1989年4月、当時高校1年生だった高田英之君が職員室に来て、新しい定理を見つけたのだがと、次のような定理を教えてくれました。
高田の定理
円に内接する五角形において、対角線を引くことによってできる星型ができます。この星のとんがりととんがりの間にできる三角形の外接円を描きます。隣同士の円は2点で交わり、そのうちの五角形の頂点ではない方の点を考えると、この5つの点は同一円周上にある。
fig-20
当時、このことを高田君から言われても、いったいこの定理が成り立ちそうなものなのか、証明はどうしたらよいか、全然わからず、なんとも答えられませんでした。 しかし、その後Cabriを手に入れて最初にこの図を書いてみると、状況は一変しました。作図した図をマウスでぐるぐると動かしてみても、確かにいつも同一円周上にある という事実が確認できました。証明はできませんが、成り立つことが確信できました。
高田君は、この図をいくつもいくつも描いたそうです。描けば書くほど、いつでもみな同一円周上にありそうだと思うようになりました。高田君はMiquelの定理を勉強し、似たような性質がないだろうかと類推してこの定理を予想しました。そして、いくつも図を描いていくうちのこの定理を確信したのだそうです。
Miquelの定理によれば、似たような次の状況で同じような結果が成り立ちます。
fig-21
高田君は、この定理の証明ができないまま、雑誌「大学への数学」の編集部に投稿し、それが回りまわって、東京理科大の大槻先生が証明することとなりました。
当時Cabriがあったら、いろんなことがわかったかもしれません。 例えば、Miquelの定理というのは、本当は、こういう状況で成り立ちます。
fig-22
これを見てると、それでは、高田の定理ではどうなるであろうか?という疑問が自然と出てくる。手書きではなかなかできないが、Cabriがあれば、
fig-23
こういう図は、紙と鉛筆だけはなかなかけないでしょう。隣り合う外接円の交点を通る直線を引いてみると1点で交わっています。このことが、高田の定理を証明するときの重要なポイントになっています。この状態がわかれば、高田の定理では、もとの円のこの点に関する反転円が問題の円であることがわかってしまいます。
ホームへ トップへ もどる Cabriについて みやじの部屋