第10話 〜建国(前編)〜


 

それから、1週間ほどでアリアハンへの旅の準備が完成し、店を閉じて旅に出かけた。店もすぐに店を出してみたかったという純粋な商人に売れ、すぐに旅に出ることができた。旅は移民の町に来る時よりも二倍ほど時間がかかった。それは、モンスターがひどく出現する事や、モンスターの被害により船の出航数も減ってしまったからだ。セルジは行きと同じように商人の舟に乗せてもらおうとしたが、モンスターが恐いという理由でことごとく拒否された。

アリアハンに戻った二人は唖然とした…アリアハンは元からそんなに活発な国ではなかったがアリアハンを出発した時よりもひどく活発さがなくなっていた。町を囲っているモンスターの侵略を阻止する壁も城壁もボロボロになっており、町のいくつかの家も廃墟となっていた。

王様の所に挨拶しに行くと王様もお疲れのようで顔がやつれいていた。ここ、数年でモンスターの侵略がひどくなり、城壁などの修復作業が間に合わなくなり国をでていく人も多くなったという。今は、セルジが暮らしていた時の半分ほどしか人口がいなくなったと大臣が説明してくれた。

「モンスターが本当に凶暴化してるんですよ。アリアハンにも世界でも有数剣士部隊がいるんですが、モンスターを追い返すのがやっとなんです。モンスターは次から次へとくるのでこっちは士気がどんどんと下がっていく一方なんです。」

大臣もひどく疲れた顔をしていた。セルジは国王に五年間の生活を報告すると同時に、アリアハンに国を作るための勉強をしに来た事を説明した。そして…

「王様や大臣には失礼な言い方になるが、アリアハンの復興にはいい勉強ができそうなので、僕も力を貸します。ですから、一緒に力を合わせてアリアハンの復興させましょう!」

王様はその話を聞いて

「セルジが味方してくれれば1万人の兵士と100万ゴールドを同時に得たのと同じ」

と快く承知してくれた。

…そして、2年間セルジ、ロビン、スラキチはアリアハンの復興のために全力で協力した。その間、スラキチがまた、野生のモンスターに戻るようなことはなかった。

セルジは王様や大臣とともに人口を増やし、建物や城壁などを修復して活発さを取り戻そうとした。セルジはアリアハンでまた、店を出すとすぐに人口は増えた。ここで、セルジは王様がセルジの旅をあれほど許してくれなかったのは自分のためではなく国のためだということを知った。国の長となるのはとても大変な事だと肌で感じたのであった。そして、国もだいぶ活発化した。ロビンは兵士長を務め集まった人々の中から募兵して兵士を訓練させた。その中で人々に戦いの訓練をするのがどれだけ大変なのかを知り、的確に教えてくれたセルジのすごさを知った。また、この三年間の間にも幾度もなくモンスターの軍団が現れ、最初は追い返すのがやっとであったが一年もたつと兵士達もレベルが上がりモンスターを全滅させれるほどにもなった。また、建物の修復作業などにも兵士達は手伝いをした。国が一丸となって復興に努力したのである。

三年後…国はセルジ達が旅立った時よりも大きくなりセルジは国王としての役割や仕事などを見につけた。そして、セルジの店をたたんだ。ここで、また、人口が減るかと思われたが一年ほど前に来たリックという小柄な商人がとても人気が高く町を活発化していた。国王、セルジは安心してアリアハンの復興が成功した事を皆で祝った。

そして翌日、セルジ、ロビン、スラキチは自分達の国作りのためにアリアハンを出発した。国王は

「アリアハンが復興したのもすべてセルジ…君のおかげだ。君は絶対にいい王様になれるよ。これは、餞別だ。」

と言い100万ゴールドをくれた。セルジは何度も返そうとしたが王様が引き取ってくれないので

「いつか、返しに来ます。」

と言い、受け取った。そして、一行は建国のために旅立っていったのである。