きっかけ








きっと彼女は、寝込みを襲わせてくれる様な隙は見せないだろうから。
じっくり、慎重に練り込んで行っても、気付かず素知らぬ素振りをするだろうから。

決行するならば、奇襲が最適。

彼女が身構える前に、考える前に、目的を達成してしまえば良い。
目的は、きっかけを作る事。
彼女の牙城を切り崩す、突破口になる小さなきっかけを作る事。

そうしたら、きっと彼女はもう知らぬ振りはしない。
恐らく、その白い頬を可憐に染め、目を伏せるだろう。

そうなれば、もう、こちらの勝利は目前。
彼女は自分の物。
欲しいのは、その身体(うつわ)ではなく、その心。

従者として、主君として。
そんな関係を確認したいんじゃない。

主従関係を越え、求めてしまうこの心に彼女が応えてくれるのか。

知りたい。
確かめたい。

手に入れたい。

その漆黒の瞳に、主ではない、一人の自分を映して欲しい。
その強い心に、主ではない、自分の存在を植えつけたい。

彼女もまた、焦がれて、片時も忘れられない様に。













若、ただ単にちゅーがしたいだけなのです。
ちゅーしてしまえば、自分の気持ちに気付いて、
ランファンがハツカシがってくれるだろう!と。
一生懸命に考えて、奇襲するおつもりなのです。

面を外させる所からだから、大変ですぞ、若。


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