職場を飛び出し、電車に飛び乗り、飯田橋駅下車

神田川沿いの桜が、やややや、見事に薄紅色

携帯電話のカメラをかざしてそれを撮る人々人々人々

どうして撮るんだ?

誰かに見せるのか?

その際なんてコメントを添えて見せるんだ?

お前はなんて言われたいんだ?

「ねー」

「なにー」

「これ見てー」

「うわっ桜じゃん」

「これヤバくない?」

「超ヤバい」

「まじヤバいよねー」

「まじヤバい」

それで満足なのか。

あと、何もヤバくない。

 

どうして携帯電話のカメラで撮るんだろうか? その心意がほんとうにわからない。

ついでに、私見だが、右腕を真直ぐ被写体に向けてシャッターを押すあの格好がどうも気に喰わない

理由は不明確だけど見ていると毎回嫌な気持ちになる

あの格好、あの間合いで液晶を見る間抜けな顔

なんか不躾で下品な印象を受ける、俺だけそう思う。

むかつくので、橋のうえから携帯で写真を撮る人の横まで行き

足下を流れるヘドロ色した神田川の水面、そこに写った己の影をカシャカシャおさめる

ああ、こんなことしてても誰にも何にも伝わらない

アンド

今はこんなことしている場合ではない

何のためにメシも喰わずに飛び出してきたんだ

時間がない、急ごう、つって、歩

向かうは神楽坂の上の上、ギャラリーフラスコ

人への配慮が皆無だといわざるえないよな急勾配の神楽坂を

フラスコ目指してへとへと登る

じんわりと汗ばむ神楽坂

気温、湿度、陽光、肌で感じる全てが最早春

 

ようやくお目当てのギャラリーへ到着、12時20分

上村一夫先生のイラスト、そして遺作となった生原稿を一生懸命見た

画集を買おうと思ったけど、5000円もするのでよす。

 

職場へ戻る帰りの車内「やっぱ画集、買っときゃよかった」と悔やむ

あまりにも暑いのでチョコモナカをむしゃむしゃ喰い

デスクでおにぎりを喰う、3つ喰う

 

窓から陽が斜に差し込む3月の午後1時

ここからは桜が見えない

意地を張らずに素直に桜を撮っとけばよかったとまた悔やみ

ストロベリーチョコを喰う、1粒喰う

 

 

 

 

 

 

 

 

新しい日記旧い日記