ここはアリアハン…その昔世界中を治めていた国。のちに戦争によって小さな国となってしまったが、人々は幸せな日々を過ごしている。
「小さなメダル三枚だね。よし!これで茨のムチと交換しよう。また、集めてきてくれ。」
彼の名前はセルジ。小さなメダルに魅せられメダルを集めてきてくれた人々に昔自分が世界中を旅して見つけたいろいろな珍しいアイテムや掘り出し物と交換しているのだ。彼はアリアハンの井戸の中に店をかまえている。
小さなメダルとはモンスターを倒すと手に入る物で、モンスターは必ず持っている。つまり、モンスターを倒した証なのだ。メダルの大きさはモンスターによって変化し、年齢の高いモンスター程メダルの大きさは大きくなり価値も上がるが、強く倒すのが難しいのだ。その他にも、世界中の色々な所に散らばっている。茨のムチは珍しいものでも何でもないと思うかもしれないがやはり価値の低いメダルにはそれだけのものしか与えられないというわけだ。あげるアイテムについてはセルジがその時その時で決める。中には珍しいメダルを持ってくる人もいるし、子供が道端で見つけたメダルを持って来る事も少なくない。
「メダルをアイテムと交換してくれる所ってここですか?道端でメダルを拾ったんですが…交換してくれますか?なんでもいいので。」
一人の礼儀良さそうな少年が店にやってきた。
「いらっしゃい!!拾ったメダルを見せてもらえますか?」
少年はセルジに拾ったメダルを見せた。
「ん〜これはいたって普通のメダルですね。だけど、道に落ちてたわりには傷も少なくとても綺麗なメダルです。…よし!薬草3つと交換になりますがいいかな?」
「え?それだけで、薬草3つもくれるんですか?もちろんいいですよ!!」
笑顔がとても可愛くそして、とても輝いていた。
「はい!薬草3つね。また、探してきてくださいね。」「ありがと〜」
少年はもう一度笑顔を見せおじきをすると店を後にした。
セルジは毎日の生活をこの店で過ごしている。ただ、夜になると井戸を昇り町のバーに食事をしにいつも通っている。今日も店を閉めてバーへ向かった…バーに行くは町に公園の横の道を通るのだが、公園の横をとおりかかった時なにやら話声が聞こえた。
「お前の体にも小さなメダルが埋まってるのかな?俺この薬草がなくなったらもう何もないからもしかしたらお前を殺さなくちゃいけなくなるかも…」「ピー」
一人の少年とスライムがベンチで座って話していた。よく見ると少年は昼に店に来た笑顔の輝いた少年だった。セルジは少年に近寄り声をかけた。
「君は…昼間俺の店に来てくれた子だよね?こんな所で何をしてるんだい?」
「あ…メダルおじさんだ。」
メダルおじさんとはセルジの事だ。アリアハンでは結構評判の良い店でしかも、小さなメダルを扱っているのは珍しく、みんなからは相性良くそう呼ばれている。
「もう、夜だしお家へ帰りさい。」「…僕には家なんかないよ。家もないし…家族もいない…お金もない…あるのは、友達と薬草三つだけさ。」
少年は少し悲しそうに話した。
「とりあえず、その友達の家に行ったらどうだい?泊めてくれないのかい?」「友達も僕と同じで家もないもないんだよ。」「もしかして…友達ってそのスライム?」「そう。このスラキチが僕の唯一の友達。そして、かけがいのない友達さ!スラキチが僕くらいの子供に虐められていたのを僕が助けたんだ。そしてら、スラキチが僕についてくるようになったんだよ。」
魔物使いという職業になればモンスターを仲間にする事ができ、しかも、スライムとなれば容易な事だが、それは魔物使いの話で子供にモンスターがついてくるようになるのはとても珍しい事だ。
「じゃ〜君はどこからここにきたんだい?」「わからないよ…僕はどこで産まれたのか、自分でも知らないんだ。一年前まではお父さんと世界中を旅していたんだけど、お父さんが僕を守るためにモンスターに殺されちゃって、僕はそれからでずっと一人なんだ。料理店の残飯をあさったり、城からのゴミをあさったりそんな事をして生活してたんだ。」
セルジは言葉が出なかった。少年はまだまだ幼く母親に甘えている姿を想像する年頃だった。そんな少年が残飯をあさって生活しているなんて想像もつかなかった。ましてや、アリアハンは小さい国ではあったがとても裕福な国であったからだ。
「僕はいつか僕のお母さんを探しに旅に出ようと思うんだ。だけど、外はモンスターだらけだし、船に乗るお金もない…いつかきっとお金持ちになったら、きっとなったら行こうと思ってるんだ。」
セルジは少年の純粋さにとてもひかれた。そして、それと同時にこの少年の夢を叶えてあげたいと思った。
「世界を旅するには戦闘技術やお金も必要だが知識も必要だ。俺は昔世界中を旅した経験がある。俺の元で色々と勉強でもしてみるかい?」
セルジは少年に問い掛けた。
「本当!?」「あ〜俺の所は君たち二人を養っていけるくらいの金はあるからね。俺の元で勉強すればすぐに一人前になって君のお母さんを探しにいけるさ!」「ありがと!!僕なんでもするね!掃除でも洗濯でも…本当にありがと!!」
セルジは昼間見た笑顔をまた見ることが出来き、嬉しかった。
「君名前は?」「僕の名前はロビン。」「ロビンか俺はセルジだ。よろしくな!」「よろしく!!」二人は固く握手をした。セルジがロビンの夢を叶えようとしたのは同情心がなかったといえばそれは嘘だ。しかし、セルジは彼の純粋さにひかれ、自分の過去に共通する部分が多かった事、そして、何よりも笑顔にひかれた。
ここにセルジとロビンが出会った。これは二人の人生にそして、世界の人々にとって大きな意味を持つ事だと今は誰も知らない…
〜あとがき〜
前々から小さなメダルについての物語は書きたいと思っていたんですがなかなかアイディアが見つからずに困っていたんですがひょっとした事からストーリーが思いつき第一話目を書きました。今回の一番書きづらかったところはなんと言ってもセルジがロビンを助けようとしたきっかけの部分でした。同情心だけの事だったらこの後のストーリーに幅がなくなるし、ましてや、簡単な事で決心するのもどうかという事で苦悩しました。後で読んでみるとやっぱりぎこちない文になってしまったようです。
さて!この後セルジとロビンにはどんな物語が待っているんでしょうか!次作をお楽しみに!!! Don’t
miss it!!!!
著者 メダ
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