青い焔







「もし私が志半ばで死んだら、君はどうする?」







日の落ちかけた執務室で、突然上官の口を突いて出た言葉。


深く考えていた様子はなく、極めて何気なく発せられた言葉。


重くない気配を乗せて呟かれた言葉とは裏腹に、彼の漆黒の眼差しはじっと相手に向けられている。

刺す様に。

射抜く様に。


澄んでいる様で、その実、淀み切っているのではないかと思われる黒。

その黒が、じっとホークアイを見詰めている。




「その時には、先に私も殉職していますから、考える必要はありません。」



書類を繰る手を一瞬止めて。
突き刺さる視線を気にも留めない様子で、涼やかに言い放つ。



普段、仕事をしている時の様な、怜悧な姿。

躊躇も、迷いも、ほんの僅かも無く。


そして、また何事もなかったかのように書類を繰り始める。




「クールに見えて、激情家だね。」


突き刺す視線を緩ませて。


机の上に組んだ手の上に、軽く顎を乗せる。


それでも、黒髪の奥の目は彼女から外される事はない。



「褒め言葉と取って宜しいでしょうか?」


書類から目線を上げず、紙を繰る手も動きは止めず。
上官がこちらをまじまじと見詰めている事に気付きながら、その視線に応える事もせず。





「勿論。」


そんな彼女の姿を、そのままのポーズで見詰めながら、少し愉快な心持ちで大きく肯定の言葉を提示する。



「では、ありがとうございます。」


相変わらず、視線は上がらない。
手元の書類の束に向けられたまま。


「正に焔の様な、女性だね。」


その返事に満足した様子で、手は組んだまま、椅子の背もたれに深く凭れる。
顔にはほんの少しの笑み。



勝ち誇った、勝者の。



「私に相応しい。」

畳み掛ける言葉を付け加えて。





「……ありがとうございます」




まだ書類に向けられた表情の、目線が、今は書類を追って居ない事をロイは知っている。


柔らかく、微かに微笑んで、眼差しは伏せられたから。





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短っっ!!
青ってクールな感じの色ではないですか?
でも、青い火は温度が高い。

大佐に足払いかまして、スカーに正面から挑むのは熱いよね。
デタラメ人間の万国ビックリショーだから。
殺されかねないというよりは必至でしょ。

ときのにしては珍しく、いちゃこかず、って感じでした。


        040406




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