1999年 9月 3日(金)
三平方の定理の証明には、いろいろある。一番よく見かけるのは
次のような図で表されるような面積の関係を使う証明である。

三角形ABKを、底辺KBに平行な直線JCにそって、点AをCまで 動かして等積変形すると、三角形KBCができる。
この三角形KBCと三角形ABEは合同である。二つの三角形の内角 のうち、鈍角である角はどちらも、90°+∠ABCであり、それをはさむ 二つの辺の長さも等しいから。
さらに三角形ABEは三角形DBEと面積が等しい。
したがって、正方形JKBAと長方形BEGDの面積が等しくなる。
同様にして、正方形ACHIと長方形CDGFの面積が等しくなる。 この二つのことより、直角をはさむ2辺上に作った正方形の面積の和は、 斜辺上に作られた図のような正方形の面積に等しい。
三角形ABCにおいて、
a2=b2+c2−2bccosθ
が成り立つ。
この式で θ=90°とすると、三平方の定理と同じ式になる。
余弦定理は三平方の定理の拡張になっている。
けれども、余弦定理を証明するときに三平方の定理を使うことが多い。
手元の教科書(東京書籍)をみると、次のような証明である。
黄色い三角形に三平方の定理を使う。
斜辺は a
直角をはさむ辺のうちADは
AD=bcosA
CDほうは、三平方の定理から
CD2=a2−(c−bcosA)2
したがって、三平方の定理から
b2=b2cos2A
+{a2−(c−bcosA)2}
これを計算すると余弦定理の式がでる。
このような証明をしていると、できあがった余弦定理は 三平方の定理の拡張のようにみえるのに、証明で三平方の定理を 使っているというところが少し気にかかる。
そこで、なんとか三平方の定理を使わないで証明をするには どうしたらよいのかと考える。三平方の定理が各辺の上に作られた 正方形の面積の関係を用いて証明されている。 三平方の定理が余弦定理の拡張であるのだから、証明でもそういう 感じが出たほうがうれしい。

右の図で考えてみよう。同じ色の長方形は面積が同じに なっている。このことを使うと余弦定理は、三平方の定理を 使うことなしにしょうめいできる。しかも、その証明の仕方自体が 三平方の定理の場合を中に含んでいる。この証明が好きだ。
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