前時の指導 その1
「鶴亀算」つて知っていますか?次のような問題です。
問題 鶴と亀,合わせて10匹います。鶴と亀の足の数は合わせて26本です。鶴と亀は,それぞれ,何羽と何匹?
この問題はあまり現実的ではありませんね。だいたい亀の足か鶴の足かは見ればす
ぐに分かってしまいます。そこで,少し問題を変えておきましょう。
問題 塀の向こうに,鶴と亀がいます。鶴も亀も外見が同じ長靴を履いて,また,頭には帽子をかぶっています。塀の上と下から長靴と帽子が見えます。長靴は合わせて26個,帽子は合わせて10個あります。さあ,鶴と亀はそれぞれ何羽と何匹?
小学校では次のような解き方をしました。
解き方 その1…小学校の解き方
なぜか,塀には,亀の前足を入れることができる穴があいている。さあ!亀さん!前足を塀の穴に入れて下さい。(このとき,前足が見えると問題にならないから,カーテンを引いておこう・・‥‥。)
塀の上には,大きなギロチンの刃がつるしてあって,亀さんたちが前足を出したとたんに,「ずど−ん!」 ああ,かわいそうに,亀の前足は,切り取られて,塀の前にころがっています。長靴から,血まみれになって,前足がころがっています。残酷なので,これにもカーテンを・‥。
さあ,これで鶴も亀も2本足になった…ということは,足は全部で20本のはず。もともと足は26本あることがわかっているのだから,血まみれの前足は6本。ということは,亀は3匹いるということだ。鶴は7羽。
残酷ですね,この解き方は。中学校になると,次のような解き方ができるようになりました。
中学校では次のようなとき方をしました。
解き方 その2‥・中学校の解き方
鶴は x 羽,亀は y 匹いたとする。帽子の数が10個だから,
x + y = 10 ・・・ @
長靴の数が26個だから,
2x + 4y = 26 ・・・ A
A 2x + 4y = 26
@×2 2x + 2y = 20
2y = 6 ∴y=3
@より,x=7
したがって,鶴は7羽,亀は3匹
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解法の比較
小学校の解き方は,亀の血を流してしまう残酷な解き方なのに,中学校の解き方は機械的な「計算」になってしまっている。式の変形の意味をよくよく考えてみると,小学校の解き方に対応していることは分かるが,しかし,中学校では,意味などは全然考えなくてもよくなっている。文字を使って未知のものを表して,その量のみたす関係式を作ってしまえば,そこから先は単なる計算である。
このように,文字を使って計算をするということは私たちの思考を記号化してしまい,解くためのプロセスを,式の計算のなかに押し込めてしまって,ある程度自動的に思考(計算)が進行してしまう。
よくよく考えると,高校の数学で勉強してきたことは,幾何の性質や数列の性質を,、文字を使って式で計算することに翻訳することだった。
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暴走ゲーム
この日は,数学が2時間ある日であった。もう1時間は暴走ゲームをした。最初にルールの説明を行って,試しに1人でやってみる。次の2人または3人1組で,レースの形で行う。
(これだけで50分)
暴走ゲームをやった目的は,「ベクトル導入」のための原体験作りにある。ゲームを通じて,「移動量」を矢印で表すことに慣れ,また,矢印を縦ぎ足していくことで,移動の合成が自然にできる。
暴走ゲームのルールは加速度についてのものであるが,ここでは「移動量」だけに光を当てたかったので,ルールも加速度があまり表に出ないようにした。
ゲームのルールを理解するのに時間がかかった。初め1人でやってみて,ルールや運転テクニックをつかんだところで,2人ないし3人で組になってレースをやった。時間内に1レースを終了できたグループと終了できなかったグループがあった。休み時間にやって結果を提出させた.



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