2000年8月11日(金)
問1 100mを10秒で走るA君と、11秒で走るB君では、どちらが速いか?
こういう問いに対しては、だれでも躊躇なくA君と答えることでしょう。そりゃあそうです。では・・・
問2 100mを10秒で走るA君と、110mを10秒で走るB君では、どちらが速いか?
まあ、たいしたことないですか・・・。同じ時間にいっぱい走るB君の方が速いってことになります。では・・・
問3 90mを10秒で走るA君と、100mを11秒で走るB君では、どちらが速いか?
問1と問2では、そのまま比較して、どちらが早いか判断できますね。ところが、問3になると、どちらが速いか、ちょっと、そのまますぐには判断しかねます。
直接比較できるようにするためには、どうしたらよいでしょう?
問1・問2では判断できるわけですから、そういう状況をつくればよいですね。 A君は10秒間しか走っていないので11秒走ったときのことはわからないわけですが、 そのままの速さで走ったとすればどうなるか? と考えることはできますよね。
そこで、同じ速さのまま1秒間では何m走るかを計算することにしましょう。それが「速度」です。問3では、A君は1秒間に9m、B君は1秒間に9.09m走るので、B君が速いことになります。
自動車に載っていて、赤信号で2台並んで止まっていて、青信号になったと同時に走り出したのに、自分の自動車よりも隣の自動車の方が、先に行ってしまうことがあります。当然、一定時間に進む距離は2台で違うわけですが、それよりも、速度の上がりかたが違うということを感じますね。
問1 交差点で並んで停止している2台の自動車があります。青信号に変わると同時に2台の自動車が走り始めて、Aの自動車は、10秒間で50km/hの速さになりました。Bの自動車は10秒間で60km/hの速さになりました。どちらの自動車の加速が良いでしょう?
こういう問いに対しては、だれでも躊躇なくBと答えることでしょう。そりゃあそうです。では・・・
問2 自動車Aは12秒間で60km/h の速さになり、自動車Bは11秒で60km/h の速さになりました。どちらの自動車が加速が良いでしょう?
まあ、たいしたことないですか・・・。同じ速度になる時間が短い方が加速が良いことになりますよね。では・・・
問3 10秒間で60km/hの速さになる自動車Aと、9秒間で50km/hの速さになる自動車Bとでは、どちらが加速が良いでしょう?
問1と問2では、そのまま比較して、どちらが早いか判断できますね。ところが、問3になると、どちらが加速が良いか、ちょっと、そのまますぐには判断しかねます。
直接比較できるようにするためには、どうしたらよいでしょう?
このように、「加速の良さ」を比べるには、「速さ」のときと同じように、1秒あたりの速さの変化を求めてみるとわかりやすいのです。1秒あたりの速さの変化は、(速度の変化)÷(時間)で計算されます。この値を加速度といいます。
加速度はこのように速度の変化を時間で割らないとわからないものでしょうか? 自動車に乗っていて、加速が良いときと、ゆっくりと加速するときの乗り心地は全然違いますよね。
問 加速の良い自動車に乗ったときと、ゆっくりと加速する自動車に乗ったときに、自動車の中で感じることには、どのような違いがありますか?
自動車が加速しているときには、体が後ろに引かれるような感じがしますね。これを実際に目で見ることができないでしょうか?
これは、「カクシリキ」といいます。角知器というわけで、仰角を測るために作ったもの(青森の中村先生から頂いたもの。もとは同じく青森の工藤先生の作です)です。
加速中の自動車の中で、おもりが斜めになっているということは、図のような力が働いているのだから、mg tanθ と同じ大きさで反対向きに「力」が働いていないと静止の状態にはならない。そしてこの「力」こそが、加速度を生じさせる原因となる力、すなわち、自動車のエンジンが自動車を前方に引く力である。
F = ma
だから、つまり
mg tanθ = ma
である。すなわち、加速度aは、
a=g tanθ
である。
つまり、自動車の中でこの角度を測れば、この自動車の加速度がわかるのである。
実際にこの角度を測ってみよう。
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