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静かな植林帯の歩き
大阪から奈良県に入る水越トンネルの入り口。金剛山と葛城山と結ぶ山系の下を走っている。このトンネル手前約100メートルあたりで右の狭いバス道に入る。これがトンネルが出来るまでの水越峠を越える道。トンネル完成とともにすっかり寂れたが、その結果、静けさが戻り、なかなかいい山道になったような気がする。もうトンネルが出来て10年になるだろうか。最寄の金剛バス停、葛城登山口までは土日・祝日しか運行しない。金剛バスに確認のこと。 |
| バス道に入ると、すぐにトイレがある。下記の写真がそれである。牧歌的な装いだが、中は狭くて使いがってが悪い。しかし、なによりもないよりはずっといい。このトイレの横に右の石碑。金剛生駒国定公園とある。いまは金剛生駒紀泉国定公園であるから、古いものだろう。 |
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バス道に入り、トイレに行くまえに、じつは石ブテ林道に入るゆるやかな道があるのだが、このトイレの脇から土手を上れば、林道に出る。そしてトイレの裏側の方から、こんどは山中に入る登山口がある。下の写真がそこだ。とくに何も書いていない。看板もない。うっかりすると、通りすぎてしまいそうだ。杉の林の中にしっかりした踏み跡が進入している。この踏み跡に立てば、あとは迷うところはない。山頂まで一本道と思っていい。 |
| 登山口をうっかり外した場合でも、石ブテ林道はコンクリ舗装で奥に長く入っていくから、すぐに行き過ぎたことに気ずくはずだ。登山口の木の幹には何本かのテープが巻かれてあるから、見落とさないことだ。林のなかに入ると、ほとんど視界は開けない。尾根歩きだが、低い尾根であるからだ。 |
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U字溝やV字溝にえぐられた尾根を登る。おおむね上り一本調子で、フラットなところがない。ゆっくり登ることだ。左のネットは、動物の立ち入りを防護するというよりも、人間避けであろう。石ブテ林道をどんずまりまで歩いて、小さなせせらぎを越えて山肌に取り付くと、急な斜面が続く。その先が、この尾根筋と合流するのだが、いつのころからか、山主がネットを張り巡らした。おそらく植林や道が荒れるからであろう。登山者は心したいものである。 |
| 道なりに進む。植林帯を行く。ゆるやかな傾斜である。右手が谷沿い。カーブを曲がって三叉路に出る。ここは水分道との分岐。正面の土手を上がると、そこに狭いがよく踏まれた道が左右に伸びている。右手が森屋近くの水分神社に通じる長い登山道だ。左手のみちは、すぐに歩いてきた今までの道と合流する。水分道の終点といえる。 |
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この道は、とくに公共の施設や建造物もない。杉、ヒノキの植林のなかを歩くばかりである。ただ、もくもくと歩く。左の石柱と小さな地蔵が一体ある。刻まれた文字が風化していて、読めないのが惜しい。たくさんの一円玉が供えられているのが可笑しい。十円玉一つない。お祈りか、願掛けか、お布施かしらないが、一円玉だけとは寂しい。 |
| このコース、唯一視界が開けるのが、ここ。木材関係者がベンチニ台用意されている。いぜんは切り開かれて、視野が広がっていたが、幼樹が大きく育って、背伸びしなくては、前方の景色が見えない。真正面に見えるのは、大和葛城山の山頂だ。初夏のツツジのころになると、山頂が真っ赤に燃えるようなツツジを遠望できて、大いに楽しめる。 |
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左の尾根筋は、通称、セトと呼ばれている地点だ。金剛山の正面登山口の方から林道長谷線を通りぬけて、カトラ谷の分岐から分け入ってくれば、ここで合流する。山頂から帰路にこのコースを取る人が少なくない。いつも静かで、深い植林帯の中にいることを実感できるところ。ここまでくれば、北尾根コースの3分の2は歩いたといえよう。 |
| セトから先は、緩やかな上り傾斜が続く。大岩小岩が道筋に転がり、倒木があったりして、ここまでの道とは趣きが異なる。疲れた足には結構こたえる。そんな道が終わると、右や下の写真のようにササが左右に伸びた狭い山道に変わる。右はワサビ道とかルート77とか言われている分岐点。下ればカトラ谷の登山道と合流する。季節になると花の種類が多く咲くことで親しまれている。うっかり通りすぎるが、木の幹に赤い印がついているし、写真には写っていないが、右にコンクリの電柱がある。 |
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ここのササは、縁が白い。背丈もやや高めである。真夏は狭い道におおいかぶさるように繁茂している。それをかき分けるようにして進むと、どいうゆうわけか心地よく、快感である。自然な道を歩いているという喜びがある。進行方向の左手の谷に春になると、いい花が咲く。あまり公表したくないので、花名は書かないで置こう。 |
| 山頂は、この階段を登ったら到達だ。国見城跡が、この先にある。この階段は、従ってコース最後の上り。カトラ谷から登ってくる人のなかには、この付近にたどり着く人もいる。また、大日岳から植林のなかを下って、ここと合流する人もいる。国見城跡は、本当の意味の頂上ではないが、頂上は葛木神社の境内地にあり、立ち入りが歓迎されていないし、展望もまったくきかないので、ここをとりあえずの山頂として、下の写真のように標識が建てられている。国見城跡は円形状に広く、多くの登山者がここで昼食をとったりしてくつろいでいる。 |
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この写真を取ったとき、たまたま夫婦で2000回登山を果たした人が記念撮影を標識のまえでしていた。回数登山をしている人にとっても結局、ここが山頂である。この地点は行政区画では奈良県御所市なのだが、展望のきく視野の広がりは、すべて大阪平野である。奈良盆地と錯覚している人がたまにいるが、見えているのは泉北や大阪城方面。秋冬の澄んだ空気のときは淡路島や明石大橋をみることができる。 |
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