第2話 〜旅立ち〜


「小さなメダル十枚だね。力のルビーと交換しよう。」

セルジ、ロビンそしてスラキチが同居するようになって一年がたった。セルジの前の生活とこれと言って変わった所はない。いつもどうり店をやっている。ただ、セルジにとって同居人が出来る事によって孤独感がなくなった。朝ご飯はいつも三人一緒に食べている。食事の時の会話もセルジの一つのお楽しみとなった。また、ロビンにとっても温かい家族のようなものが出来てとても安心している。

ロビンは店の掃除や店番などをしている。夕方からはセルジとの稽古が始まるのだ。

ロビンは一年で急成長した。戦闘技術、呪文は全てセルジから教わった物で呪文はホイミ、キアリーなどの初級回復呪文を覚え、攻撃呪文はメラ、ギラなどの炎系を得意としている。知識の方だがセルジの店も世界的に有名となり世界中の色々な人々が来るのでそんな人から色々と話を聞かせてもらっているのだ。セルジの店もアリアハンの王にも認められ今は井戸から脱出して、日の当たる場所で店を構えている。

「え?移民の町?」

店も昼時で一時暇になるこの時間帯に常連さんが来てセルジとロビンは興味深い話を聞いていた。

「あ〜そうだ。世界では移民の町って呼ばれいてる。世界の色々な奴が色々な理由でそれとなく集まって数が増えて今は町になっているんだ。町と言っても町長だっていないし、税金を取られるわけじゃない…みんな、寄り添って生活してるって感じだよ。それで君もどうだい?そっちに店を開く気はないかい?今は世界的に注目を集めている場所だから世界からいろんな人が町を見に来るよ。そこで、君が店を出せば小さなメダルを扱ってる店は珍しいからたくさんの人が見に来てくれると思うんだ。それに、アリアハンとは違って立地条件もいいよ。世界の中心地オラクルベリーのすぐ近くだからね。いろんな人が来やすいし。それだったら、珍しいメダルやとてつもなく大きなメダルとかを見る事が出来ると思うんだ。」

「移民の町か…」

「ただ、そっちの方が店も順調にいくし、いい条件がたくさんあると思うんだ。今の生活で十分ならそれでいいし。」

「う〜ん。少し考えてみるよ。俺もそろそろまた、世界を旅しようとは思ってたんだけどさ。」

「うん。わかった。また、おもしろい情報をキャッチしたら来るね。」

常連の男は去っていった。

セルジは男が去ってもずっと難しい顔をしていた。いろいろと考えているのだろう。

ロビンがセルジに話し掛けようとした時…店のドアが開いて客が来た。

「いらっしゃ〜い。」

セルジはいつもの笑顔を見せながら接客にあたった。

店も終わり、稽古の時間になった時セルジは

「今日は稽古はお休みだ。久々に外でご飯を食べよう。」

そういって、行きつけのバーに三人で行った。

「ロビン昼間の話なんだけどさ…・」

セルジが話を始めた。

「俺、移民の町に行こうと思うんだ。そっちの方が世界中の人々から話が聞けるしもしかしたら、お前の母親のことも聞けるかもしれない。俺もいろんなメダルを見る事ができるしお互いにいいことがあると思うんだ。…ロビンはどう思う?」

ロビンはすぐにセルジの問いに答えた。

「僕はセルジおじさんについていくだけだよ!」

「…そうか!!わかった。じゃ〜移民の町に行こう!!旅立ちは一週間後だ。色々とやる事もあるからな!」「うん!!」

翌日から旅立ちの準備が始まった。荷造りをしていてロビンは一つ疑問が浮かんだ…メダルを集めてきてくれた人たちに上げているアイテムはどうやって持っていくのだろうか?あまりにたくさんあるので運ぶのは無理だと考えていた。その疑問にはセルジがすぐに答えてくれた。

「これを使うのさ」

そういうとセルジは小さな袋をだした。

「これはただの袋じゃないぞ!いくらでも入る袋なんだ。名づけて大きな袋!なんてな、そのまんまだけど」

セルジは笑顔を見せた。旅立ちに向けてなんか、すがすがしい笑顔だとロビンは感じた。

旅立ちの準備で最もやっかいだったのはアリアハンの王に挨拶をする時だった。世界的に有名となってしまったセルジの店をどうしても王は手放したくなく、どうしても旅の許可書を書いてくれなかった。しかし、最後には

「そのうち必ずこの時は来るはずだった。それが少し速かっただけ。今後のセルジ殿の店のためにも許可された方が良いのでは?」

と、大臣の助言によりようやくゴールドパスを書いてくれた。

 

そして、セルジ、ロビン、そしてスラキチは移民の町に向けて旅立って行った。