
〜あらすじ〜
マジック愛好家の少年椎橋彰は母親の逮捕を機に家出、上京する。
飢えとの戦いのなか、テレビのニュース番組 で 万引きGメンへの密着取材を目にしたとき、椎橋は閃いた。マジックの種を利用すれば、完全無欠の万引き犯になれるのでは。
やがて、奇跡のような万引きを成功させる神出鬼没の万引き犯の存在が、小売業者たちを騒然とさせる。
万引き稼ぎひと筋で財をなすまでになった椎橋。防犯カメラをも欺く彼の「ショービジネス」に疑いを持ったのは かつて天才少女・里見沙希からマジックの手ほどきを受けた、桝城捜査二課警部補だった・・・。
少年が犯罪を引き起こす複雑な深層心理のからくりと、少年法の在り方を世に問いながら、巧妙なトリックの連続と 息をつかせぬスピード感で一気に読ませる、ヒューマン・サスペンス・ノベルの感動作。
〜感想〜
この本を読んでおもわず泣いてしまった。読んだときの自分の置かれていた状況などが影響したのもあったが強く心を打たれた物語だった。
けして、感動して泣いたわけではない。あまりに主人公の椎橋彰の性格と自分が似ていてその性格の愚かさやこんな性格のせいで傷つけてしまった人の事を思い後悔の念が湧いてきたからだ。
主人公椎橋彰は人を信じない性格なのだが自分も同じであった。小さい頃を人を心から信じた事がなかったし、信じれば裏切られると思っていた。
しかし、人を信じれない自分は自分を信じれないからではないのか?という桝城の言葉が一番心の中に残った。
自分に自信がないのだ。人に誇れる物を持っているわけでもない。人と比べて優れた部分を持っているわけでもない。また、自分の過去はよく人に叱られたり、怒られたりした。失敗や後悔も何度もしてきた。だから、自分に自信をもてないでいる。
だが、「自信」とは「自分を信じる」という力だと思う。自分を信じれないのに他人を信じれるわけがない。まずは、自分を信じることからはじめようと生き方を考えさせられる小説であった。
また、「ルール」についても考えさせられた。「憲法」「法律」などで自分達の行動は規制されている。しかし、皆が皆ルールを守ってるわけでもない。逮捕されない程度にルールを破ってる人間だっている。
例えば、車を運転していて速度制限を守っている人間は何人くらいいるだろうか?高速道路では80キロが法定速度だが平気で100キロ出している人間なんてザラにいる。
世間のルールもあれば自分の中でもルールがある。どちらに従うかは自分で決めなくてはいけない。世間に受け入れられないから自分のルールを曲げなくてはいけない時だってある。そんな時自分のなかで本当に正しいのはどっちなのか判断を仰がなくてはいけない。けして、なにをやってもいいわけではない。善悪の判断も自分で下さなくてはいけない。
というような事を問い掛けていた。自分の信念を見つけ、貫く事は難しいことだが自分の気持ちに素直にならなくては幸せには生きていけないと思った。
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