その日は大会で、ちょっと迷ったけど、帰りの亮子を会場まで迎えに行った。
---正確には、「迎えに行った」じゃなくて、現場にいたから、現地解散の亮子を捕獲した、だな。
他の奴等の手前とか何とか、考えなくもなかったんだが、今日は何となくそうしたかった。
殴られも、蹴られもせず、亮子と合流し、最寄の駅に向かった。
今日の内容とか、さり気なく会話をしながら、彼女の持ってたデカいドラムバッグを奪い取る。
一瞬、亮子はちょっと驚いたような顔をしたけど、ニッと笑ってやったら、仕方なさそうに笑って黙って付いてきた。
そうだよ、そうやって素直にしてりゃ良いんだよ。
そんな亮子の笑顔に俺は内心上機嫌。
暴力振るわなきゃ、もうちっと可愛らしいのによ。
car license
乗り込んだ電車は意外に混んでいて、俺はちょっとがっかりした。
折角、浮いた気分だったのによ。
明らかに疲れた表情を滲ませてる亮子を座らせてやりたかったんだけどな…。
車内に目を配り、空席がない事を再度確認し口を開く。
「悪ぃな。どーしようかと思ったんだけど…結局、荷物持ちの役位にしか立たなかったな。」
別に責められてる訳でもないのに、気まずさを感じて、苦笑いしながら言えば、亮子はまたしても珍しい笑顔を見せる。
「いや、そんな事ないよ。ありがと。助かるよ。」
俺の視線の意味に気付いた彼女は、疲れて毒気の抜けた顔で、ちょっと首を傾げたりなんかしやがるから、やたらと可愛らしいじゃねえか。
そんな亮子の顔に見とれちまった自分を誤魔化す為に、彼女の頭に手をやる。
「眠いんだろ?意外にこの時間混んでるんだな。」
ぽんと手を置いて、その手を下ろしながら、ん。とだけ短く返事を返す亮子から目を逸らし、もう一度未練がましく車内を視線で舐める。
明らかに体力余ってそうな奴は座ってんなよ、全く。
「車の免許でも取るかな。」
溜息混じりに呟けば、目の前の可愛い女はさらりと髪を揺すってまた小首を傾げる。
「どうしたんだよ?急に。」
薄っすらと微笑んでるように見えるのは、疲れてぼんやりしてるからなんだろうな。
ここが電車の中じゃなかったら、今すぐにでも抱き締めてやりたいよ、本当に。
十中八九殴られるだろうけど…。
「車なら、移動中に亮子ずっと寝てられるだろ?」
ちょっと位オーバーな発言をしても、ここなら暴力は振るわれないだろうと思うから、ついつい発言がでかくなる。
移動中の車内で常に寝てるヤツはいないだろうと分かってはいるけど。
本当は俺だって、大きい事も言ってみたいんだよ。
普段はすぐ否定されるけどな。
「あたしのアッシーになる為に免許取るって言うのかい?」
悪戯っぽい目で覗き込んで、にやっと笑う。
まあ確かにそう言う表情の方が、お前らしいけどな。
「おうよ。」
そんな彼女の反応に気を良くして、自信満々に笑い返してやる。
ゆっくりまばたき一回分、俺を凝視して、亮子は見る見る内に真っ赤になった。
可愛いぞ、本当に。
「…ばか。」
電車の揺れにふらついた亮子を支える口実で、小さく聞こえた呟きごと、幸せな俺は彼女の体を抱き締めた。
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日常いちゃいちゃ〜♪
やっぱり香介君目線が書き易いのかな…。
それはきっと、ときのが香ちゃんと同じく亮子ちゃんを可愛いと思ってるからに違いないよ☆
080618
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