スラキチの事件から数日が経った。セルジはその間ずっと、悩み事をしていた。ロビンもセルジが何か考えている事を感じていた。そして、その日の夜の食事での事であった。
「なぁ〜ロビン話があるんだけど。」
セルジが話を始めた。
「スラキチのあの事件から店に来てくれるお客さんに色々と話を聞いていたんだが、その中であるお客さんがちょっとした話をしてくれたんだ。」
「どんな話?」
「うん。二日ほど前にきたお客さんなんだけど実は1週間ほど前にテドン地方で一つの小さな村がモンスターの軍団の侵略をうけ崩壊したんだ。」
「え?モンスターの軍団?」
「そうなんだ。こんな事は今では非常に珍しい事なんだ。それは、こういう、軍団での村や町の侵略は魔王が軍団長に指示をしてやるか、軍団長の指示でやる事なんだ。俺はバラモスを倒す前にすべての軍団長を倒した。そして、バラモスも倒した。つまり、モンスターの長と言えるモンスターは全滅したはずなんだ。何にこの町を侵略する軍団が現れた…」
「魔王が復活したのは本当だったって事?」
「多分、そういう事になると思う。ただ、バラモスが復活したのは多分ありえないと思うんだ。死んでからまだ、歳月も経っていないし…そうすると、誰かが魔王の座についたか…もしくは、バラモスのバックに大きな組織があったのかどっちかだと思うけど…」
「思うけど…?」
「たぶん、バラモスのバックに魔王を超えるモンスターがいて、そいつが作った組織がこの世界に出てきたのだと思うんだ。」
「そんな…バラモスより強いモンスターなんて…」
「そこでだが…」セルジが話を変えた。
「ロビン、町を出ないか?」
「え!!」
ロビンはセルジのいきなりな言葉に息を飲んでしまった。
「なんで?ここに来てまだ、2年だよ。せっかくお客さんもたくさん来てくれるようになって町も活発かしてきたのに…」
「それを嫌がる町民も出てきたんだよ…」
「え?」
「確かにメダルの館は本当に大きくなって成長してお客さんも来てくれるようになった。だけどね、この町にはひっそりゆっくり暮らしたいっていう気持ちで来た人もたくさんいるんだ。それだと、店が有名になって町が活発化して、人がたくさん来るようになるとゆっくりなんて事はできなくなるだろ?俺達は迷惑なんだよ。確かに町が活発化して喜んでくれてる人もいるよ。だけど、悲しんでる人もいるんだ。その人達が俺達のせいで町を出て行くことになったら俺はやだからね。だから、俺達が出て行かなくてはと思うんだ。活発な町なんか他で作ればいいじゃないか!!」
「それって?…国を作るって事?」
「うん。一年ほど前から考えていた事なんだ。だけど、きっかけがなくてね躊躇(ちゅちょ)していたんだけど、今回の事をきっかけに建国しようと思ってる。」
ロビンは本当に驚いた。しかし、セルジについて行こうとアリアハンを出た時から決意していたのですんなりと承知した。
「うん。セルジおじさんの夢が叶いそうだね!!!」
「あー。だけど、本当に国を作るのは大変な事だからね。まだ、色々とわからない事も多いからまず、アリアハンに戻って色々と王様にアドバイスをもらおうと思うんだ。」
「じゃ〜この店はどうするの?」
「売り家にしようと思ってるんだ。資金も必要だからね。」
「そっか…5年もここで暮らしていたからね。ちょっと…寂しいよ…」
セルジはロビンに元気よくこう言った。
「夢を実現するために仕方のないことだよ。この店に未練を残してやっていくのはダメだと思うんだ。足踏みしてる場合じゃない。もっと、先を見て進んでいかなくちゃ!」
「…うん!そうだね。」
ロビンは元気な声で答えた。
これから、セルジ、ロビン、スラキチは建国への夢へと向かって後を振り返らず前だけを見て旅立っていくのである。
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