2000年6月12日(月)

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連分数展開による無理数の近似

 部屋の整理をしていたら、昔の生徒のレポートが出てきた。なんと、最近この「取れたて通信」の掲示板に書き込んでくれている Ryo さんのものであった。私の転勤があったりして、「取れたての定理です」に収録されないままになっていた。面白い内容なので紹介しよう。





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ユークリッドの互除法

 たとえば、60と112の最大公約数を求める方法として、
112 を 60 で割って 商が 1 余りが 52 になります。
   112 = 60 × 1 + 52
 次に、今度は割る数60を余りの52で割って、
    60 = 52 × 1 +  8
 また、同じように、割る数52を余りの8で割って
    52 =  8 × 6 +  4
 これを繰り返して
     8 =  4 × 2 +  0
 となる。このように余りが0となったときの割る数4が、最初の60と112の約数になるというものです。

 上の計算結果は、次のように変形できる。
 112           52
 −−− = 1 + −−−
  60           60

  60            8
 −−− = 1 + −−−
  52           52

  52           4
 −−− = 6 + −−−
   8           8

  8            0
 −−− = 2 + −−−
  4            4


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有理数の連分数展開

 上の計算の結果を次のような分数の形で表すことができる。

 112              1
 −−− = 1 + ――――――――――――
  60                  1
              1 + ――――――――
                          1
                    6 + ―――
                          2

このような分数を、より簡単に、

 112
 ――― = [1,1,6,2]
  60

と表すことにしよう。すべての分数は、このような連分数展開が可能であり、有限の長さで終了する。

 この分数の連分数展開は、例えば「EXCEL」のような表計算ソフトで、簡単に得ることができる。
 A = B × Q + R
という式の各要素A,B,Q,R用にセルを用意して、所定の結果が出るように式を入れて、それを下にずらっとコピーすれば出来上がりである。Qのセルを順に上から見ていけばこの展開が得られる。


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無理数の連分数展開

 この分数の連分数展開のワークシートができたら、分子に無理数を、分母に1を入れてみると面白いことがわかる。

 例えば、
  SQRT(2) = [1,2,2,2,2,2,2,2,・・・]
  SQRT(3) = [1,1,2,1,2,1,2,1,2,1,2・・・]
  SQRT(5) = [2,4,4,4,4,4,4,4,・・・]
  SQRT(6) = [2,2,4,2,4,2,4,2,4,2,4・・・]
  SQRT(7) = [2,1,1,1,4,1,1,1,4,1,1,1,4,・・・]
  SQRT(8) = [2,1,4,1,4,1,4,1,4,1,4・・・]
  SQRT(10) = [3,6,6,6,6,6,6,6,・・・]
  SQRT(12) = [3,2,6,2,6,2,6,2,6,2,6・・・]
  SQRT(13) = [3,1,1,1,1,6,1,1,1,1,6・・・]
  SQRT(14) = [3,1,2,1,6,1,2,1,6,1,2・・・]

  ・・・・・・・・・・・・・・

連分数展開

無理数の連分数展開

 ユークリッドの互除法を使って最大公約数を求めるExcelのシートを作った。
11×11
2=B1,2=R1として 22×22
3=B2,3=R2として 33×33
4=B3,4=R3として 44×44




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 このシートによって、A1/B1=[Q1,Q2,Q3,Q4,Q4,・・・] という連分数展開が得られる。このA1にSQRT(m)、B1には1を入れると、
1=SQRT(m),1=1として 11×11
2=B1,2=R1として 22×22
3=B2,3=R2として 33×33
4=B3,4=R3として 44×44

となって、SQRT(m)=[Q1,Q2,Q3,Q4,Q4,・・・] という連分数展開が得られる。連分数展開が有限の長さで終了するとそれは有理数になる。無理数については連分数展開は無限に続く。


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 mとして、2から順に入れてみると、次のようになる。
  SQRT(2) = [1,2,2,2,2,2,2,2,・・・]
  SQRT(3) = [1,1,2,1,2,1,2,1,2,1,2・・・]

  SQRT(5) = [2,4,4,4,4,4,4,4,・・・]
  SQRT(6) = [2,2,4,2,4,2,4,2,4,2,4・・・]
  SQRT(7) = [2,1,1,1,4,1,1,1,4,1,1,1,4,・・・]
  SQRT(8) = [2,1,4,1,4,1,4,1,4,1,4・・・]

  SQRT(10) = [3,6,6,6,6,6,6,6,・・・]
  SQRT(11) = [3,3,6,3,6,3,6,3,6,3,6・・・]
  SQRT(12) = [3,2,6,2,6,2,6,2,6,2,6・・・]
  SQRT(13) = [3,1,1,1,1,6,1,1,1,1,6・・・]
  SQRT(14) = [3,1,2,1,6,1,2,1,6,1,2・・・]
  SQRT(15) = [3,1,6,1,6,1,6,1,6,1,6・・・]

  SQRT(17) = [4,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8・・・]
  SQRT(18) = [4,4,8,4,8,4,8,4,8,4,8・・・]
  SQRT(19) = [4,2,1,3,1,2,8,2,1,3,1,2,8・・・]
  SQRT(20) = [4,2,8,2,8,2,8,2,8,2,8・・・]
  SQRT(21) = [4,1,1,2,1,1,8,1,1,2,1,1,8・・・]
  SQRT(22) = [4,1,2,4,2,1,8,1,2,4,2,1,8・・・]
  SQRT(23) = [4,1,3,1,8,1,3,1,8,1,3,1,8・・・]
  SQRT(24) = [4,1,8,1,8,1,8,1,8,1,8,1,8・・・]

  SQRT(26) = [5,10,10,10,10,10,10,・・・]
  SQRT(27) = [5,5,10,5,10,5,10,5,10・・・]
  SQRT(28) = [5,3,2,3,10,3,2,3,10・・・]
  SQRT(29) = [5,2,1,1,2,10,2,1,1,2,10・・・]
  SQRT(30) = [5,2,10,2,10,2,10,2,10・・・]


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無理数の連分数展開に見られる法則

定理1

 SQRT(K2+1)=[K,2K,2K,2K,・・・]

定理2

 SQRT(K2+2)=[K,K,2K,K,2K,K,2K・・・]

定理3

 K=3Lのとき、
 SQRT(K2+3)=[K,2K/3,2K,2K/3,2K,2K/3,2K・・・]

定理4

 K=2Lのとき、
 SQRT(K2+4)=[K,K/2,2K,K/2,2K,K/2,2K・・・]

証明

 もちろん、これらの定理は証明できる。証明はやさしいので、みなさんやってみてください。


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円周率 π の連分数展開

 π = [ 3,7,15,1,292,1,1,1,2,1,3,1,14,2,1,1,2,2,2,2,1,89,2,1,1,15,3,13,1,4,2,6,6,1,・・・ ]

 そういえば、[ 3,7 ] =22/7 だから、πの近似値として、22/7を使われてきたのも、なるほどとうなずける。

自然対数の底 e の連分数展開

e = [ 2,1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,1,12,・・・ ]

 eの連分数展開には規則性があるのが面白い。

                    

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